兵庫県加古川市|グリーンピース動物病院 の 皮膚科
院長ブログ

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痒みをコントロールする新しい分子標的薬

今年の夏は、獣医皮膚科診療においては、非常に画期的な新薬が発売されました。

その薬は、オクラシチニブという成分名で、商品名はアポキルと言います。

欧米では数年前から日常診療に使用されていて、素晴らしい効果を上げているということでしたので。  勉強熱心な先生方は、既にその存在を認識していて、日本国内販売を渇望されていたようですが。

我が国でもやっと農林水産省の審査が通って販売されるようになったものです。

アポキルは、分子標的薬という特定の分子に作用してその働きを制限するお薬の一種で。  ターゲットになる分子は、皮膚の痒みを生じさせるサイトカインの信号伝達に関与するヤヌスキナーゼという物だそうです。
小難しい話しは省略して。  要するに痒み生じさせる生体の連鎖反応を途中でブロックするお薬だと考えれば良いと思います。

どんな薬もそうですが。このお薬にも、それなりに特徴があります。  それは。

1、基本的にアトピー性皮膚炎の痒みに対しては非常に有効である。  メーカーの推奨量を守って投薬する限りにおいては、ステロイドホルモンのような副作用はまず生じない。

2、食物アレルギーに対しては、アトピー性皮膚炎ほどには利かない。 通常量の倍を使用すれば何とか抑えることは出来るけれども。 倍量使用を継続すると他の免疫反応一般を低下させてしまうという問題を生じさせる可能性が出て来る。

3、痒みに対して有効な症例では、投与の当日から痒みの著しい低下が認められ。 素晴らしい即効性が確認された。

4、アポキルを使用する場合。  最初の2週間は維持料の2倍の量を投与する。  2週間経過して良好な反応が得られたら、導入量の半量の維持料に減薬するが。  その際に少し痒みが戻って来ることがある。  その場合には。 局所使用に特化したステロイドのスプレーを使用したりすることもあるが。  たいていの場合戻った痒みも我慢が出来る範囲のことが多く、2週間から3週間経過すると再び落ち着いて痒みを感じなくなることが多い。

5、総てのアレルギーの犬について、ステロイドホルモンよりも有効であるとは限らない。  当院でのほとんどの症例ではアポキルの導入により、ステロイドから離脱出来たのであるが。
たった1例だけ、投薬何回かに1回嘔吐して、痒みのコントロールも上手く行かないで。 飼い主様のご希望で少量のステロイドホルモン1日置きの投与で快適な生活に戻った症例もあります。

しかし、ごく少数の例外を除けば、適切な症例として判断して投与している多くの子らは、このアポキル錠のお陰で夜も痒くて眠れないこともなくなって、快適な生活を送ることが出来るようになっています。

apokill1

 

 

こじれていたアレルギー性皮膚炎

お久し振りです。

今日の症例は、もうすぐ生後14才になる日本犬雑の男の子ですが。3才になる頃に皮膚に痒みと発疹脱毛が生じて。

近くの獣医さんで「草木アレルギー」と診断され。抗生物質とステロイド&抗ヒスタミン合剤、肝機能庇護剤の内服。外用剤として、ステロイドホルモンのスプレー、ステロイド&抗菌剤&抗真菌剤合剤軟膏という治療をずうっと継続して来たが。

全然改善せずで。今まで高級車が買えるくらいお金を使って来たということです。

この度グリーンピース動物病院を聴き合わせて転院されて来たそうですが。私にこの子の症状を改善させることが出来ますかどうか?

皮膚症状を見ると。

背部皮膚に脱毛が数ヶ所ありまして。両側鼠蹊部に赤色斑があります。最も辛いのが夜も眠れないほどの痒みということですから。

アレルギーを疑う以前に、まず痒みを生じる皮膚病を除外することから始めようと思います。

同時に、もう10年くらいステロイドホルモンとか内服を続けて来たということなので。採血して全血球計数検査、血液生化学検査を詳しくやります。

まず、皮膚に非常に強い痒みを生じさせる病気の代表格としての疥癬と、毛包虫を除外するために、皮膚掻き取り試験を実施します。鋭匙で掻き取った皮膚の組織をお薬で溶かして顕微鏡で詳しく観察しましたが、疥癬や毛包虫のような皮膚の寄生虫は見当たりませんでした。

血液検査では、総コレステロールとアルカリフォスファターゼが高値でしたが。これは長年のステロイドの内服に依るものと思われます。他に炎症マーカーである犬CRPが0.8mg/dlと、基準参考値をわずかに上回っていますが。これは皮膚炎に起因するものかも知れません。

脱毛が生じている部分の被毛を抜き取って、真菌培養検査の培地に植え付けて。脱毛部を滅菌生理食塩水で濡らした滅菌綿棒で入念に擦って、取った材料をミューラーヒントン寒天培地に塗り付けて。12種類の抗生物質についてどれが利くのかという薬剤感受性試験を院内で行ないます。

