兵庫県加古川市|グリーンピース動物病院 の 2012 7月 29
院長ブログ

日別アーカイブ: 2012年7月29日

07/29 猫のアレルギー(アトピー?)性皮膚炎

7月14日に来院のあった10才の白猫さん、避妊済み女の子ですが。

約4年前から皮膚がひどく痒くなったそうです。

他院にて受診した時に、そこの先生が注射を打つと、ほぼ完全に治るのだけれども、何週間かすると再発するを繰り返して。

グリーンピース動物病院に転院して来たということです。

症状ですが。初診の時の静止画撮影を失念してまして。ひと目で見て取れる写真はありません。
顔面と下腹部が赤く充血して、丘疹が見られました。

で、私の対処法ですが。以前の治療歴の聴取から、その先生が使用された注射薬は、デポ・メドロールという長時間作用型のステロイドホルモンか、あるいはコンベニアというこれも2週間は利き続けるというタイプの抗生物質ではないか?と考えました。

まず、犬でも猫でも、皮膚に問題がある子には、ノミのコントロールがされてない場合は必ず滴下剤とか内服薬でノミ駆除剤を使用します。
この子の場合は、心臓糸状虫(フィラリア)の予防を兼ねた滴下剤を使いました。

次に、皮膚に住む細菌を殺す抗生物質と、アレルギー特にアトピーに利くと思われるステロイドホルモンの内服薬を処方しました。

犬でも猫でもアレルギー性皮膚炎の場合、アトピーだけでなく食事性アレルギーというのもありますし。犬の場合アトピー性皮膚炎にはかなりの高率で食事性アレルギーを併発することもありますから、アレルゲンを除去した食事を使えるならばその方が良い結果を得ることが出来るでしょう。
処方食のサンプルを2種類ほどお渡しして、どちらか喰い付きの良いのをお出しする予定であることをお伝えしました。

1週間後、再来院した白猫ちゃんは、皮膚の状態はすっかり良くなってました。本当に劇的な効果が出たという感じです。

この時点で、犬の場合だったらアトピー性皮膚炎を疑うのですが。猫でも多分同じに考えても良いと思います。

ステロイドホルモンの使用が長期にわたる可能性があることをお伝えして。猫の場合犬よりもステロイドで副作用が出る可能性は随分低いのですが。

将来のステロイドによる副作用の指標にするために、採血して、血液検査の基礎データを取ることにします。

この子の場合、GPTとGOTが少し高かったです。

検査結果に基づいて、ステロイドホルモンと、肝細胞保護の機能のあるお薬を処方しました。抗生物質は中止です。

3回目の来院は今日でした。皮膚の状態は至って良好です。

ステロイドホルモンを一日置きにして、ステロイドが少なくなる分、抗ヒスタミン剤を組み合わせて、肝細胞保護剤と、3剤処方しました。

食事性アレルギー対策の処方食も使用を開始していますし。今後は上手く管理出来るのではないかと思います。