兵庫県加古川市|グリーンピース動物病院 の 院長ブログ

院長ブログ

08/09 チワワの食道内異物

午後診も終わりに近づいた頃、もうそろそろ閉める準備をしようと思いつつある時間に、チワワちゃんの来院がありました。

約1時間前に2センチ角に切った生のジャガイモを飲み込んだのだけれど、それから急に気分悪そうになって、2回ほど泡を吐いたとのことです。
その後もまだ気分悪そうなので連れて来たということでしたが。

飼い主様に抱っこされたチワワちゃんは、そんなに気分悪そうでもなさそうです。

しかし、こんな時に事態を甘く見ていると、危機の見落としという最悪の事態に陥る可能性がありますから。

2センチ角切り生ジャガイモということであれば、異物は食道内に停留している可能性があること。
異物を確認するためには、造影剤を口から飲ませてエックス線検査をする必要があること。

上記2点を飼い主様に説明させていただき、了解を得た上で、ヨード系造影剤のガストログラフィン5ミリリットルを注射器を使用して飲ませてからエックス線写真を撮影しました。

食道内に角ばった物体が、特に側方から撮影した写真ではっきりと確認出来ると思います。

さて、この異物をどうして処理したものか?

プロポフォールという短時間作用型の安全な静脈麻酔を使用して眠らせて置いてから、胃カテーテルで胃内に押し込むことにしました。

左前肢の静脈にカテーテルを留置して、プロポフォールを適量ゆっくりと注入すると、チワワちゃんは穏やかに意識を失います。

太いのと細いのと、2種類準備してあるゴム製の胃カテーテルのうち、細いのを用意して。
それをチワワちゃんの口から挿入し、押して行きます。

勿論、口から胃までの距離を測って、カテーテルのどの部分まで入れれば胃に到達するのかは、挿入前に実施してます。

ここらが異物か?という辺りで、少し抵抗が感じられましたので、ひどく乱暴にならない程度に押してみます。

ポン!!という感じでカテーテルが胃の中に入りました。

もう1回カテーテルを引いて押してみます。

ポン!!の感覚は今度も感じられました。カテーテルの先端が噴門という胃の入り口を通過する際にこんな感じになるようです。

胃カテーテルを抜いて、確認のためのエックス線検査を行ないました。

食道内の異物は消失しています。

プロポフォールの麻酔は、約15分で醒めますので、立ちあがって歩くようになった時点で帰ってもらいました。

翌朝に状態観察のために来院していただく予定ですが。もう大丈夫かな?と考えています。
ただ、2センチ角の生のジャガイモが、胃の中でどれくらいこなれてくれるのか?まさかトウモロコシの芯のようにずっと形を保って、腸閉塞の原因にはならないとは思いますが。
そこのところは、僅かながら不安もあります。

 

08/06 シーズ君術後の感染

6月2日に右後肢の皮膚に腫瘤というか?皮膚が不整形に肥厚して、抗生物質に反応しない病変が出来ているのを切除したシーズ君ですが。

術後の化膿止めを少し短めに処方して、術後感染が生じても早目に対応しようと、5日に途中経過を観察しました。

どうも、おかしいです。

傷の一部がジクジクと湿っていますし。何か不健康な感じです。
本犬も傷を気にしてひどく熱心に舐めようとしているようです。

こんな時には院内の細菌培養と感受性試験を試みることにしていますので、早速採材して検査に供しました。

明けて本日、検査結果が出たのを見ると。

12種類の抗菌剤を試したのが、まともに利いているのはわずかに1種類だけと、とんでもない細菌が生えていました。

検査をやって良かったです。

検査で確実に利くことが判明したお薬を処方しました。

画像は術創です。何か不健康な分泌物が出たりしていて、周辺の色も何となく良くないです。

しかし、この子の感染は、利く薬を投薬すれば予想では2日目辺りから急速に改善して行くと思われます。

で、何でそんな菌が術後に感染するのか?と言えば。この子の場合、数か月前に椎間板ヘルニアを患って、CT 検査の出来る動物病院を紹介して、そこで手術を受けたのですが、術後の経過がなかなか思わしくなく、長期に副腎皮質ステロイドホルモンを内服していたりしてたのが、何かしらの影響を及ぼした可能性もあると思います。

