兵庫県加古川市|グリーンピース動物病院 の 2020 12月
院長ブログ

月別アーカイブ: 2020年12月

犬のゴム風船誤嚥

昨日の事ですが。もうすぐ1日も終わりという頃に、初診のイタリアングレイハウンド男の子が、約1時間前にゴム風船を食べてしまったということで受診されました。

1時間前の事ですから、もしかすると既に胃から腸に移動してしまっているかも知れないかな?と思いつつ、催吐剤を与えてみました。

すると、出ました。

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ゲゲーッと吐きまして。

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吐物の中に緑色の物体が見えます。

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洗ってみれば、そのまんまゴム風船でした。

イタグレ君、これが腸に行ってしまったら、そのままツルリと出てくれるかどうか?ですが。もし途中で引っ掛かったら開腹手術という大事になる可能性がありました。

そこまで至らずに簡単な催吐処置で済んで良かったです。

ワンちゃん、猫ちゃんの異物誤嚥にはくれぐれも注意して下さい。

ではまた。

柴犬の皮膚病(主原因はアトピー)

今日の症例は、3ヶ月半前に初診の柴犬10才避妊済み女の子です。

来院2年前に皮膚炎が始まって。近医で治療するも却って悪化して。少し遠い動物病院で治療したらいったん良くなったものの、最近また悪化したので当院に受診したということです。

初診時の皮膚症状は画像の通りで、強い痒みを伴っているということです。

なお、食事はアレルギー性皮膚炎に対応しているという市販のドライフードを与えているということです。

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この子には、皮膚の掻き取り試験と、皮膚の細菌培養と抗生物質感受性試験に皮膚糸状菌培養検査。それに日本全薬工業㈱が実施しているアトピー性皮膚炎であるかどうかの血液検査を行ないます。

皮膚にトンネルを作る疥癬というダニとか、毛根に生息する毛包虫に関しては、掻き取り試験では見つからなかったのですが、保険として3ヶ月間効力のあるダニ駆除薬を与えました。

薬剤試験で判明した効果ある抗生物質と、皮膚糸状菌培養で陽性だったので内服の抗真菌薬の投与。皮膚に住む細菌や真菌をコントロールするシャンプーとその後の保湿剤の使用。それにアトピー性皮膚炎であるとの血液検査の結果に基づく痒みをコントロールする分子標的薬の内服を実施します。

次の週から皮膚の状態はどんどん改善して行きまして。

約1ヶ月後に画像を撮影してみますと。

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被毛の状態がかなり改善しているのが判ると思います。痒みも改善されてほとんど掻かなくなっているのと、夜眠れなかったのがぐっすりと安眠出来るようになっているということでした。

その後、治療開始から2ヶ月半くらいになったところで、抗生物質や抗真菌剤の内服は打ち切りまして。痒みをブロックする分子標的薬の内服と週に1回のシャンプーと保湿剤の適用で治療を継続して。

先日3回目の画像撮影を行ないました。

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被毛は9割方生えそろっています。後はアトピー性皮膚炎という体質であることを認識して、治療を継続することが大切であるということをお話ししていますから。

今後もボチボチ治療を続けて行くことで良い状態の皮膚被毛が維持されて行けると思います。

最後に、初診の画像と治療開始3ヶ月半の画像を、ビフォー&アフターという形で見ていただいてお終いにしたいと思います。

ビフォー
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アフター
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ビフォー
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アフター
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ビフォー
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アフター
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以上です。有り難うございました。