兵庫県加古川市|グリーンピース動物病院 の 01/25 超肥満猫の避妊手術
院長ブログ

01/25 超肥満猫の避妊手術

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トラちゃんは、そろそろ8才になる女の子の猫ちゃんですが。
骨格はそんなに大きくはないのにも関わらず、肉付きが異常に良くなってしまって。

現在はどう見たって肥満という感じになってしまっています。

昨年9月にワクチン接種のために来院した際、肛門から性器にかけての部分(会陰部)が異常に汚れていたところから。
一般論で言えば、避妊手術をした方が病気になる可能性も少ないことなどをお話しして、出来ればしてあげた方が良いと思いますとお話ししました。

その際に、腹部エコー検査を希望されたのでお腹の中をエコーで覗いて見たところ。
どう見ても卵胞嚢腫ではないか?と思われる陰影が観察されました。

画像の矢印の先の黒い部分が卵胞嚢腫と思われる陰影です。

会陰部の汚れは、あるいは性器からの分泌物によるものだったのかも知れませんが。その時には断言することは出来ませんでした。

この子の飼い主様は現役の看護師さんですので、獣医学的なお話しも能く理解していただいて下さったようです。

年明けに再来院して下さいまして。元気なうちに卵巣子宮摘出術を受けさせてやりたいということでしたので、術前検査として、全血球計数、血液生化学検査ひと通り、血液凝固系検査、胸部エックス線検査、コンピュータ解析装置付き心電図検査などを実施しました。

術前検査では完璧とは言えませんが、それなりに手術は可能であろうという結果が得られました。

手術は1月13日に実施しました。

麻酔とかは普通に導入覚醒が出来たのですが。やはり肥満猫ちゃんですから、お腹の中は脂肪の大海のようになっていて、子宮や卵巣の確認と分離がかなり困難でした。

お腹の中には、予想通りに卵巣に左右共、卵胞嚢腫と思われる大きな水泡が存在していました。

子宮を取り出す際に、膀胱と腎臓を繋いでいる尿管などの重要な器官を不用意に傷付けないように、通常の手術よりもすごく気を使いました。

そして、卵巣と子宮を摘出した後、閉腹する際には念のためにポリプロピレン単繊維の医療用縫合糸を使って、万が一の癒合不全に備えました。普通の猫ちゃんの手術に比べると、お腹を開けた傷の長さが倍はあります。

閉腹完了し手術が終了して、いよいよ今から覚醒させようという段階の画像です。

気管チューブ抜管後、入院室で回復を観察します。

普通に当日退院して行きましたが。

翌日 以降、しばらく飲水、排尿が見られないので皮下輸液を実施したり、いろいろ不安要素もあって気を揉んだ局面もありましたが。翌日から食欲はボチボチ見られていましたから、必ず回復すると信じておりました。

22日の火曜日に飼い主様から電話がありました。猫ちゃんは元気になっているとの報告でした。
飼い主様の勤務の都合もあり、抜糸に来院する予定が数日遅くなるということでしたが、抜糸があ少々遅くなっても大勢には影響無いとお伝えしました。

しかし、人間の手術でもそうだとは聴きますが、肥満の動物の外科手術は、私のような普通の獣医師としてはハラハラドキドキします。

無事に回復して良かったです。