兵庫県加古川市|グリーンピース動物病院 の 日記
院長ブログ

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猫の子宮蓄膿症にアリジンを使用(注意!!後日談があります)

3日前のことですが。午後診に猫ちゃんが来院されまして。2日前から食欲が無いという稟告です。

聴けば、昨年末辺りから、近医にて腎臓が悪いと診断されて、お薬の内服と皮下輸液を随分やったのだが。いろいろあって最近は腎臓病用の食事だけで管理して来たのが悪かったのだろうか?と気にされています。

何で最初に診断した近医に行かなかったのか?と訊くと。「あの先生は私には合わないようでして。」と言われますので。それ以上は訊きませんでした。

既に腎機能不全という診断が下されていたということであれば。私のところでもまず血液検査、そして必ず尿検査を実施したいところです。

セミナーを受講すると、講師先生が必ず言われるのが「尿検査を実施せずして腎臓を評価してはいけない。」ということです。

先に「腎臓が悪い」と診断された獣医師さんは、尿検査はされなかったそうです。私も性格的に採尿が不可能な子の場合やむなく尿検査を省略すること無しとは言いませんので他人のことは言えませんが。なるべく尿検査はやりたいところです。

飼い主様にお断りして採血し。採尿はエコーで膀胱を観察しながら細い針と注射器を使用した膀胱穿刺で行ないました。大人しい子でスムーズに尿が採取出来ました。

猫ちゃんから採尿する時に、手で下腹部をマッサージしたり圧迫したりして膀胱から尿を絞り出す、いわゆる圧迫採尿は、絶対にやってはいけない行為であります。なぜならば膀胱の内容が尿管を逆流して腎臓に戻って行くことが多く。その結果腎盂腎炎を発病することがしばしばあるからであります。
エコーで膀胱を確認しながら細い針で採尿する方法は、腎臓病の専門医さんが推奨している方法で、よほどひどく暴れる猫ちゃんでなければ、侵襲が少なく無菌的に尿が採取できる優れた方法であります。

エコー検査をしてみると。あっと驚く画像が撮れてしまいました。

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画面右上の黒い部分が膀胱なのですが。その左側に接してコントラストがやや白っぽく映る構造が見えると思います。

それをエコーの探子でたどって行くと。

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屈曲した中空の構造で、内容は尿よりも濃い液状の物体。おそらくは膿のような物であると推察されます。

となると。未避妊の女の子ですから、子宮蓄膿症という致死的な病気が最も可能性が高いと思われます。

腎臓も調べて見ましたが。

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左の腎臓も。

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右の腎臓もエコーの画像上では問題無しです。

血液検査の結果を見ると。まず目を引くのが白血球数特に好中球という細菌と闘う細胞の著しい増加でした。尿素窒素(BUN)が若干高値であるだけです。クレアチニンという項目は少し高めですが。参考値内に収まっています。

尿検査では、比重が1.014と薄目ではありますが。何とか尿は濃縮されているようです。尿比重で最悪の結果が1.008から1.012の間です。

尿比重が低い目というのは、しかし、子宮蓄膿症に罹患すると、大体において多尿多飲の症状がでますから。

まず子宮蓄膿症を治療してそれから腎臓の機能を評価すべきと考えます。

子宮蓄膿症の治療法で最もポピュラーなものは、やはり早期の開腹手術となります。子宮に膿が溜まって毒性を発揮していますので。その膿を子宮毎取り出してやれば、DIC(播種性血管内凝固)を併発しているのでなければ、急速に開腹に向かうものであります。

しかし、残業してでも手術をと飼い主様にお伝えすると。突然のことでびっくりされて、混乱してしまっています。

これは困ったことです。私の伝え方が悪かったのかも知れません。

次善の策をと、黄体ホルモンレセプター阻害剤のアグレプリストン(商品名アリジン)の皮下注射を軸にした治療法を提案することにしました。

アリジンは、元々は犬のお薬で。人工妊娠中絶や子宮蓄膿症の特効薬的な存在で、副作用もほとんど無いという優れたお薬なのですが。

私の持っている教科書には、猫にも犬と同じように使用可能で、副作用も無く有効であると記載されております。

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そういうわけで。飼い主様にその旨お伝えして同意を得ることが出来ましたので。

