兵庫県加古川市|グリーンピース動物病院 の 2012 12月
院長ブログ

月別アーカイブ: 2012年12月

12/28 外傷性腹壁ヘルニア整復

6才6ヶ月令の屋久島犬のシマちゃんですが。

どういった原因でか?左下腹部に膨らみが目立つようになって来ました。そして、その膨らみは指で押すとお腹の中にスルスルと引っ込んでしまいます。

こんな症例は、多くの場合、外傷性腹壁ヘルニアと言って、何らかの外力により腹筋が損傷して、その傷から内臓とか内臓脂肪が皮下に押し出されて来ているのです。

飼い主様が外科的に整復するよう希望されましたので、手術で整復しました。

いつものように麻酔導入して、気管挿管、各種モニターの装着、静脈輸液と手早く仕事を進めます。

術野になる部分の毛をバリカンで刈って、 イソジンスクラブで洗い、イソジンとアルコールで消毒します。

術者は滅菌手術帽子とマスクの装着、手洗い、滅菌術衣の装着、滅菌ゴム手袋の装着を済ませて、患犬にドレープをかけた上で初めて切皮という運びになります。

切皮して皮下織を分離して行くと、すぐに腹筋の損傷部位が見つかりました。

腹膜と腹筋にきちんと糸をかけるようにして、縫合を始めます。

縫合に使う糸は、ポリプロピレンというプラスチック製の針付き糸です。これは体内で溶けたり吸収されたりすることはありません。ヘルニア整復術では非吸収縫合糸を使用するのであります。

腹膜と腹筋が縫合し終えたら、次は皮下組織の番です。こちらは吸収性縫合糸を使用して縫って行きます。

最後に皮膚をナイロンモノフィラメントの縫合糸で縫合します。私はマットレス縫合という方法を用いて縫うことが多いです。

皮膚の縫合が終了しました。

麻酔からの覚醒を待っているところです。この間に術創に外傷管理用のプラスチックフィルムを貼ったり、簡単な手術のこの子は皮下輸液を行なったりと、看護師さんたちは結構忙しいです。

術後に回復室で休んでいるところです。

覚醒も良好で、手術当日に退院して行きました。

術後は翌日に一度来院して術創のチェックとか麻酔後の不整脈の有る無しとかをチェックしまして。大抵は術後9日とか10日で抜糸をして手術は完了となります。

どんな簡単な手術でも、無事に済めばホッとします。

 

 

 

 

 

 

 

12/21 グリーンピースわんにゃん訪問隊活動

今年最後の老人ホーム訪問ボランティア活動に参加して来ました。

ブルテリ・新田雑愛子とベルジアン・マリノワのゴーシュを連れて行きました。

どちらも4ヶ月令になったばかりです。しかし、愛ちゃんはもう半日ケージに閉じ込めていても排泄の失敗は無いのに。ゴーシュは半日と我慢出来ません。

しかも、庭に放したら、愛ちゃんはオシッコウンチを庭の土の部分に行ってきちんとやるのに。ゴーシュはコンクリートの上でしか排泄をしないのです。

更に、ゴーシュは私が正面に立って見下ろすと、卑屈な上目使いをしながら1回か2回オシッコを飛ばします。飛ばされたオシッコが私の靴にかかったりするととても不幸な気分になりますし、汚れたコンクリートの表面を後から拭き取ったり水を流したりと、いちいち面倒な事であります。

そんなわけで、このところゴーシュと関わり合うのが面倒で仕方が無くなっております。

とは言え、一旦我が犬としたものですから如何にしてでも付き合いやすい犬に育て上げなければなりません。

もっとも、こんなウレションと言うか?怖じションというか?の排尿の癖は、成長と共に改善することがほとんどですから。ここは辛抱のしどころであります。

道中そんなことを考えながら運転して、鶴林園の園庭に到着したのが午後1時43分でした。既に愛ちゃんをハンドリングしてくれる予定の訪問ボランティアのYさんも到着していました。

