兵庫県加古川市|グリーンピース動物病院 の 10/21 コカプーの外耳炎と皮膚病
院長ブログ

10/21 コカプーの外耳炎と皮膚病

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今日で来院3回目のアメリカンコッカースパニエルとトイプードルのミックス、いわゆるコカプーの、9才になる去勢済み男の子の話しです。

約1年前から、皮膚病と外耳炎の治療で、さる大病院にかかっていたのですが。

随分と悪化しているように思われるので、当院のHPを見られて転院して来たということでした。

治療に際して、細菌培養と薬剤感受性試験などを行なって来たのか?と訊けば。そんな検査はしたことが無いとのことであります。

皮膚病なんか、よく判らないながらにセファレキシンというお薬を内服した時に、2週間でほとんど全快という感じにまで回復して。中止したらまた調子が悪くなり。慌ててお薬を再開したら、今度は全くと言って良いほど利かなくなってしまったという話しでした。

視診してみると、皮膚も好い加減ひどい膿皮症になっていますが。最悪なのは耳で、耳道がひどく腫れて、分泌物もジュクジュクしています。

ここは何とか頑張って治して喜んでいただきたいところではありますが。耳道軟骨を触診してみると、異常にカチカチに硬くなってしまっています。慢性炎症が行き着くところまで行って、耳道軟骨にカルシウム沈着が生じて、骨化してしまっているのかも知れません。

飼い主様には、耳道軟骨が骨化するまで行っている外耳炎は、外科的に最悪は全耳道切除までやらないと完全治癒は望めないかも知れませんとお伝えして。自分のところで何処まで治ってくれるのか?一応頑張って見ましょうというお話しをしました。

コカプーちゃんにまずやったことは。皮膚と耳道と別々に細菌培養と薬剤感受性試験を行なうということです。
CTのある大きな動物病院の獣医さんから見ると子供だましのような簡単な検査ではありますが、外耳炎とか皮膚疾患には、実はこの検査が最も大きな武器となる可能性のある、私にとっては最も大切な検査なのであります。

上の画像が翌日に判定したその結果であります。

セファレキシンは、治療歴からも明らかですが。全然利かなくなってしまっていました。耳の培養をしたシャーレに生えている菌は、緑色の色素を分泌しておりますので、性質の悪い緑膿菌という薬剤耐性菌であります。

その結果から、使用する薬剤は、内服ではミノサイクリン、点自はフラジオマイシンというお薬を選択しました。

次に実施したのは、血液検査です。この年齢になって急にそんな感染症にやられて、通常の治療で悪化の一途をたどる場合、もしかすると基礎疾患として何か?免疫機能を低下させるような全身性の病気を発病している可能性があると考えるからです。

しかし、血液検査では特に免疫機能を低下させるような疾患は見つけることが出来ませんでした。

そういうわけで、治療開始して1週間が経過した本日。再来院したコカプーちゃんは、嬉しいことに皮膚も耳もびっくりするくらい改善していました。

画像ではっきりとは判らないかも知れませんが。耳道の腫れがすごく改善しておりまして。耳道の中を外から覗き込むことが可能になっているのです。

耳道を触診してみると、あれほど硬かった耳道軟骨が柔らかくなってまして。あの硬さはカルシウム沈着ではなくって単なる腫れによるものだったんだなと思われました。

皮膚の状態も、この1週間でほとんど大丈夫か?と思われるくらいに綺麗になっていました。

しかし、本当の闘いはこれからかも知れません。

もう1週間今までと同じ投薬を続けて。来週には念のために再度細菌培養と薬剤感受性試験を実施して。本当の意味で完全治癒に持って行けるように、気を引き締めて治療をして行きたいと考えております。

グリーンピース動物病院は、CTやMRIも無く。院長が飼い主様と患者様を裏切ることが出来ない性格のために代診を置くことも無い、ある意味ショボぃ小さな動物病院ではありますが。
総ては飼い主様と患者様の安心と幸せのために気合いを入れて日々の診療に打ち込んで行きたいと思って頑張ります。

ではまた。