アリジンの皮下注射。抗生物質の皮下注射。ラクトリンゲルの皮下注射によって治療を開始しました。

アリジンは、24時間置いて2回注射するのですが。2回目の注射の際にはまだ性器からの膿の排出はありませんで。

どうなるのか?少し心配でしたが。3日目に診療した際には、膿の排出はまだ見られないが、食欲が回復しつつあるということでしたので。一応抗生物質の内服だけで経過を追うことにしました。

動物による個体差もあるかも知れませんが。次回来院の際にはエコー検査を実施して子宮の状態を確認する予定です。

また、犬の場合でも同様ですが。アリジンで治療した場合。次の発情の後黄体期に入ると子宮蓄膿症の再発が心配ですので。
いったん回復して麻酔のリスクが低くなった時点で避妊手術を実施するよう飼い主様にはお伝えしてあります。

子宮蓄膿症が治った時点で。もう一度尿検査と血液検査を実施して腎機能の正確な評価を行なわなければなりません。

猫ちゃんと飼い主様には、これからもまだまだ幸せな生活を送って欲しいと、切に願う次第であります。

ではまた。

なお、この件については。アリジンの実際の利きについて後日談がありますので。そちらもご参照下さい。

 

 

マイクロチップで飼い主発見!!

先日のことですが。

隣り町で迷い犬を保護して警察に届けたのだけれども。警察でこれ以上預かれないから連れて帰ってくれと言われて引き取って来たという方が。
シャンプーをするのに、その後ノミマダニ駆除の滴下剤を購入したいということで来院されました。

話しを聴くと、警察ではマイクロチップの読み取りはしなかったということです。

それでは念のためにと。当院に備え付けてあるマイクロチップ読み取り機のスイッチをオンにして。その子の首の付け根辺りに近付けてみました。

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ピッという独特の音がして。読み取り機の画面に番号が表示されました。

一発逆転とはこのことです。

すぐにマイクロチップの情報を管理している日本獣医師会の情報センターに問い合わせて。飼い主が判明。

飼い主に返すことが出来ました。

警察にこの読み取り機が備わっていれば、保護した人がここまで苦労することは無かったのですが。

現在兵庫県では県内の獣医師会に所属している小動物診療施設の総てと、県内数ヶ所の動物愛護センターの総てに、このマイクロチップ読み取り機が備えられております。

グリーンピース動物病院では、この10年間の間に、保護されて連れて来られた動物にマイクロチップが入っていて、それを読み取ることが出来たために飼い主の許に無事返すことが出来た事例は2件あります。

2件という数字が多いのか少ないのかという議論はさておき。マイクロチップという小さな電子機器は、動物の個体識別の手段としては素晴らしく優れた方法だと考えております。

私の場合。子犬子猫が来院した時には、ワクチンやフィラリア予防、ノミマダニの駆除、避妊去勢の説明と共に、マイクロチップの有用性を説明してそれを入れるようお勧めするのをルーティーンにしております。

最近は、一部のペットショップでは販売の時点でマイクロチップを入れているところもありますが。良いことだと思います。

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上の画像の中に赤と黒の小さな物体がマイクロチップです。これを動物に入れたイメージは。下の画像のような感じです。

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画像の中の赤い矢印の先に白いコントラストで映っているのがマイクロチップです。注射器のような挿入器で皮下に入れてやるのですが。全く無害でありますし。首輪や迷子札と違って体内にあるわけですから。落ちて紛失することも皆無です。

マイクロチップを自分の動物に未だ入れてない飼い主様には、この記事をお読みになったのを機会に、その挿入を検討されてみることをお勧めします。料金は挿入するのに本体込みで税別6,000円。情報登録料が1,000円だったと思います。

 

フィラリア予防失敗例 予防薬は決められた量を決められた回数と間隔で

先日来院された日本犬雑の女の子のことですが。

フィラリア予防開始の案内ハガキを送りましたので。フィラリアの感染の有無の検査を希望されました。
予防薬は、投与間隔が2ヶ月までは空いてはいないけれども。1ヶ月丁度にはやれていないので。残っていって。
結局ワンシーズン分残っているので。今回は処方を希望されませんでした。

それで、血液を少量採取して感染検出キットで検査してみたところ。

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画像上のパネルは、検査結果の解釈を図示した飼い主様説明用のものでして。本犬の検査キットは下の小さな日付を記載したものです。

