兵庫県加古川市|グリーンピース動物病院 の 2013 1月 11
院長ブログ

日別アーカイブ: 2013年1月11日

01/11 柴犬の腸管内異物によるイレウス

今朝方やっと神戸市中央市民病院から退院して来たのですが。

そう言えば、昨年同じ病院に初診で行った日にも同じようなことがあったような記憶があります。

やっと帰り着いて、午後診を頑張ってやってましたら。緊急手術の症例がやって来ました。

この度の子は、柴犬の女の子です。昨日のお昼頃から急に異常に水を飲んでは吐くようになったということで、生憎私が人間の病院に入院していたものですから、本日の午後診に来院したようなことであります。ご迷惑をおかけして申し訳なかったです。

膵炎か?イレウスか?それとももっと簡単な胃腸炎か?と思いながら。でも、こんな場合には、ある程度辺りを付けるのはともかく、過剰に先入観を持って診察すると間違いを犯すこともありますので。

ひと通りの血液検査と、腹部エックス線検査を実施致しました。

血液検査では、白血球の内細菌と闘う好中球が増加してしますのと、犬CRPの上昇が見られていますから、体内に炎症が生じていることは間違いなさそうです。
同時に、リパーゼが1000近くにまで上昇しています。膵炎かも知れません。

しかし、腹部エックス線検査のフィルムを見ると。明らかに腸管内異物の像が観察されます。

矢印の部分に金属製の何か?が見えますし。その周辺にある程度の幅と長さの塊があるのです。

この時点で、腸管内の異物と確信しました。そうであるならば、下手に持って回ったような消化管造影検査などやらずに、さっさと試験的開腹を実施した方が、費用と患者様の体力の浪費に繋がらないので良いと考えます。

飼い主様にその旨説明させていただいて、手術に同意してもらいました。

看護師さんたちには残業をお願いします。

で、さっさと開腹手術をしてみたところ。

腸管に異物が詰まってにっちもさっちも行かなくなっている部分を発見します。

腸管を切開してみると。


プラスチックの固まった物が出て来ました。飼い主様曰く、ソーセージの皮なのだそうです。

幸いなことに、腸管は対処が速やかだったためでしょう。ほとんど傷んでおりませんで。切開と縫合という処置で速やかに修復出来ました。

手術は無事に終わり、術創にプラスチックフィルムを貼り付けて、覚醒を待ちます。


気管チューブ抜管後は、入院室で静脈輸液を続けながら容態を観察します。


一応、予定では明日の夕方から水を摂取させ。水を飲んで異常なければ、流動食を与える段取りになります。

入院は2日か3日で退院出来ると踏んでおりますが。速やかな回復を期待しているところであります。

久し振りのイレウスの手術でありました。

 

01/11 自分自身の検査です。 脳血管造影と三次元CT検査

1月9日午後から今日の午前まで2泊3日の日程で、昨年8月だったかに脳ドックで脳動脈瘤が出来ているというのを、神戸市中央市民病院にて精密検査してもらいました。
神戸市中央市民病院には、坂井信幸先生という日本トップクラスの脳神経外科医が居られるということで、脳ドックのお医者さんが紹介状を書いてくれてました。
実質医療的な事をやっていたのは昨日の10日だけだったのですが。
病院に収容されて家畜の如くにタグを付けられて、一個の検体とされてしまうと、気分まですっかり病人であります。

ユリウス@素人ハンターの出猟日記

検査当日は、朝6時から絶食絶水で、午前10時前から腕の血管に静脈カテーテルを留置され、点滴を流されます。
本日トップの方の検査が終了して、2番目の私が呼ばれると、CTのある検査室に連れて行かれ、長い検査台に仰向けに載せられて、頭を固定されます。
右の腿の付け根の大腿動脈の起始部の皮膚をリドカインという局所麻酔薬(歯医者で使っている奴です)の注射で部分的に麻酔して、そこから直径にして2ミリあるかないか?というような細い管を動脈に差し込んで行って、心臓からまず左総頸動脈、次に椎骨動脈、右総頸動脈といれて行って。
良いところに入ったら、ヨード系の血管造影剤を注入してエックス線CTを撮影するのです。
しかし、どう考えても不思議なのは、挿入するカテーテルは何の変哲もないただの管なのに。何で思うように身体各所の血管まで送り込むことが出来るのでしょうか?
それと、新鮮に感じたのは、ヨード系造影剤が血管に入れられると、頭のその部位がカーッと熱くなることでした。造影剤に反応した熱は、直後から徐々に醒めて行きました。
検査の最中気分が悪くならないか?皮膚が赤くなって来ていないか?度々チェックが入りましたが。100人か200人に1人は生じるというアレルギー反応のような合併症は生じませんでした。
さて、検査は1時間ほどで終了しましたが、 その後が結構大変でした。
動脈にカテーテルを挿入した穴から出血があると、これが止まり難いらしいのです。
それで、まずカテーテルを抜いた直後は10分間圧迫止血を行なって。その後局所は圧迫包帯をした状態で、まず3時間ベッド上で安静です。
3時間経って圧迫包帯を除去したら、更にその状態で3時間安静を保たなければなりません。
腰がひどく痛くなりました。一昨年8月に左脚の下肢静脈瘤の手術を受けた時と同じです。
午後の6時から自由に動いてよろしいという許可は出ましたが。更に4時間点滴が続いて。
やっと今朝になってこの世に戻って来た気分になりました。
退院直前に坂井先生が結果を説明してくれました。

ユリウス@素人ハンターの出猟日記

病気ではなさそうだということです。
画像の矢印の動脈は、普通の人には見られない奇形というか?発生途上で造られてしまった珍しい動脈だという事で、その珍しい動脈の根元付近が膨れて見えるために。 解像度が造影CTよりはるかに劣るMRIで動脈瘤と判定されたものであろうということでした。
ただ、こちらの疑問としては、5年前にMRI検査を受けた時には痕跡程度にしか見えなかった瘤が、何で大きくなったのか?ということですが。
MRIの解像度が、最新機器への入れ替えで向上したためではないか?という見解でした。
今回は、問題なしという結果でしたが。今後は年に一度は神戸の北村クリニックで脳ドックを定期的に受診して経過を観察すべきであろうということであります。
私の家族は祖父、父、長兄と3代にわたって脳内出血を患ったという家族性もありますので。この度は随分と心配になったものですが。
これで当分頭の中身については心配しなくて済みそうです。
ただ、脳血管の健康のためには、太り過ぎと食べ過ぎ、それに高血圧には注意すべきと言われました。喫煙は血管の病気でも癌性の病気でも禁忌なのは常識ですし、私は禁煙してもう20年は経過しておりますので言うまでもないでしょう。
気になるアルコールですが。1日にビールにして2リットルも飲むような人は脳動脈瘤の破裂を生じるという有意の疫学的エビデンスがあるとのことですが。 普通に500ミリリットルの1本や2本くらいであれば問題無いであろうということでした。
気の小さな私は、昨年8月の脳ドック以来アルコールを飲めなくなっていたのですが。これで週末の1日かそこらはささやかに飲酒を楽しんでも良しとしようかと思っています。
本日11日には会計で3割負担の5万円少々を支払って退院したのですが。
早速午後には職場に顔を出してこの記事を書いております。夕方のお仕事は普通にやるつもりです。

それにしても。ホッとしました。腰痛も歩き回るようになったら改善しました。