それと、ご家族に医療技術者とか長期にわたる抗菌剤の内服を続けている人が居る場合も、動物の身体に薬剤耐性菌が存在していることがあります。

以前の症例ですが。犬の避妊手術で術後感染が生じて、飼い主様の不興を買いながら、院内での薬剤感受性試験を行なって、何とか治し切ったことがありますが。

その飼い主様が、同居の猫の去勢手術を希望されましたので、術前に皮膚の常在菌を滅菌生理食塩液で濡らした滅菌綿棒で拭い取って、薬剤感受性試験を実施しましたところ、まさに犬の避妊手術で感染したのと同じ細菌が生えてきましたので、それに対応した抗菌剤をその猫ちゃんには最初から投与して、事なきを得たという経験があります。

動物病院で実施する手術は無菌的に執り行うことは当然のことでありますが。皮膚の常在菌については、薬剤耐性菌が存在していると、経過が悪くなることがあります。

外科手術に限らずどんな仕事の際にも、起こり得る最悪の事態を想定して機敏に対応して常に良い結果を得るよう努力して行きたいと思います。

 

 

08/03 紀州犬による咬傷事故

もう一月近く前の事ですが、7月の初めにグリーンピース動物病院の患者様である紀州犬が子供を咬んで大怪我をさせたということです。

事故は、飼い主様が丈夫な首輪とリードを付けた犬を連れて、お友達と立ち話しをしていたところ、そのすぐ近くを被害者の子供が自転車で通り過ぎようとしたのが、犬にとっては攻撃されたと錯覚したのでしょう。子供に咬み付いたということでした。

被害者の子供は県立のこども病院に入院していて、皮膚移植もしなければならないような状態だということです。

被害者の親御さんは、それはもうお怒りのことらしく、飼い主様とのお話し合いも大変らしいです。

当該犬は、7月19日に当院に来院されて、狂犬病検診証明書の発行を希望されました。

狂犬病検診証明書は、間に2週間の期間を挟んで2回の検診を実施し、2回共狂犬病の症状が見られない場合に発行可能だということを説明させてもらい、その日は1回目の検診証明書を発行しました。

紀州犬は、飼い主様のご希望により当院に検査入院という扱いになりました。

当初は、被害者の方からの希望で2回目の検診が終了し次第安楽死処分になる予定でした。

昨日がその2回目の検診日だったのですが。飼い主様のお話しでは、安楽死処分はとりあえず避けることが出来て、本犬は去勢手術実施の上、飼い主様の知人で犬の取り扱いに慣れた方が飼育することで折り合いがついたということでした。

そんなことで、昨日は2回目の検診も完了して、狂犬病検診証明書も完成した物を発行させていただきました。

しかし、この紀州犬、預かってみると結構大変です。

体格が体重25キロとかなり大きい上に、性格が基本的に、かなり怖がりの上に攻撃性が強い個体で、なおかつ取り扱う人間の強い弱いでひどく態度を変えるところのある、女性動物看護師にとっては非常に扱い難い犬です。

最初の頃は、ケージからドッグランへの出し入れにも素直に従っていたようですが、徐々に看護師さんたちを舐めるような態度が現れ始めて、今朝は看護師さんたちがとうとう身の危険を訴えるほどになって来ました。

そんなわけで、本日午後に当該犬の去勢手術を実施し、その後の犬の態度によっては術後のケア全般を、大型犬の取り扱いに慣れた私目が実施しようかと考えております。

穏やかな良い子になって欲しいところですが、去勢手術でどうなりますことやらです。

なお、獣医療とは直接関係は無い事かも知れませんが。犬を飼育されている方々には必ず入っていただきたいのが、個人賠償責任保険という損害保険です。

このような損害保険はいろいろな保険会社が商品を販売しているようですが。私が10数年前にしつこく各社に訊き回った結果によれば、東京海上火災という会社の個人賠償責任保険が、加入者の飼い犬が例えノーリードの状態で事故を起こした場合でも全額賠償してもらえるという返答をもらっています。
その他の保険会社では、飼い主の過失の程度によって賠償額が減額されたりするような返答でした。

東京海上の個人賠償責任保険は、数年前から単体での販売を止めていて、加入者本人の傷害保険と抱き合わせの販売で、1年間の保険料が2,400円の掛け捨てだったと記憶しております。
また、自動車保険との抱き合わせもあったと思います。

一応私も東京海上の損害賠償責任保険には加入しています。

今回の紀州犬の飼い主様は、不幸なことに保険の加入はされていなかったということで、被害者の治療費、慰謝料その他の必要経費一切合財が総て個人にかかって来るということでした。
誠に大変な事態であります。