園庭の芝生広場で子犬たちを放して遊ばせます。他の訪問ボランティアさんの犬たちも交えてなかなかにぎやかでした。

2時前になると、犬たちは皆リード付きになって、園の2階ホールに上がります。訪問者は全員手洗いをしてから入ります。ノロウィルスやインフルエンザなどの感染症対策ですね。

愛ちゃんは、園庭で遊んでいる時も、訪問時間中も同じように天然無邪気な振る舞いでした。

一方のゴーシュは、園の玄関から中に入った途端に、異常なまでに大人しくお利口な振る舞いになってしまいました。

リードはひどく引っ張ることもなくなり、私が立ち止まると座ってこちらを見上げてますし。

心配していたオシッコの失敗も皆無でした。

2階ホールでの訪問の様子ですが、ゴーシュはリードを付けた状態で車椅子とか普通の椅子に腰かけたお年寄りの前に行って、「ご挨拶して。」と声をかけると、椅子の前で座ったり、車椅子に前肢をかけて顔をお年寄りの方に近付けます。

隣でお年寄りに抱っこされていた猫ちゃんには、気が付いているのか?いないのか?ほとんど無反応でした。

大人しい猫ちゃんはこんな活動には向いてますね。お年寄りに抱っこされるといつまでもじっと抱かれたままでいてくれています。

訪問活動時間が3時で終了しますと、1回食堂で訪問ボランティアと園の担当職員とでミーティングを行ないますが。

ゴーシュはテーブルの前で椅子に座った私の傍で、お座りをして、私の膝の上に顎を載せてじっとしていました。ミーティングを行なっていた時間は約20分でしたが。最初の15分くらい間ずうっとそんな態度で、そのうちに疲れたのか?私の足許で伏せをして過ごしてました。

この子には、こんな面もあったんだなあと、正直新鮮な驚きでした。

一方の愛ちゃんは、ずっとハンドラーのYさんに前肢をかけて、もちろん与えませんが、食べ物をおねだりしたり。私にちょっかいをかけそうになったりと、終始落ち着かない態度でした。

愛ちゃんもそろそろ服従訓練を行わないといけない時期に来ているみたいです。

ゴーシュは、多分ですが。ほんのちょっと私と一緒にいる時の振る舞いを威圧的でなく優しく教えてやれば、完璧になると思います。むしろあれこれといじらない方が本犬の自信を取り戻すためには良いのではないか?と感じています。

 

12/18 チワワちゃんの停留精巣

先月にシニア検診を受けられた、7才8ヶ月令になるチワワの男の子ですが。

停留精巣が見つかりました。

停留精巣については、HPの診療方針に記事を掲載している通りでして。正常に陰嚢に降りて来ている精巣に比べると約10倍の確率で腫瘍化し、出来た腫瘍のかなりの物が転移を起こす悪性の物であると言われています。

飼い主様にはその旨報告致しまして。本日去勢手術を実施することになりました。幸い精巣が停留している部位は、腹腔内ではなく鼠蹊部皮下ですから、手術としては比較的簡単な部類に入ります。

お昼過ぎに麻酔導入を行ない、気管挿管、各種モニター、静脈輸液と手抜きをせずに安全な麻酔を実施します。

画像の赤い矢印の部位に精巣が停留しています。コントラストのせいで見難いかも知れませんが。皮膚が少し膨隆しています。

麻酔導入が出来ると、術野の毛刈り、消毒、術者の手洗い消毒術衣手袋の装着と進んで行って、やっと切皮にかかります。

左右の停留精巣の上の皮膚を切皮して、電気メスを使用して精巣を総漿膜から外に露出します。

小型犬ですから、精索と血管を一緒に合成吸収糸で結紮して切除します。結紮は必ず2回行なって、万が一解けることの無いよう事故防止に努めます。

左右精巣が摘出された後は、皮下織、皮膚の順に縫合して行きます。左側の皮膚縫合が済んで、右側の皮膚縫合に取り掛かるところです。

手術が終わって覆い布を取り除いたところです。普通の去勢手術であれば、陰嚢前方の皮膚を縦に一つだけ傷が出来るだけですが。この度の手術では7左右の停留精巣の上を2ヶ所切っています。