キットの中央付近に2本縦に線が見えますが。Cの位置のはっきりした線は、この検査が正常に行われていることを示す線でして。Tの位置に見えているぼんやりとした線が、フィラリア感染していることを証明するエビデンスであります。

この子は、残念ながら昨年にフィラリアに感染していて。

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心臓の右心室から肺動脈にかけて、上の画像のボトルの中に見えるようなフィラリアの成虫が寄生しているのです。

幸い、まだ無症状ではありますが。今までと同じような中途半端な予防法を続けていると、徐々に寄生数が増えて行って慢性フィラリア症を発症して苦しむようになるでしょうし。何らかの原因で肺動脈や右心室に居たフィラリア虫が右心房や大静脈洞という部分に移動すると、急性フィラリア症を発症して1週間から2週間くらいでひどく苦しみながら死んでしまうこともあります。

飼い主様には、その旨説明を致しまして。今後はフィラリア予防については私の指示の通りにしていただくようお願いしました。

なお、いったん感染したフィラリアについては、それを駆除するのは。砒素剤を使用したり。ある種の抗生物質を併用すれば出来ますが。砒素剤は非常に危険を伴いますし。抗生物質の併用も現在犬がフィラリア症で苦しんでいるのでなければ、費用対効果の点でどうなんだろう?という感もありますし。。

この子の場合、今現在はフィラリア寄生による症状は全くありませんから。心臓の中の成虫については、そおっとしておいて。新しい虫が増えないように予防を徹底することで対応するようにします。

なお。心臓にフィラリアが寄生している状態で、漫然と予防薬を投与しますと、ショックを起こしたりして危険ですから。ショックを予防するお薬と組み合わせて与えることになります。

フィラリア予防薬については、当地方では5月末から12月末まで月に1回予防薬を投与するということは大体の皆さんには周知出来ていると思いますが。きちんと実施していないとこの子のように辛い結果に終わってしまう可能性がありますので。薬は指示の通りにきちんと与えていただきたいと思います。

 

子犬の食事量について

もうすぐ生後4ヶ月令になろうかというウェルシュ・コーギの男の子の話しですが。

目やにが多いので診て欲しいということで来院されました。

しかし、診察台上の子を見ると、異常に痩せています。

画像ではそんなに感じられないのかも知れませんが。それは被毛で覆われているせいで。手で身体を触ってみると、背骨は立っているし、肋骨も浮いているし、骨盤も突き出ているのが感じられるのです。

「この子は食が細い(食べる量が少ない)のですか?」と訊くと。

「もっと欲しそうにするんですが。買う時にペットショップの人が『この量を与えて下さい。』と言われた量を守って与えています。」との返事でした。

一瞬。めまいを感じてしまいました。カルテの記載を見ると飼育開始が生後約3ヶ月令の時ですから。その時の食事量を厳密に守っていれば、成長と共に食事の必要量が増えて行くのが生き物の子供の原則ですから。明らかに栄養不足であります。

ペットショップの店員さんの言い方がよほどきつかったのか?言われた量が完璧なマニュアルとして受け取られてしまったのかも知れませんね。

なお、目やにが多いのも、栄養失調の結果かも知れません。

飼い主様にはそのことをお話しして理解していただき。子犬の成長に合わせた食事量の決定法をお伝えしました。

私が用いている子犬の食事量の決め方ですが。基本的に食欲の程度と便の硬さを基準に考えています。

まず、子犬が来た時には。最初はそれまで世話をしていた人に伝えられた量の食事を与えます。
子犬が与えられた食事をあっという間に食べ終えて。その数時間後のお便がしっかりと硬いものであれば。
次から、食事毎にその量を5%から10%ずつ増やして行って。ある量を超えて便の状態が軟便になったら。
そのひとつ前の食事量がその子の消化能力の限界と考えて。その量あるいはそれよりひとつ前の量を与えるようにして。
成長と共に便の状態が微妙に硬く感じられるようになったら。もう一度量を増やしてみるということを繰り返すのです。