紀州犬の去勢と術後管理は、一応8月9日までの予定でありますが、無事に終了して良い子に生まれ変わって欲しいと思います。

08/02 ミニチュアブルテリア若犬の毛包虫症

今年1月29日生まれで、6月終わり頃に去勢手術を行なったミニチュアブルテリアの男の子の話しですが。

7月26日に首の皮膚が痒くなったということで来院されました。

全身の皮膚を診てみると、首の後ろと左側面、左手の甲、右前腕後ろ側、右の内股に脱毛とその部分の発赤が見られました。

これだけの所見では、細菌感染とか真菌感染、寄生虫疾患やアレルギーなどの鑑別は正直難しいです。

とりあえずになりますが、可能性の大きな順番から、細菌感染や、犬種的にマラセチア感染あたりを疑って、セファレキシンという抗生物質の内服とマラセブシャンプーによる薬浴を1週間実施することにしました。

1週間後の8月2日、再来院したのを診ると、脱毛部の赤味は、部分的には改善されていましたが、改善していない場所もありますし。皮膚の痒みは相変わらずだということでした。

この時点で、アレルギーも疑ったのですが。それ以前に除外しておくべき疾患として、皮膚に住む毛包虫とか疥癬虫のようなダニの感染があります。

脱毛部の皮膚の表面を鋭匙で掻き取って、それを10%KOHとDMSOという薬剤で溶かして顕微鏡で観察するという、「皮膚掻き取り試験」を実施しました。

画像に見られる細長い虫が毛包虫(アカラス)というダニの一種です。

毛包虫は、普通に健康な犬の皮膚にごく少量寄生しているのが普通なのですが、このように脱毛や痒みを引き起こすほど増殖するのは、動物の免疫機能が不十分な場合に見られると言います。

若い犬が一過性に毛包虫症にかかるのは、時々見られることで、特にブルテリアとかのシングルコートの皮膚がデリケートな子に頻繁に見られるように感じますが。柴犬やボーダーコリーのような犬種でも見たことはあります。

若年性の毛包虫症は、大概は治療を施せば一過性のものに終わることがほとんどですが。
要注意なのは成犬になって、それも6才とか7才以降の中高齢になって発症する毛包虫症です。

中高齢の犬の毛包虫症を発見した場合には、必ず副腎皮質機能亢進症とか悪性腫瘍とかの犬の免疫機能が低下している原因を調べる必要があります。

毛包虫症の治療法ですが、ドラメクチンという抗生物質の一種を毎週1回、計8回皮下注射する方法とか、アミトラズという薬品での薬浴とかの方法があります。

ミニチュアブルテリアの飼い主様は、今回はアミトラズ薬浴を希望されました。薬浴はご本人が実施するのを前提にしておりますので、薬浴のやり方を説明してアミトラズの原液を1回分だけ処方しました。

アミトラズ薬浴は、最初の数回は週に1回。治療効果がはっきりと現れれば隔週に1回のペースで実施して。

最後に2回か3回皮膚の掻き取り試験で陰性が続いたらお終いにするようにしております。

ブルテリ君、一過性の疾患で済みますように。

 

 

07/30 老いた犬猫のハエウジ症

犬も年老いて来ると、何かと機能が衰えて、自分の身を守ることが出来なくなるものです。

その結果の典型的な例が、見出しの老犬や老猫のハエウジ症です。

これは、老衰とか重度の疾患で動けなくなった犬猫に、キンバエとかクロバエが卵を産み付けることにより、ハエの幼虫が炎症などのために浸出液で濡れている皮膚や、褥瘡や傷の周囲及び傷の内部、鼻、眼、口、肛門周辺からそれらの天然孔内に湧くように発生する現象です。

生きながらにハエのウジに喰われるという感じでしょうか?