院内の薬剤感受性試験は翌日に結果が出ますので、それに基づいた適切な抗生物質を内服させます。また、真菌培養も3日後には皮膚糸状菌(人の水虫菌と同じようなカビ)が生えたという結果でしたので。1週間後から経口抗真菌剤の内服を開始しました。

この2種類のお薬の内服で、治療開始後3週間経過すると、掻いたり舐めたりという痒み症状が約70パーセントは改善したとのことです。

治療開始後3週間の時点で、動物アレルギー検査株式会社による「アレルギー強度試験」を実施しました。
やることは、採血して、冷蔵宅急便で検体を検査センターに送るだけのことですが。その子がアレルギーを生じやすい状態であるかどうかを正確に判断してくれると思ってやっています。

帰って来た返答は、下の画像の通りでした。

CCR4/CD4が高値であるということは。アレルギーの際に出現するリンパ球の数が多いということですから。その子がアレルギーを起こしやすい免疫状態と考えて良いのです。

アレルギー強度検査は検体を送って2日後には返事が来ましたから。結果が返って来た翌日にはこの結果を飼い主様にお伝えして。

いよいよ、血液中のアレルゲン特異的IgE(1型アレルギーの検査)とリンパ球反応検査(Ⅳ型アレルギーの検査)を行ないます。今回も採血して検体を動物アレルギー検査株式会社に冷蔵宅急便で送るだけです。

今回は、結果が返って来るまで1週間以上かかりました。

結果を見てちょっとびっくりしました。

アレルゲン特異的IgEもリンパ球反応検査も、調べた項目総てで陰性だったのです。

これはどういうことかというと。調べた項目以外の何かに反応してアレルギー反応が生じている可能性があるということなのかも知れません。

ただ、こうして検査をしている間にも、薬剤感受性試験と真菌培養検査に基づいた投薬を続けてましたが。わんちゃんはほとんど痒みを表現することなく。

皮膚病は治ったんちゃう?という素晴らしい状態になっております。

飼い主様も高額なアレルギー検査であっても。当面食べ物に関して大体はわんちゃんが好きな物を与えても心配ないという結果に喜びを感じているらしく。また、アトピーや花粉症も大体は否定されるということで、かなり安心されていました。

ただ、アレルギー強度試験では陽性であるのに。具体的なアレルゲン物質が特定出来なかったことについては。将来的に不安は残ります。

思うに、最初に治療した獣医師が、根拠不明な「草木アレルギー」という診断の元、2次的な病変である細菌感染に対して、ステロイドホルモンと共に薬剤耐性が生じやすい系統の抗生物質を漫然と長期間にわたり処方し続けたことなどが、この子の状態を悪化させていたのではないか?という疑いを捨て切れません。

細菌感染と言えば、過去に受講したセミナーでは、ブドウ球菌に対するアレルギーを持つ動物が存在するということを聴いたことがあります。動物アレルギー検査株式会社の検査では細菌及びその毒素については対象外になっていますので。確定は出来ませんが。
その場合には、薬剤感受性試験を繰り返しながら適切な抗生物質を処方しつつ、マラセブシャンプーとかノルバサンシャンプーのような抗菌剤入りシャンプーの使用などで細菌感染をコントロールして行かなければならないでしょう。

現在このわんちゃんは、状態良好につきステロイドホルモンを処方せずに。抗生物質も打ち切って、マラセブシャンプーで週に1回洗浄するだけで経過を見ているようなことであります。

今後については不明な点もありますが。このまま痒みを感じることなく生活出来れば良いと思います。

特に皮膚病の症例では、他院からの転院の子で、疥癬や毛包虫の見落としとか、細菌の2次感染への対応のまずさから不必要に状態が悪化している例が目立つように感じられます。

ある症例なんか、2軒受診した動物病院の2軒共が、その子の皮膚を見るなり、「これはマラセチアだ。」と検査も無しに断定して、数年間延々と同じお薬を処方し続けていたのですが。全然改善しなくて。
私は、症例の皮膚を見ただけでそれをマラセチアと断定出来るほどの知識を持ち合わせていませんので、一からということで皮膚掻き取り試験を行なったところ、毛包虫が検出されて、薬剤感受性試験に基づく適切な抗生物質の投与と共に毛包虫の治療を行なったところ皮膚症状は著しく改善したものであります。

まあ、そうは言っても。私自身の症例も。もしかして私の見落としを他院で指摘されているようなこともあるかも知れません。

持って他山の石として。気を引き締めて日々の診療に当たりたいと思います。

ではまた。

 

 

 

 