この方法は、まず検便や駆虫でお腹に消化器性寄生虫が居ないということが大前提であります。

基本的に、よほど特殊な例でない限り。成長期の子犬に肥満を用心しなければならないということはないと思います。

なお、小型犬の場合。往々にしてペットショップの店員が、「多く食べさせると大きくなり過ぎますから注意して下さい。」と説明することがあるようですが。

ショウドッグならばいざ知らず。一般的な家庭犬の場合は体格がスタンダードの範囲内に収まることよりも。健康で知能が高くお利口な犬に育つことの方がもっと重要だと思います。

基本的に犬の体格(骨格)は、持って生まれた資質。即ち遺伝情報でプログラムされた範囲内までしか大きくなることはありません。沢山食べさせて大きく育ってしまうということは大きくなってしまう遺伝情報の持ち主だったというだけのことだと思いますし。大きく育った小型犬が家庭犬として失格だとも思いません。

人間で「大きく育ったら駄目だ。」言われるのは競馬の騎手とか体重に制限のあるボクサーくらいのものでしょうし。そんな人でも小学生の頃はしっかり食べて健康に育つようにと、ご両親は愛情を込めて食べさせていると思います。

基本的に子犬も人間と同じです。成長に応じてその時その時に最適な食事の質と量を確保して、健康で賢い良い伴侶犬に育ててやって欲しいと思います。

 

 

2014.11.11 エアデールテリアの子犬が生まれています

犬友さんから連絡があり。エアデールテリアの子犬が生まれたそうです。

母親はドイツ輸入犬。父犬の父親はドイツ輸入犬で私が飼っていた日本チャンピオンにして日本警戒訓練チャンピオングループのタイトル保持犬。父犬の母親は私の繁殖犬で全日本で臭気選別チャンピオンタイトル保持犬です。

従って、この子らにはドイツ輸入犬以外の血液は入っておりません。

母親 : タイパンズ アランゴ (父)オラーフV ヴァレンシュタイン (母)ヤロモニス イーラ

父親 : アルデバラン オブ ザナドゥ (父)ズーコV ハウスシルマ (母)ザナドゥ オブ パドルビー

9月23日出産 オス4 メス2

子犬を望まれる方は、私のメールアドレス wkhtdg@hera.eonet.ne.jp にご連絡を下されば、繁殖者の電話番号をお教えします。具体的な諸条件は繁殖者に直接訊いて下さい。

追記 犬友さんより後から電話があって。子犬たちの父犬がJKCの訓練競技会服従の部で優勝したそうです。

24才の大往生

約2ヶ月前から当院に受診していた猫ちゃんですが。

先日24才にて眠るように亡くなったということでした。

当院における初診の時には。他の動物病院にかかっているのだが。時々皮下輸液をしてもらっているくらいで。先日皮下輸液の後痙攣が生じたとのことで。
当院にかかるきっかけになった症状は来院1時間前に頻尿、尿失禁及び赤色尿が見られたというものでした。

わずかに診察台上に漏れ出た尿を採取して試験紙での検査を行なってみると、尿蛋白は3+、pHは5から6、尿潜血3+という結果で。尿比重は量が不足していて計測不能でした。

当日は、抗生物質と止血剤の注射を実施して。翌日その反応を見るから再来院するようお伝えしてお帰ししました。

翌日来院した時には。尿色薄くなり、失禁はしなくなり。排尿はトイレでするようになった。食欲はそれなりにあり、ドライフードを食べているが。水を飲んだ後吐くということでした。

しかし、24才という高齢であることとか。口内炎が観察されること。嘔吐があることなどを考慮して。最低でも血液検査は実施した方が良い旨を飼い主様に説明して、同意を得たので、採血を実施しました。

採血後約30分後に出た結果では。赤血球容積(PCV)が18.5%と貧血であること。尿素窒素(BUN)が113.4mg/dl、 クレアチニン(CRE)が5.6mg/dlと腎不全が疑われる状態でした。
慢性腎不全かどうか?は尿比重が計測されていないことと。網状赤血球数が1マイクロリットル当たり58,900個とそれなりに多くなっているので、微妙なところです。

慢性腎不全による貧血は、腎臓から分泌されるエリスロポエチンという骨髄を刺激して赤血球産生を促す物質が出なくなってしまうことから、非再生性貧血になるのですが。貧血の際に網状赤血球数がマイクロリットル当たり6万個以上存在していれば骨髄は貧血に反応していると判断されるという基準があるのです。

