兵庫県加古川市|グリーンピース動物病院 の 10/15 ミニチュアシュナウザーの膵炎
院長ブログ

10/15 ミニチュアシュナウザーの膵炎

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昨日来院されたミニチュアシュナウザーの8才の女の子ですが。

「朝からいきなり激しい嘔吐で、吐いた後ひどく震えている。それに腹部の左側が変に膨れて張っているような印象がある。」という稟告でした。

診察台の上での様子は、怖れて震えているのか?どうかは不明ですが。何となく不穏な感じを受けます。

こんな時に、詳しく血液検査とか腹部エックス線検査とかを勧めて、「あの動物病院は料金が高い。」と、そんな評判が拡がっても嫌ですが。
簡単に注射を2本か3本打って、内服薬を処方して、料金をお安く上げて、結果、重大な疾患を見落としたことになっても、それはそれで困ります。

そんなわけで。飼い主様には私の考えも正直にお伝えして、それでもちゃんと検査した方が良いような印象を受けていると説明して。

検査をさせていただくことが出来ました。

触診でも腹部エックス線検査でも、左側のお腹が膨れている感じは受けませんでしたが。
血液検査では、肝障害と黄疸にナトリウム、カリウム、クロールの低値、リパーゼの激しい上昇という結果が得られました。

電解質の低値は、あるいは激しい嘔吐による喪失かも知れません。

肝障害は、GPTやGOTの上昇が軽度ですから、あるいは膵炎に継発した2次的なものの可能性を感じます。

飼い主様には、その結果をお伝えして。膵炎の可能性が高いと説明し。東京のアイデックスラボラトリーズに膵炎の確定診断のための外注検査を依頼すると同時に、確定診断が付くまでは、膵炎という前提で入院加療する方が良いのではないか?と提案させていただきました。

飼い主様の了承を得ましたので。左前肢の橈側皮静脈という血管にカテーテルを留置して、輸液は生理食塩液にカリウムを添加したものを使用して、抗生物質2剤と痛み止め、嘔吐止めを使用して治療を開始しました。

夜間に状態を観察してみると、左腕を強く曲げるので、輸液の入りが悪くなったりしています。
少し不自由かも知れませんが。点滴用肢脚固定器という器具を装着して、肢が強く曲がってしまわないようにさせてもらいました。

明けて本日ですが。一応嘔吐は止まっているようです。
黄疸も改善傾向にあるようです。

飼い主様の面会の際に、容態を説明させていただきました。

夕方になって、アイデックスラボラトリーズからファックスで結果報告がなされました。

私の予想通り、膵炎間違いなしです。犬膵特異的リパーゼの数値が、正常値が200μg/mlのところ、1000オーバーという結果です。

丁度飼い主様のご主人が面会に来られたところでしたので、結果のコピーをお渡ししました。

その後、午後診終了前に治療効果確認のための血液検査を行なったところ、リパーゼの数値が300台にまで低下してます。肝臓の数値も軒並み改善して来てますし。黄疸も随分ましです。

何とか助かるかも知れません。

でも、油断せずにきちんと治って退院出来るよう頑張って治療します。