犬のアトピー性皮膚炎に対する減感作療法

アトピー性皮膚炎は、アレルギー疾患のひとつと考えて良い皮膚疾患です。

皮膚に痒みなどの症状を起こすアレルギー性皮膚炎は、アトピー性皮膚炎以外にIgEという抗体が関与する食物アレルギー(1型アレルギー)と、リンパ球が直接反応する以前は食物有害反応と呼んでいたⅣ型アレルギーとがあります。

アトピー性皮膚炎の診断は、簡単なようで難しいところがありまして。食物アレルギーも含めて、細菌性皮膚炎、真菌性皮膚炎、寄生虫性皮膚炎(疥癬、毛包虫症、蚤アレルギー)などの他の病気を正確に除外して初めてアトピー性皮膚炎と呼ぶことが出来るのですが。

他院の例ですが。診療の最初にアレルギーもあったと思うのですが。2次的な細菌感染と真菌感染に対する対応が甘くて、細菌が耐性を獲得して全然利かなくなっている抗生物質とステロイドを何年もの間漫然と投与し続けている症例が転院して来る例が結構多くあります。

私の場合。アレルギーかどうか怪しいと思われるわんこが来院した時には。その子に他院での治療歴が無い場合にはなるべく早くに。他院での治療歴があって、しかもステロイドホルモンの内服薬を処方されている子の場合には、ステロイドホルモンを休薬して症状が強く出るようになった時点、あるいは4週間から最長で6週間経過してステロイドの影響が消失したと思えるようになった時点で。動物アレルギー検査株式会社のやっているアレルギー強度試験を実施して。その子の皮膚症状がアレルギーで生じているかどうかの鑑別を行なうことを心掛けています。

動物アレルギー検査株式会社のアレルギー検査には、最初に行なうアレルギー強度試験以外に、アレルゲン特異的IgE検査とリンパ球反応試験がありまして。

アレルゲン特異的IgE検査は1型アレルギーを調べて。リンパ球反応試験は、食物に対するⅣ型アレルギーを調べる試験ですが。リンパ球反応試験は普通に犬の食事に含まれている成分を調べる、「主要食物アレルゲン試験」とドッグフードメーカーがアレルギー対応食として販売しているフードに含まれている成分を調べる「除去食アレルゲン試験」とがあります。

いろいろ調べて行くと、アレルゲン除去食と銘打って販売している食事を食べ続けていたわんこが、その食事に含まれていたジャガイモとか米に対して非常に強い反応を示す症例も何例かありました。

そんなこんなでアレルギー性皮膚炎を治療しながら診断して行く感じで診て行って。

いろいろ除外診断をした結果、その子がアトピー性皮膚炎であると診断がついた際に。選択出来る治療法としては。

従来は、1、副腎皮質ステロイドホルモンのお薬。2、抗ヒスタミン剤。3、シクロスポリンという免疫抑制剤。4インターフェロン(免疫のバランス調整の注射)という方法を、それぞれ単独あるいは組み合わせで使用していたのですが。

昨年から減感作療法という方法が、比較的簡単に使えるようになりました。

減感作療法は、今まででも米国の会社が検査と注射薬を提供してくれる体制はあったのですが。費用が半端でないことと、副作用が心配なこと。それに最初の間の注射の頻度がほぼ毎日であって、飼い主様がついて来れない治療法だったので、私は従来型減感作療法は最初から勘定に入れていませんでした。

昨年から利用出来る新しい減感作療法は、最初に除外診断でアトピー性皮膚炎と診断出来れば。

メーカーが提供する血清IgE抗体検査を実施して、その注射薬が利くのかどうかという確認を行なって。

注射は、週に1回の頻度で6回だけという非常に簡単なものであります。

今まで当院で、この減感作療法を実施したのは、まだ3頭だけですが。その3頭は今まで出し続けていたステロイドホルモンを休薬することが出来ています。また心配される副作用も、注射薬調整の際に生じ難く加工されていることもあってか?今のところこの3頭では全く生じませんでした。

ただ、従来型減感作療法を見聞きして来た者としてどうかな?と思う点は。従来型が最終的には月に1回なりともずうっと注射を続けなければならないのに対して。新しい治療法は6回こっきりで注射を終了してしまいますので。アトピー性皮膚炎の再発が本当に無いのか?ということくらいです。
再発が生じないとすれば、アトピー性皮膚炎が根治出来るということですから、本当に素晴らしい画期的なことだと思います。

今年も夏になって、アトピー性皮膚炎が悪化する季節がやって来ました。1頭でも多くのわんこがこの素晴らしい治療法の恩恵を受けて、痒みの無い幸せな生活を送れるようになれたらよいと思います。

 