飼い主様と話し合って。24才という超高齢猫でもあり。いつどんなことになるのか?予断を許さないこと。今まで十分に長い時間生きて来たことでもあり。とにかく猫ちゃんが苦しまないようにして看取ってあげたいという希望でもあり。
基本的に難しいことはなるべくしないようにして。

腎不全とか下部尿路疾患、尿量増加による脱水などをコントロールして、出来るだけ気分良く日常生活を送れるようにやってみようという方針に決定しました。

それからは、投薬出来る範囲でお薬を数種類使用して、何とか血尿はコントロール出来て。
他院で皮下輸液の後痙攣が生じたことについては、私には原因とかは判りませんが。私なりのやり方でやってみるということでご理解をいただいて。皮下輸液をやってみたところ、問題無く実施できましたので。皮下輸液は週に2回から1回の間隔で実施して。

ぼちぼちながらに穏やかに生活出来るようになりまして。

それなりに元気とは言え、体重減少も徐々に進行して来ましたので。そろそろあちらの世界に行く準備をしているのかな?と思いながら。皮下輸液を続けていましたら。

先週、6月17日に静かに亡くなりましたと。飼い主様が猫ちゃんの写真を持ってご挨拶に見えられました。

飼い主様は、猫ちゃんが亡くなって悲しい気持ちは感じているけれども。安らかに逝かせてやることが出来たことと。24才という普通では考えられないくらいの長い間それなりに生きてくれたということから。何かをやり切ったという一種の満足感を感じておられるように見受けられました。

私も丁寧な感謝の挨拶をしていただいて。獣医師として一生懸命やって来たことを評価されたという満足感を感じながら、亡くなった猫ちゃんにしみじみと想いを致した次第であります。

これからも頑張って飼い主様と動物たちの幸せのために良い仕事をして行きたいと思います。

 

最近来院した子犬たち

症例の紹介や解説も大切ですが。

時々、日常診療で頭も気持ちも飽和状態になってしまって、病気のことを書くのがしんどいと思うことがあります。

昨日から重症の膵炎疑いの18才猫ちゃんが入院しておりまして。夜間に数回起きて状態を診ていると、どうしても睡眠のリズムが乱れてしまいます。今日は、さすがに眠くてしようがありませんが。ここ数日来院した可愛い子犬たちを紹介してみたいと思います。

まず最初に。生後14日目のシェトランド・シープドッグの赤ちゃんです。
眼がやっと開いて来たところです。

ちいちゃくて、とても頼りなさげなのが、たまりませんね。

お母さん犬は、とても別嬪さんです。話しによると、お父さん犬もナイスな男前だそうですから。
この子も別嬪さんに育つことと思います。

次は、生後2ヶ月令のラブラドールレトリーバーの男の子です。リキという名前は、1年以上前に亡くなった先代のリキの名前を引き継いだものです。

先代のリキは、私が繁殖した犬で、それは素敵な犬でしたが。高齢になり病を得て飼い主様に見守られながら一生を終えました。

飼い主様は、先代リキが亡くなった後、どうしてもリキのことが忘れられずにいて。リキの親犬を私にお世話してくれた奈良県のブリーダーさんにお願いして。1年待った後、先代のリキそっくりな可愛い子犬がやって来たということであります。

この系統のラブは、姿形の美しさもさりながら、気性の素晴らしさが際立っております。イケメンラブに育って行くことと思います。

最後に、4ケ月令のコーギの女の子です。

この子の飼い主様は、ゴールデンレトリーバーの女の子、コーギの母娘、猫ちゃんとの賑やかな生活を楽しんでおられたのですが。年を経て犬たちは全頭亡くなってしまったのです。

わんちゃんたちが全く居なくなってしまって、寂しくなったものですから。もう一度コーギをと。迎え入れたのがこのくるみちゃんであります。

しかし、子犬はどの子も可愛いですね。見ていて飽きません。

この子たちと飼い主様たちが、これから末永く幸せに暮らしていけますように、心から祈っております。

しかし、それにしても、眠いです。膵炎疑い猫ちゃんの状態は、昨日よりも落ち着いて来ているように思われますが。これからどうなっていくのか?まだまだ予断を許しません。元気に退院出来るよう頑張ります。