ハエウジ症の対策は、まず動物を清潔でハエの飛んで来ない室内に移動させ、毛刈りや洗浄によってハエウジを除去し、傷については壊死組織を除去して消毒剤で殺菌した上に、細菌培養と抗生物質感受性試験に基づいて適切な薬剤で感染のコントロールを行ないます。

今回紹介するチチちゃんは、飼い主様が異変に気付いてすぐに連れて来られたのですが、もう既にハエウジが湧き始めているところでした。

左胸の横側の皮膚に穴が開いていたのと、前胸の皮膚が化膿性の皮膚炎になっていて、そこにハエウジが湧いていたのです。

全身の毛を刈り、ウジを全て除去して、傷からの分泌液を培養した結果から、エンロフロキサシンとセファレキシンの2剤を組み合わせて、治療を行ないました。

本日で、入院7日目になりますが、皮膚の炎症も大方治まり、開いていた穴も治りつつあります。

チチちゃんの全身状態も適切な温度管理と投薬、食事によって見違えるように改善しております。

飼い主様は、室内でチチちゃんを管理出来るようにリビングとかいろいろ配置換えをしているそうです。

私も協力したいと思い、自宅犬舎で使用していない高さ90cmのサークルをお貸しすることにしました。

退院は明日か明後日になりそうです。

07/30 エアデールテリア趾間腫瘤の摘出

7月13日と19日の2日にわたって過去の院長ブログに掲載しておりました、エアデールテリアのエルちゃんの左前肢第3-4趾間の腫瘤は、結局切除生検までやって、「悪性黒色腫疑い」という診断が付きました。

「疑い」ということは、細胞とその配列が典型的な悪性黒色腫の形態をしていないということなのでしょうね。

しかし、そこまでの診断が付いたわけですから。切除するということになりました。

切除手術は本日午後に実施致しました。

切除生検の際に大きく取りましたので、何か腫瘤が無くなったように錯覚しそうですが、皮膚が黒っぽく見えている部分はメラノーマが浸潤しているのではないか?と疑っています。

午後1時から型通りに麻酔導入をして、術野の毛刈りと消毒、術者助手の手洗い消毒術衣手袋の装着を行ない。切皮開始は50分くらいでしたか?

手術時間は切皮から縫合終了まで約1時間でした。

出来上がりの画像はこんな感じです。

足の裏の大きな肉球と人間で言う人差し指、小指を残したのは、なるべく自然に歩行出来るようにと考えたからなのですが。
もしかして、その結果として健康な部位を付けて完全切除をする、いわゆるマージンが不足して、腫瘍細胞が残ってしまう可能性もあります。

そこで、摘出した組織はもう一度病理検査に出して、完全切除が達成出来ているのかどうか?を組織学的に見てもらうことにしました。

ボトルの中に見えているのは、摘出した中指と薬指に相当する趾です。

エルちゃんは、術後はケージで休んでおります。今日の午後6時には退院出来ると思います。

完全切除が出来ていて、再発や転移が生じませんように。

07/29 猫のアレルギー(アトピー?)性皮膚炎

7月14日に来院のあった10才の白猫さん、避妊済み女の子ですが。

約4年前から皮膚がひどく痒くなったそうです。

他院にて受診した時に、そこの先生が注射を打つと、ほぼ完全に治るのだけれども、何週間かすると再発するを繰り返して。

グリーンピース動物病院に転院して来たということです。

症状ですが。初診の時の静止画撮影を失念してまして。ひと目で見て取れる写真はありません。
顔面と下腹部が赤く充血して、丘疹が見られました。

で、私の対処法ですが。以前の治療歴の聴取から、その先生が使用された注射薬は、デポ・メドロールという長時間作用型のステロイドホルモンか、あるいはコンベニアというこれも2週間は利き続けるというタイプの抗生物質ではないか?と考えました。

まず、犬でも猫でも、皮膚に問題がある子には、ノミのコントロールがされてない場合は必ず滴下剤とか内服薬でノミ駆除剤を使用します。
この子の場合は、心臓糸状虫(フィラリア)の予防を兼ねた滴下剤を使いました。

次に、皮膚に住む細菌を殺す抗生物質と、アレルギー特にアトピーに利くと思われるステロイドホルモンの内服薬を処方しました。

犬でも猫でもアレルギー性皮膚炎の場合、アトピーだけでなく食事性アレルギーというのもありますし。犬の場合アトピー性皮膚炎にはかなりの高率で食事性アレルギーを併発することもありますから、アレルゲンを除去した食事を使えるならばその方が良い結果を得ることが出来るでしょう。
処方食のサンプルを2種類ほどお渡しして、どちらか喰い付きの良いのをお出しする予定であることをお伝えしました。