犬の爪の損傷

犬の爪の損傷は、意外にありふれたトラブルです。

伸び過ぎた爪は、走ったりする時に何かに引っ掛かり易く。これが折れると相当痛いようです。

ただ、折れた爪が指先から脱落してくれれば、その部分に新しい爪が生えて来て、元通りになるのですが。

爪は折れたものの。半分だけ折れて、残りはきちんと指先にくっついて残っている状態になると。


爪が伸びて、損傷部位が爪の芯の部分を通過してしまえば、神経や血管が分布しているのは爪の芯の部分だけですから、苦痛は消失するでしょうが。

爪が伸びるスピードが1日に0.3ミリくらいとすると、折れた爪による疼痛や違和感が消失するまでには、かなりの日数がかかることが多いです。

そこで、このような症例が来院した場合に、私がやらなければならないことは。折れた爪を除去して、早くに苦痛から解放してやることです。

そのやり方ですが。爪の損傷が大きくて、もう少しで脱落するという状態であって、ちょっとくらいの痛みでは心臓が止まってしまいそうにない強靭なワンコの場合だったら。
ワンコをしっかり保定してもらっておいて、鉗子とかペンチのような道具で爪を把持して、えいやあ!!で取ってしまうということも、時としてやることがあります。

この方法の利点は、全身麻酔をかけないで済むことと、料金がお安く済むということですね。

えいやあ方式が通用しそうにない損傷の程度であるとか。非常にデリケートで、強い恐怖や痛みでショックを起こすかも知れないワンコの場合には。どうしても全身麻酔をかけて、安全に処置を済ませなければなりません。

ここで私が使用する麻酔は。静脈から注入して使用するタイプで、作用時間がせいぜい10分くらいで、その後は速やかに覚醒してしまうものです。この麻酔の特徴は、少々腎臓や肝臓の状態が悪くても、また、ちょっとくらい心臓が弱くっても、比較的安全にかけることが出来るというものです。
もちろん。不測の事態に備えて、必要とあれば気管挿管とか静脈輸液が出来るようにはしておきます。

麻酔をかけて、折れた爪を除去します。同時に化膿止めの抗生物質も注射します。他の爪も随分長く伸びていましたから、爪切りも行ないます。
眠っている間に行なうことですから。ワンコは痛みや恐怖を感じることはありません。

処置が済んで、麻酔の切れる時間が来れば。ワンコは速やかに覚醒します。
注射を打ってから20分か30分も経てば、起立歩行が可能になります。

後は、明日から数日間化膿止めのお薬を内服して。露出した爪の芯が乾いてしまえば。そのうちに、忘れた頃に新しい爪が伸びて来ます。

今日の症例は。大したことではないかも知れませんが。それなりに切実な問題を取り上げてみました。

こういう簡単な症例でも、安全かつ速やかに動物の苦痛を取り除いてやることが大切だと思ってやっております。

ではまた。

 

毛がもつれたチンチラ猫の鎮静下毛刈り

チンチラとかペルシャのような長毛猫は、そのゴージャスな被毛が大きな魅力ではありますが。

時として、ブラッシングやコーミングなどの被毛の手入れをひどく嫌う子が居たりして。

そんな子は、毛がひどく絡まりもつれ、フェルトのような毛玉が身体全体を覆って。それが身体を締め上げて。

苦しいばかりか、毛玉の下の皮膚に炎症が生じたりして、可哀相なことになることもあります。

今回の子も、櫛やブラシを使って被毛を梳いてやることが非常に難しい子でして。
飼い主様はむしろ熱心に取り組もうとしているのですが。

結局、毛玉が出来てしまうという感じなのです。

仕方がないので。当院にて鎮静剤を使用して、毛刈りを実施することになりました。

私が使用する鎮静剤は。拮抗薬が存在してますので、何かおかしな反応が生じたら、速やかに拮抗剤を筋肉注射して醒ましてやることが出来ます。

刈っている時は、こんな感じです。

完成に近くなって来たところです。

終了したところ。

回復室で、飼い主様のお迎えを待っています。

たかが、毛刈りと思うなかれです。長毛猫ちゃんたちにとっては、毛玉の生成は非常に深刻な問題になる可能性があるトラブルなのです。

今日も無事に終わりました。

ではまた。

 

犬の食物アレルギー性皮膚炎

今日の症例は、2年半前に他院から転院して来られたダックスフントの男の子です。現在12才と2ヶ月令です。

生後1年半くらいから、皮膚の痒みと脱毛に悩まされていて、他院でステロイド内服による治療を行なっているのだが、著効はなく何とかならないか?ということで、当院に転院されたという事でした。

当院では、まず原病をはっきりさせたいということで。細菌や真菌の2次感染を、皮膚の細菌培養と薬剤感受性試験を実施して、その結果に基づく抗菌剤の投薬をおこなったり、殺菌剤入りシャンプーで洗浄したりして、それなりの改善を認め。