術創の上からプラスチックの創傷保護膜を張り付けたところです。細菌や汚物の侵入を防ぎ傷が蒸れません。

麻酔から醒ます前に、静脈輸液で使用した乳酸リンゲル液を皮下輸液に切り替えて、術後の脱水と腎不全を予防します。

その後麻酔から醒まし。回復室で数時間様子を観察して、夕方には退院です。

明日か明後日に術後の全身状態と傷のチェックを行なってから、術後9日を標準として抜糸をしてお終いになります。

停留していた精巣は、高い体温に曝されていたために精子を造る機能が発達出来ず、若干小さい状態でしたが。とりあえずは腫瘍化の徴候は認められませんでした。

チワワちゃん、これで将来の疾病の危険性が一つ減ったわけです。後8年くらいは幸せに生きて行って欲しいものであります。

お大事になさって下さい。

 

12/07 保護された猫ちゃんに炎症性腸疾患?と猫毛細線虫による膀胱炎

ノワちゃんは野良猫だったのですが。縁あって優しい方に保護されました。

しかし、健康診断のために連れて来られたのですが。どうも食欲は普通にあるものの、食べると吐くという症状を呈しているらしいです。

腹部の触診をやってみると、変に腸が硬いというか、ぶっとい腸管がカチカチの状態でした。いろいろと検査をやってみて。結果として腹部エコー検査での腸管の筋層の異常な肥厚から炎症性腸疾患の疑いが濃厚であると判断しました。

上の画像が腸管の横断面ですが。左側の矢印が筋層で、右側の矢印が粘膜層を指しています。

この筋層と粘膜層の厚さの比率が、この子では筋層が粘膜層の何倍にも肥厚しているのですが。実際に健康な子だったら、この比率が逆転しているのもでして。筋層はごく薄く、粘膜層がゆったりと厚く映るのであります。

炎症性腸疾患の診断には、本当でしたら腸管を開腹しての全層切除とか内視鏡による粘膜バイオプシーをやるのが正しいやり方です。

ただ、目の前に居る患者さんにそれを提案しても、なかなか受け入れてもらえないのが現実でありまして。

今回も、診断的に治療してその結果が思わしくなければ生検も考慮しようということになりました。

治療は、免疫抑制量のステロイドホルモンの内服とアレルゲン除去食の給餌とで行ないます。
嘔吐止めとかお腹の悪玉菌を駆除する抗菌剤の投与もしばらくの間は行ないます。

結果は、ステロイドホルモンの投与と共に嘔吐は止まって、食欲も旺盛になって来たということでした。

治療開始後1ヶ月の時点で、治療効果を確認するための腹部エコー検査と副作用チェックのための血液検査を実施しました。

腸管の筋層と粘膜層の厚みの比率は随分正常に近くなっていました。ただ、肝臓の酵素の数値がごく軽度ではありますが上昇傾向にありました。

肝細胞庇護剤を投薬に追加して治療を継続します。

気になるのが、この時点で膀胱内にモヤモヤとした粘液が漂うような陰影が見られました。初診のエコー検査でもごくわずかにその傾向は見られてましたが。今回はよりはっきりとして来てました。