1週間後、再来院した白猫ちゃんは、皮膚の状態はすっかり良くなってました。本当に劇的な効果が出たという感じです。

この時点で、犬の場合だったらアトピー性皮膚炎を疑うのですが。猫でも多分同じに考えても良いと思います。

ステロイドホルモンの使用が長期にわたる可能性があることをお伝えして。猫の場合犬よりもステロイドで副作用が出る可能性は随分低いのですが。

将来のステロイドによる副作用の指標にするために、採血して、血液検査の基礎データを取ることにします。

この子の場合、GPTとGOTが少し高かったです。

検査結果に基づいて、ステロイドホルモンと、肝細胞保護の機能のあるお薬を処方しました。抗生物質は中止です。

3回目の来院は今日でした。皮膚の状態は至って良好です。

ステロイドホルモンを一日置きにして、ステロイドが少なくなる分、抗ヒスタミン剤を組み合わせて、肝細胞保護剤と、3剤処方しました。

食事性アレルギー対策の処方食も使用を開始していますし。今後は上手く管理出来るのではないかと思います。

 

07/27 ヨークシャーテリア2頭の乾性角結膜炎

先日から治療にかかっております。ヨークシャテリアの乾性角結膜炎ですが。

片方の子は、治療に反応著しく、回復順調です。

涙の量を計測するシルマー涙液テストをやっているところですが。涙の量は試験紙が青く変色する位置を読むわけです。

向かって左側の試験紙が症状の出ていた右眼で、右側の試験紙が症状は出ていなかったものの涙の量が減っていた左眼です。それぞれ最初よりも涙液の量は増加しています。

この子は、この調子で治療して行けば、治ることは無いにしても、コントロール出来るように思います。

しかし、同じ犬種、ヨークシャーテリアで、同じ時期にもう1頭乾性角結膜炎に罹患して治療している子がおります。

この子の場合、同じ免疫抑制剤の点眼では全く反応は見られませんでした。

症状の出ていなかった眼の涙液は、しかし、倍ほど涙液産生が増加していますから、具合の悪かった眼が治療に反応しないのは、もしかして、涙を分泌する涙腺という組織が、自己抗体の攻撃によって完全に破壊されてしまったということなのかも?知れません。

画像は、その子の涙液産生試験の模様です。試験紙が全然変色して来ないのがお判りになることと思います。

で、具合の悪い方の眼は、こんな感じで、乾性角結膜炎は改善していません。

調子の良い眼の画像はこんな感じです。如何にも健康そうな感じです。

で、乾性角結膜炎が免疫抑制剤の点眼治療に反応しない場合は。人口涙液という涙を補充するお薬とかを使用するのですが。
私が最近好んで使用する人口涙液は、米国から輸入した軟膏タイプの「ピュアルーブ」という製品です。
抗菌剤入りの目薬で洗ってからこのピュアルーブを点眼すると、割りと良い感じで管理出来るように思います。

しかし、何でも同じように行けないものです。動物の医療は思うように行かないことも多く難しいです。

 

老猫の爪の管理

猫は年寄りになると、爪研ぎをサボり勝ちになります。
そんな場合爪が伸び過ぎて、トラブルの元になります。

判り難いかも知れませんが、爪が伸び過ぎて巻いています。
この猫は、伸びた爪が肉球に突き刺さってとても痛そうでした。

飼い主様が猫の歩き方がおかしいのに気付いて、来院されたのですが。突き刺さった状態をお見せすると、とても驚いていました。

そんな場合の対処法は、とりあえず爪切りをします。

爪切りに協力的な猫は、そんなにいませんので。こんな風に咬み付き防止のエリザベスカラーを装着して。看護師さんに保定してもらって切るのです。

爪切りは、右側のギロチン型と左側のニッパ型とを使い分けます。右側にあるボトルは、深爪した時の止血剤です。

切った爪を拡大してみますと。

正常な爪と比べると、異常に幅広く、巻いてしまってします。

切った後の猫の肉球には爪が突き刺さった跡が歴然としています、。

矢印の部分が巻き爪が突き刺さっていた場所です。

この子は、爪切りが無事に終了して、楽になりました。

爪が突き刺さっていた場所は、そのままでも治って行くと思いますが。少しでも回復を早くしようと思えば、抗菌剤の内服か注射を行なえばよろしいと思います。

老猫と暮らしている飼い主様におかれましては、是非とも猫の爪も定期的に点検されて、少しでも巻き爪の徴候が観察されましたら、御来院下さい。

早目に爪切りすれば、猫ちゃんは苦しまなくても済むのです。

ではまた。

 

 

 

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