麻酔下での皮膚生検と採取した材料の病理検査を実施して「萎縮性皮膚炎」という結果を得たりしたのですが。なかなか上手く行きません。

食事性アレルギーについても、その当時免疫グロブリンによらない、リンパ球に直接反応する食物有害反応(Ⅳ型アレルギー)に対応しているという加水分解タンパクを使った処方食を試していましたが、良い結果は出ませんでした。その時に使用した処方食は、唯一の弱点が澱粉質の材料としてポテトを使用しているということでした。

ただ、飼い主様は加水分解タンパク使用の処方食を与えていながら、よくよく訊いてみると、その他の食事を与えていたりしてました。

これは食事療法を試みる上で致命的な事であります。

しかし、飼い主様もその食事療法の重要性とか意味とかが実感されていなかったようですし。私の伝え方ももうひとつだったのかも知れません。

その後、一時膵炎に罹患したりして、いろいろ大変だったのですが。

基本的には皮膚の細菌培養と感受性試験を繰り返しながら、抗菌剤を使用して2次感染による悪化を防ぎつつ、ステロイドホルモンの内服を中心とした治療を続けていました。

今年になって、飼い主様が当院から遠く離れた京都府に近い田園地帯に引っ越されまして。なかなか気楽に来院することが難しくなったということもあって。

最近当院でも実施することにした、動物アレルギー検査株式会社のアレルギーの血液検査を実施したらどうですか?とお伺いを立てたところ。

やってみようという同意を得ることが出来ました。

私は以前にはアレルギーの血液検査を実施することもありましたが。送られて来る結果は解釈が難しくて却って何が何やら判らなくなってしまうようなものがほとんどでした。

また、Ⅳ型アレルギーの検査をやってくれるところは今でも動物アレルギー検査株式会社以外には存在しないと思いますし。

免疫グロブリンの検査データも免疫物質の量をしっかり量ってくれているようなので。その結果が本当に臨床に使えるもののように感じております。

動物アレルギー検査株式会社のアレルギー血液検査を実施する場合。私はまずアレルギー強度試験という項目を行ないます。
これは、血液中のリンパ球の反応により、その子がアレルギーを生じやすい状態になっているのかどうか?と調べるものです。

ダックス君の結果は以下の通りでした。

普通、アレルギーを疑って検査を始める場合。この強度試験が基準値以下の場合には、その犬の皮膚炎がアレルギー以外の原因で生じている可能性が大だと判断して、それ以上の検査を行なわずに、アレルギー以外の痒みを生じさせる皮膚炎を追求して行くことになりわけです。

上記の結果は、参考基準値以上ですから。ダックス君の皮膚炎はアレルギー性のものである可能性が非常に高いと言えると思います。

そこで、そのアレルギーがアトピーという1型アレルギーによるものか?リンパ球が直接関与するⅣ型アレルギーによるものか?アレルギーの原因物質は何か?という検査に進むことにします。

順番に見て行くと。

免疫グロブリンが関与するアレルギーは否定されております。

 ところが、リンパ球が反応するアレルギーに関しては。まず一般的な食材では。

小麦が完全に陽性であって。牛乳が怪しいという結果でした。

最後に、普通新規蛋白を売りにしている除去食で頻繁に使われている食材を調べてみると。

ジャガイモが陽性となっていて。タラが要注意です。

これで、最初に実施した加水分解タンパク食が上手く行かなかった原因がはっきりしました。あの食事はジャガイモを使用していたのであります。

この結果を飼い主様にお示しして。今後は当院がお勧めする新しい加水分解タンパクを使用した食事とお水のみで生活させるようにとお話ししました。

本日の来院では、完璧な加水分解タンパク食を使用し始めて約1ヶ月になるのですが。随分皮膚症状が改善しておりました。

画像ではまだ脱毛している場所がありますけれども。元々はこんなものではなかったですから。

後1ヶ月も続けていれば、相当良くなって行くのだろうと予想されます。

飼い主様も、血液検査で得られたエビデンスに基づく処方ですから。今回は指示に正確に従って下さっているみたいです。

ダックス君。生後1才半から今まで10年以上も痒みと闘って来たと思うと、本当に良く頑張ったことと思います。この度のアレルギーの血液検査を思い切って実施して本当に良かったと思います。

ダックス君も飼い主様も何時までも元気で幸せに過ごせますように。

 

 

免疫低下の原因は?