尿検査をすべきであるとお伝えして採尿容器をお渡ししました。

本日治療開始後2ヶ月後の検査を実施したところ、腸管の粘膜層と筋層の厚みの比率は完全とは言えないかも知れませんが、大体満足すべき状態と思われました。

これから1ヶ月とか2ヶ月くらいの時間をかけて、ステロイドホルモンの量を徐々に減らして行こうと考えています。

ただ、膀胱のモヤモヤはもっとひどくなっています。

画面中央の黒い構造が尿を溜めた膀胱で、正常だったらその中は真っ黒に見えるはずですが。モヤモヤとした白い構造が浮いているのが判ると思います。

それで、飼い主様は自宅での採尿が非常に難しいと言われますので。エコーで観察しながらの膀胱穿刺を実施しまして。尿を無菌的に採取しました。

で、その尿を検査してみますと。尿蛋白は3+ですし、尿のpHは8とアルカリ性です。どうも膀胱炎に罹っているようですが。残尿感とかの膀胱炎症状は無いようでした。

そして、検査を進めて、顕微鏡で尿沈渣を観察する段になって、びっくりしました。

明らかに何かの寄生虫の卵と思われる構造が観察されたのです。

ついでに、寄生虫そのものと思われる構造も見えました。これが幼虫なのか成虫なのかは不明です。

お恥ずかしいことで不勉強にして この寄生虫の正体はすぐには思い付きませんでした。永らく獣医臨床をやっていて初めて見る相手でした。

こんな時には恥を忍んで知っているであろう人に訊くに限ります。

大阪府立大学の内科の先生に電話をかけた上でメールで画像を送って問い合わせしましたところ。

猫毛細線虫であろうという返答をいただきました。有り難うございました。

猫毛細線虫は、教科書を調べると確かに記載がありました。中間宿主としてミミズを必要とする寄生虫で、尿の虫卵が直接口に入ってもその卵はいきなり発育はしないようです。

つまり、猫の膀胱に棲んでそこで炎症を引き起こしながら卵を産むのですが。生まれた卵は排尿と共に地面に落ちて。そこでミミズに食べられて、ミミズの体内である程度発育した後。そのミミズが猫に食べられることによって猫に感染するという発育環を持っているようなのです。

有り難いことに人間には寄生しないようでした。

治療薬も何とか当院に常備しているお薬で対応出来そうです。

いったんお帰りいただいていた飼い主様には電話で連絡を入れて、お薬を処方する旨お伝えしました。

お薬は内服薬で、毎日1回3日間連続して投薬します。

毛細線虫の発育が急に生じた原因ですが。もしかすると炎症性腸疾患?の治療薬として投与した免疫抑制量のステロイドホルモンによる免疫力の低下が一つの要因になっているのかも知れません。

いずれにしても診断がついて良かったです。

こうして普通の獣医師は関係者のご助力を仰いだりしながら一生懸命に頑張っている次第です。

ノワちゃんが元気になるのはもうすぐだと思います。

ではまた。

 

12/01 後躯麻痺に随伴する尿失禁への対応

もうすぐ16才になる柴犬の男の子の話しですが。

今まで庭に入り込んで来た狐の疥癬虫をもらって重度の皮膚炎になったり、歯の根っ子に細菌感染が生じて顔が腫れたりと、いろいろあったのですが。

この夏前から足腰がひどく弱って来て。秋口から夜間にひどく鳴くようになったり、排便困難になったり、食後の嘔吐が生じたりしたのを、抗不安薬とかを使用したり消化管の運動改善剤を使用したりして対応して来ました。

認知症はあると思われたので、ヒルズのB/Dという認知症対策用処方食は食べさせていただいております。

飼い主様の意向では、年相応に少しでも楽に生活させて、安らかに送ってやりたいということなのですが。

11月29日の来院では。その前日から排尿がほとんど見られなくなってしまったということでした。話しを聴いてみると、完全に出ないと言うよりは、ジミジミと漏れ出て来るような感じのようです。

尿失禁が生じる以前に、後躯が弱ったのか?起立や歩行が出来なくなってしまっているようです。

一般的に尿が出難いという場合には。尿が生成されて排泄される全ての経路において、腎臓の尿産生が行われなくなったのか?尿管から膀胱、尿道の排泄経路のいずれかで尿路結石による閉塞や狭窄や神経系や平滑筋に機能不全が生じていると考えますから。

まず、尿道に詰まりが無いのかどうか?をカテーテルを挿入することによって点検します。

なかなかカテーテルが入りません。局所麻酔薬の入ったゼリーを塗って滑らかにしているのですが。結石でも詰まっているのでしょうか?