ではまた。

グリーンピースわんにゃん訪問隊活動

すっかりご無沙汰しております。
4月、5月は狂犬病予防注射やフィラリア予防のシーズンですから。少しだけ余裕が無くなるのが正直なところです。

でも、不思議なことに。この時期は重病の症例がそんなに出ません。わんにゃんたちにとっては過ごしやすい良い季節だということなのでしょうね。

今日は第4金曜日ですので、いつものように特別養護老人ホーム鶴林園に犬猫幼児連れ訪問に行きました。訪問ボランティアの方もいつもの人たちばかりです。

訪問前に集合するようにと決められた午後1時45分に園の庭に行きますと。ボランティアの皆さんは大体集まっていて、犬たちを遊ばせながら談笑しておられます。

私は、久し振りに連れて来たベルジアン・マリノワのゴーシュの簡単な服従訓練とボール遊びをやりました。忙しさにかまけて、彼のトレーニングはほとんどやっていませんが。当面の紐付き服従は完璧にこなしてくれます。

ベルジアン・マリノワは、さすがに防衛訓練のエキスパートというだけあって。動物病院に出入りする業者さんのうち若い元気な人に片袖防御衣を持たせて咬ませてみると、それは、もの凄い威力の咬みを見せてくれるのがゴーシュであります。

ゴーシュはそれでも私のコントロールを完璧に受け入れてくれる素直な犬です。
ただし、私以外の人の言うことは、ほとんど適当に聞き流す程度であります。

動物病院スタッフがシャンプーをするのが困難になってしまったゴーシュを、日陰に止めた自動車に残して。午後2時過ぎから園の2階ホールで触れ合いの時間を持ちますが。あっという間に楽しい時間が過ぎて行きます。

この活動は、訪問を受けるお年寄りばかりが楽しいのではなくって、訪問に来た我々ボランティアも、犬猫幼児たちも、そしてこの活動を手助けする園のスタッフの皆さんも、全員が楽しく過ごすことの出来るということで。

自画自賛になるかも知れませんが。誰も損をしない。我慢しない。すごく有り難い活動なのであります。

この冬に産まれたコーギの赤ちゃんたちも順調に育って、車椅子のお年寄りの膝の上から床に飛び降りることが出来るようになりました。

触れ合いの時間が終わると、1階食堂で園のスタッフさんと訪問ボランティアの皆さんとでミーティングを行ないます。

今日もスタッフさんから、お年寄りの皆さんの毎日の生活の表情とこの訪問の時の表情との差とかのお話しもあり、来月もまた頑張って訪問に来ようと、心を新たにすることでした。

ミーティングが終わると、急いで動物病院に戻って、午後の診療を行ないます。

今日も楽しく過ごすことが出来ました。

ではまた。

エアデールテリアの子犬が産まれました

3月6日付けのこのブログで出産予定を紹介していた、エアデールテリアの子犬が、3月25日に産まれました。

今のところ、予約にはまだ空きがあるらしいです。

ドイツ訓練系統のエアデールテリアと一緒に人生を過ごしてみたいと思われる方は、このHPのメールもしくは、wkhtdg@hera.eonet.ne.jp 宛てご連絡下さい。

お待ちしています。

グリーンピースわんにゃん訪問隊

第4金曜日ですので。 いつもの犬猫子供連れ老人ホーム訪問ボランティアに行きました。

少し早く鶴林園に着いたので。ちょっとだけ園庭の花を見てました。

ソメイヨシノはまだ蕾です。でも、随分ほころんで来ています。開花はもうすぐですね。

枝垂れ桜は満開でした。独特の風情があって綺麗です。

桜が咲いているかと思い、近寄ってみると。どこか違うように感じられます。

花のサイズが普通の桜よりも随分大きく感じられます。記憶に間違いがなければ、アーモンドの花です。

訪問ボランティアさんたちが集まって来て。時間が来たので、園の2階ホールに上がります。

コーギの子犬ちゃんが猫ちゃんを見つめています。コーギの子犬ちゃんはすごく可愛いかったです。

お子ちゃまのカバンの中身が気になるミニシュナちゃん。子供と犬の自然な交流は、見ているお年寄りにも笑顔を誘います。

賑やかしく、楽しく、時間が過ぎて行きます。永い永い人生のほんのひとこまですが。幸せを感じることが出来ました。

1時間の訪問時間が終了して、1階食堂でミーティングをやってから、急いでお仕事に戻りました。

仕事も頑張ります。

ではまた。