1週間前に来院して来たシーズ犬のランちゃんは、9才と7ヶ月令避妊済み女の子なのですが。5才の頃よりアカラスと俗に言われる犬毛包虫症に罹ってまして。他院で治療しているのですが、すっきりしないということで、当院に来られたそうです。

アカラス以外にも、緑内障、乾燥性角結膜炎、それに僧房弁閉鎖不全症も存在しているようです。

で、診察室で今までの経過を聴き取りしている際に、来院4日前にトリミングに行ってから、翌日に41.1℃の発熱が生じて、かかりつけの動物病院で胸部エックス線検査の所見から気管支炎だとの診断で、解熱剤を注射してもらったが、食欲が無いというお話しでした。

検温してみますと、体温は40℃丁度で発熱しています。

診察申込み書の記載では皮膚病の治療希望ということでしたが、発熱と食欲廃絶ということであれば、まず何よりもそれに対応して、皮膚病は食欲が回復してから取り組むべきとお話しをしまして。

採血をして全血球計数とリパーゼ、犬CRPを含む徹底的な生化学検査を行なうと共に、胸部エックス線検査を実施してみました。

その結果ですが。胸部エックス線検査では気管支炎の所見は見つけられませんでした。血液生化学検査では総コレステロール、アルカリフォスファターゼ、リパーゼ、犬CRPに高値が見られました。

膵炎の疑いがあり、アルカリフォスファターゼの高値は副腎皮質機能亢進症か?膵炎による2次的なものか?どちらかと思われます。飼い主様には膵炎の確定診断のために「犬膵特異的リパーゼ」の外注検査を東京のアイデックスラボラトリーズに依頼するのと、静脈カテーテルを前腕に留置して輸液を行ないながらの入院になることを了承していただきました。

入院初日には、座っているランちゃんの頭がフーッと左に流れるように落ちて行って、ハッと戻るような常同行動と言って良いのか?と思われるような動作がずうっと見られて、意識レベルとかにも何処か問題がありそうな感じを受けました。

体温は入院二日目から38.4とか38.3℃くらいまで低下して。皮膚炎も大幅な改善が見られます。頭部のおかしな動きも2日目には消失して意識レベルも正常になりました。

犬膵特異的リパーゼの検査結果は634μg/Lと正常値200634μg/L以下に比べて上昇が見られましたので、膵炎の存在は確定ということになりました。

しかし、3日目くらいにはランちゃんの表情からかなり体調がよろしくなって来ていると判断しまして。
膵炎対応低脂肪処方食を食べてもらおうと、目の前に提示してみるのですが、顔をそむけるような反応です。

4日目、5日目も全然食事を食べようとはしません。元々自宅でも食が細く、少しでも気に入らないと頑として受け付けないということですので。

5日目にして一旦帰宅してもらいました。

すると、翌日の報告では少しではありますが食べたということです。

膵炎は何とかクリヤーというところでしょうか?

ランちゃんのこれからですが、元々大きな問題である5才で発症した全身性毛包虫症は、免疫を低下させる何らかの基礎疾患が存在していることが多いですから。副腎皮質の機能評価とか免疫機能に関わる疾病を探って行かなければならないと思います。

当面、毛包虫症は細菌の二次感染をコントロールしながら週に1回の注射で治療して行こうと考えています。

入院中中1日のペースで実施した血液検査では、犬CRPはずっと6以上の高値を継続していましたから、内臓の疾患がそんなにひどいと思われない現状では、皮膚疾患が相当悪いのだと思わざるを得ません。何とか治してやりたいと考えています。

緑内障は、これも、大きな問題ではありますが。現在は高眼圧で苦しんでいる様子はありません。眼球が大きくなって目蓋が完全に閉じなくなってしまっていることと、涙が出なくなってしまっている乾性角結膜炎(重度のドライアイ)によって慢性的に眼がひどい炎症を起こしていることに関しては人工の涙を供給する眼軟膏を米国から輸入して持っておりますので、それを使用して。

巨大になってしまっている方の眼球に関しては、そのうちに生活の質を向上させるために摘出も考えた方が良いかも知れません。

僧房弁閉鎖不全症は、今のところそんなに重症でもなさそうなので、ACE阻害剤というお薬を継続して行けば当面大丈夫かと思います。

ランちゃん、いろいろ大変ですが。急性の膵炎をクリヤーしたこれからが本番だと気を引き締めて頑張りたいと思います。

 

03/08 犬の食物有害反応による皮膚炎

今回の症例は、1才2ヶ月令にになる黒ラブの男の子なのですが。

生後約6ヶ月令の頃より顔面、手足の先、脇の下、内股の皮膚に炎症が生じてひどく痒いという事でした。

皮膚の掻き取り試験では疥癬や毛包虫のような寄生虫は発見されません。細菌や真菌をコントロールしても、痒みは少しましになる程度で消失はしません。

しかし、試験的に投与したステロイドホルモンには劇的に反応して、痒みはほとんど生じなくなります。

従来の知識では、ステロイドホルモンが劇的に利く痒みの原因は、蚤アレルギーとアトピーという認識でしたので、おそらくアトピー性皮膚炎であろうと説明して来ました。

その後、ステロイドホルモンと抗ヒスタミン剤、脂肪酸製剤の組み合わせで治療を継続して、それなりの効果を得て来ておりましたが。

若い犬でもあり、今後の長い治療生活の事を考えると、一度血液検査で詳しくアレルギーの状態を確認したいという飼い主様の考えもあって。
動物アレルギー検査株式会社のアレルギー検査を受けることにしました。