いろいろやって、何とか通るようになったのですが。でも、結石とはどこか違うような感じがします。

最初に使用したのよりももっともっと細いカテーテルを使用すると、スムースに入るのですが。最初のカテーテルをもう一度入れようとすると途中で入らなくなってしまいます。

尿道平滑筋が変に収縮しているような感じを受けます。

腹部エックス線検査では、少なくともエックス線で判るような結石は、腎臓から膀胱、尿道の何処にも見当たりません。

 腹部エコー検査でも、結石の徴候は無いです。

膀胱内には大量の尿が貯留していて。細いカテーテルで採取したら470ミリリットル溜まってました。

尿検査でも結石とか感染の徴候は感じられません。

ここ数週間の間に後ろ肢が立たなくなったということですが。もしかして、その後躯麻痺に関連した神経系の問題なのかも知れません。

後躯麻痺を追求すべきなのかも知れませんが。今までの経過とか犬の体力、意識レベルの問題とか考えると、正直微妙な感じです。

結局、後躯麻痺に関連して、膀胱から尿を排出させる機能が働かなくなってしまって、膀胱内に大量に尿が貯留するようになって、オーバーフローという感じで、尿失禁が生じていると判断しました。

治療は、本日カテーテル導尿をやったということありますので、しばらく抗生物質を内服してもらうのと。尿道とか膀胱頸部の緊張を緩めて尿が排泄されやすいように神経に働いてくれるお薬を内服してもらうということで行なうことにしました。

投薬開始して翌日、やはり尿が出ないということで、飼い主様が不安を感じられて来院されましたが。膀胱を圧迫すると容易に排尿がなされるようになっていることをやって見せて。膀胱の圧迫法を少し練習していただいて安心してもらいました。

白君の介護については、ご家族の皆様がそれぞれ役割分担して一生懸命に取り組んでおられてまして。

ある意味彼の存在が家族の絆を深めているように感じている次第であります。

後躯麻痺があるのはあるように感じられますが。ワンちゃんの意識レベルの問題もあり、どこまで追求するべきなのか?私にも判断がつきかねるような微妙な症例であります。

何とか日常介護でそれなりに生活出来ているようですから、このまま安らかに生活出来て、苦痛無く犬生をまっとう出来ればそれで良いのかも知れません。

 

 

 

12/01 猫の耳疥癬

午前診に来院されたスコティッシュフォールドの男の子ですが。4月生まれですから生後7ヶ月ということになります。

お家に来たのは9月ということです。10月から耳が汚いのに気が付いて、飼い主様は気になっていたのが。グリーンピース動物病院のHPを見られて来院することにしたとのことでした。

早速耳の中を観察してみますと、黒い、比較的乾燥した耳垢が大量に存在しております。

綿棒で探って耳垢を掘り出し。採取した耳垢を顕微鏡で観察してみました。この耳垢検査はちょっと耳垢が多いような外耳炎に対しては、なるべくルーティンで実施した方が良いと思います。

すると。居ました。

耳疥癬とか耳ヒゼンダニいうダニの一種です。犬や猫の耳に寄生するとひどい外耳炎を引き起こして、対応せずに放置していると、耳がボロボロになって行きます。

耳疥癬の治療は、即効性のある注射薬でまず殺虫を行なって。同時に耳の炎症を抑えるための耳掃除と点耳薬の使用で対応します。

猫ちゃんと一緒に写っている箱がその注射薬のパッケージです。牛や豚の寄生虫駆除薬を、獣医師の裁量により目的外使用しております。

注射は週に1回のペースで3回実施します。1回目の注射でほとんどの成ダニが死滅するはずですが。その後卵から孵化して来ますので。その幼虫を完全に殺滅させないと、また再発する可能性ありです。

耳掃除と点耳薬の使用により、耳は随分と綺麗になりました。

でも、こんな病気だったら、比較的気が楽ですね。基本的に治る病気ですから。

末期の悪性腫瘍とか、高齢動物の腎不全とか、認知症とか、寝たきりになって褥瘡でボロボロとか。

治る見込みは無いけれども。治らないでもちょっとでも楽に出来ないかと一生懸命に治療しなければならない子ばかり診ている時に、こんな簡単と言えば語弊があるかも知れませんが。治る見込みの子が来ると、どこかホッとしている自分に気が付きます。