この検査は

1、アレルギー強度試験というアレルギーの強さを評価する検査。

2、アレルゲン特異的IgE検査という、1型アレルギーの原因である免疫抗体の1種のIgEがどんな種類の抗原に対して造られているのか?という検査。

3、リンパ球反応検査という、確かⅣ型アレルギーだと思うのですが、リンパ球が直接食べ物に反応して生じるアレルギー反応がどんな食物に対して生じるのか?という検査。

の3つの検査から成り立っております。当然そのどれかをピックアップして行なうことも可能でして。アレルギー強度検査だけを先に実施して、現在生じている皮膚炎がアレルギー性であるということを確認してから、2、3に進むやり方でも良いのですが。

どうしても、検査の精度を上げるためには、ステロイドホルモンを打ち切って4週間から6週間は経ってから検査をすることが望ましいために。

黒ラブちゃんの飼い主様は、投薬中止の期間を少しでも短くして、ワンコが苦しむ時間を短くしようと考えられてか、3種類の検査を一気に行なうことを希望されました。

これらの検査において動物病院ですることと言えば、採血をして、血清を少量と、全血を試験管に2本とを動物アレルギー検査株式会社に冷蔵宅急便で送るだけです。

それで、9日かかってファクスで送られて来た検査結果ですが。

アレルギー強度試験は、試験に使用したリンパ球の45.6%が反応したという事で、2歳未満の子が16.3%以上反応すれば陽性という事ですから。
この黒ラブちゃんの皮膚炎はアレルギー性のものであると言って良いということになります。

次に、アレルゲン特異的IgE検査の結果ですが。私の予想とは全く異なっていました。
どの抗原に対しても、アレルギー反応が生じるレベルまでにはIgEは産生されていなかったのです。


最後に、リンパ球反応検査の結果が帰って来ました。

ここでは、牛肉、豚肉、卵白、小麦の4種類の抗原に対して、リンパ球が強く反応するという結果が得られました。


以上の結果から、黒ラブちゃんの皮膚炎はⅣ型アレルギーであり、その原因物質は、牛肉、豚肉、卵白、小麦の4種類の抗原が関与している可能性が高いということが言えると思います。

ただ、リンパ球反応試験では、一般にアレルゲン除去食に使用されている蛋白については実施していません。

黒ラブちゃんの飼い主様には以上の事を説明させていただき。加水分解蛋白質を使用したアレルゲン除去食を処方すると共に、加水分解蛋白の効果が表れるまでの約1ヶ月間はステロイドホルモンなどの抗アレルギー剤の投与 を継続することにしました。

後は、その効果を判定するだけなのですが。

今回の検査では、生き物の検査には珍しいくらい綺麗な結果が得られておりますので。それが実際の生体での治療とどう結びつくのか?大きな関心を持って見守っているところであります。

なお、病変部の画像は、飼い主様に提供をお願いしておりますので、しばらくお待ち下さい。

 

01/13 皮膚の痒み

2才を過ぎたばかりのイエローのラブラドール女の子の話しですが。

昨年から微妙に身体の痒みを訴えるようになりまして。手足の先とか耳の付け根とかを掻いたり咬んだりしていました。

痒みの診療は、皮膚の寄生虫(疥癬、ニキビダニ、蚤)、細菌感染症、真菌感染症などの痒みを引き起こす「治る」病気を順に除外して行って。

「治る」原因が除外されたら、ステロイドホルモンを投与してみて。

ステロイドホルモンで痒みが劇的に消失するようであれば、初期のアトピー性皮膚炎の可能性がかなり高くなるし、痒みがある程度ましにはなっても消失はしないということであれば、食事性アレルギーの可能性が高くなるわけです。

食事性アレルギーの場合、免疫グロブリンの作用による真正の食物アレルギーと、リンパ球の反応による食物有害反応とに分かれるらしいのですが。
飼い主様とワンちゃんにとっては、何かを食べると皮膚が痒くなるということでは一緒であります。

このラブちゃんの場合、皮膚に住む細菌を駆除する抗生物質も細菌培養と薬剤感受性試験を行ないながらいろいろ試しましたが、抗生物質で痒みが改善することはありませんでした。

真菌培養の検査では、ダーマキットという皮膚糸状菌の検出によって培地が赤変する培地で、それなりに赤くなるという結果が得られまして。

3本並んだダーマキット培地の真ん中がラブちゃんの検体で。左が真菌性皮膚炎と治療によっても確定した子ので、右が多分違うだろうという結果です。

皮膚の細菌や真菌を殺菌するシャンプー剤と抗真菌剤の内服も試みましたが。やはり効いてくれません。

皮膚の寄生虫は、2回は皮膚掻き取り試験を実施しました。これは皮膚をメスの刃とか、鋭匙で削り取って、薬品でその皮膚のサンプルを溶かして、顕微鏡で観察するという検査ですが。

ラブちゃんの掻き取りの検体からは寄生虫は検出されませんでした。

掻き取り試験の場合、完全な除外診断にはなり難いという特性はありますが、2回の掻き取りで陰性ですから、一応その結果は考慮しました。

残るはアレルギーか?という段階になって、ここで試したのが、理研ベンチャー企業によってここ数年前から行なわれているアレルギーの血液検査です。

動物アレルギー検査株式会社の提供する血液検査には、環境中の抗原とか食事中の蛋白に対する血液中の免疫抗体の有無を見る「アレルゲン特異的IgE検査」と、食事内容がリンパ球に及ぼす影響を見る「リンパ球反応検査」それに、体内でがアレルギー反応を生じているのかどうか?という事実を判定する「アレルギー強度試験」の3種類の検査項目があります。

飼い主様と相談の上、まずアレルギー反応が体内で生じているのか?生じているのであればどれくらいの強さなのか?ということを判定するために、「アレルギー強度試験」を実施してみようということになりました。

結果は、参考基準値という、昔は正常値と称していた数値の範囲内に収まりました。

ただ、年齢が2才以下と以上とで、参考基準値が2倍近く違うのがどうなんだろう?という疑問が残ります。ほんの4ヶ月以前にこの検査を実施して同じ数値が出れば、アレルギーですよという話しになるわけですから。

しかし、グレーゾ-ンはそれとして、とりあえずアレルギーを疑わないことにしようと判断して。

痒みを生じる要素を再度見直すことにしました。

その一つが、犬の皮膚にトンネルを造って棲んでいる犬疥癬虫を駆除する注射の実施です。
私は犬疥癬を駆除するに当たっては、注射剤を使用し、週に1回合計3回の注射を実施しています。
この注射は非常に強力でして。疥癬が居れば必ずと言って良いほど駆除が出来ます。

ただし、注射で死んだ疥癬の虫体が生きている時よりもはるかに強力なアレルゲンとして皮膚に作用するということで、診断が中っていて注射が効いていても、一時的に痒みが倍増することがあると言います。

飼い主様にはその旨をお伝えしながら、注射を実施したところ。 3回目の注射を打つ頃になると、それまで大変だった痒みが劇的に改善して来ました。

現在は足先の僅かな痒み以外はほとんど問題無いということであります。

彼女の結果は「疥癬」ということになりましたが。疥癬が何処で感染したのか?判りません。
ただ、疥癬の原因のダニは犬だけでなく狐や狸も感染していて、犬の感染源になることもありますので。あるいはそんな野生動物由来の疥癬だったのかも知れません。

何はともあれ、ラブちゃんの苦痛が軽減されて良かったと思います。

12/01 猫の耳疥癬

午前診に来院されたスコティッシュフォールドの男の子ですが。4月生まれですから生後7ヶ月ということになります。

お家に来たのは9月ということです。10月から耳が汚いのに気が付いて、飼い主様は気になっていたのが。グリーンピース動物病院のHPを見られて来院することにしたとのことでした。

早速耳の中を観察してみますと、黒い、比較的乾燥した耳垢が大量に存在しております。

綿棒で探って耳垢を掘り出し。採取した耳垢を顕微鏡で観察してみました。この耳垢検査はちょっと耳垢が多いような外耳炎に対しては、なるべくルーティンで実施した方が良いと思います。

すると。居ました。

耳疥癬とか耳ヒゼンダニいうダニの一種です。犬や猫の耳に寄生するとひどい外耳炎を引き起こして、対応せずに放置していると、耳がボロボロになって行きます。

耳疥癬の治療は、即効性のある注射薬でまず殺虫を行なって。同時に耳の炎症を抑えるための耳掃除と点耳薬の使用で対応します。

猫ちゃんと一緒に写っている箱がその注射薬のパッケージです。牛や豚の寄生虫駆除薬を、獣医師の裁量により目的外使用しております。

注射は週に1回のペースで3回実施します。1回目の注射でほとんどの成ダニが死滅するはずですが。その後卵から孵化して来ますので。その幼虫を完全に殺滅させないと、また再発する可能性ありです。

耳掃除と点耳薬の使用により、耳は随分と綺麗になりました。

でも、こんな病気だったら、比較的気が楽ですね。基本的に治る病気ですから。

末期の悪性腫瘍とか、高齢動物の腎不全とか、認知症とか、寝たきりになって褥瘡でボロボロとか。

治る見込みは無いけれども。治らないでもちょっとでも楽に出来ないかと一生懸命に治療しなければならない子ばかり診ている時に、こんな簡単と言えば語弊があるかも知れませんが。治る見込みの子が来ると、どこかホッとしている自分に気が付きます。