兵庫県加古川市|グリーンピース動物病院 の 日記
院長ブログ

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12/21 グリーンピースわんにゃん訪問隊活動

今年最後の老人ホーム訪問ボランティア活動に参加して来ました。

ブルテリ・新田雑愛子とベルジアン・マリノワのゴーシュを連れて行きました。

どちらも4ヶ月令になったばかりです。しかし、愛ちゃんはもう半日ケージに閉じ込めていても排泄の失敗は無いのに。ゴーシュは半日と我慢出来ません。

しかも、庭に放したら、愛ちゃんはオシッコウンチを庭の土の部分に行ってきちんとやるのに。ゴーシュはコンクリートの上でしか排泄をしないのです。

更に、ゴーシュは私が正面に立って見下ろすと、卑屈な上目使いをしながら1回か2回オシッコを飛ばします。飛ばされたオシッコが私の靴にかかったりするととても不幸な気分になりますし、汚れたコンクリートの表面を後から拭き取ったり水を流したりと、いちいち面倒な事であります。

そんなわけで、このところゴーシュと関わり合うのが面倒で仕方が無くなっております。

とは言え、一旦我が犬としたものですから如何にしてでも付き合いやすい犬に育て上げなければなりません。

もっとも、こんなウレションと言うか?怖じションというか?の排尿の癖は、成長と共に改善することがほとんどですから。ここは辛抱のしどころであります。

道中そんなことを考えながら運転して、鶴林園の園庭に到着したのが午後1時43分でした。既に愛ちゃんをハンドリングしてくれる予定の訪問ボランティアのYさんも到着していました。

園庭の芝生広場で子犬たちを放して遊ばせます。他の訪問ボランティアさんの犬たちも交えてなかなかにぎやかでした。

2時前になると、犬たちは皆リード付きになって、園の2階ホールに上がります。訪問者は全員手洗いをしてから入ります。ノロウィルスやインフルエンザなどの感染症対策ですね。

愛ちゃんは、園庭で遊んでいる時も、訪問時間中も同じように天然無邪気な振る舞いでした。

一方のゴーシュは、園の玄関から中に入った途端に、異常なまでに大人しくお利口な振る舞いになってしまいました。

リードはひどく引っ張ることもなくなり、私が立ち止まると座ってこちらを見上げてますし。

心配していたオシッコの失敗も皆無でした。

2階ホールでの訪問の様子ですが、ゴーシュはリードを付けた状態で車椅子とか普通の椅子に腰かけたお年寄りの前に行って、「ご挨拶して。」と声をかけると、椅子の前で座ったり、車椅子に前肢をかけて顔をお年寄りの方に近付けます。

隣でお年寄りに抱っこされていた猫ちゃんには、気が付いているのか?いないのか?ほとんど無反応でした。

大人しい猫ちゃんはこんな活動には向いてますね。お年寄りに抱っこされるといつまでもじっと抱かれたままでいてくれています。

訪問活動時間が3時で終了しますと、1回食堂で訪問ボランティアと園の担当職員とでミーティングを行ないますが。

ゴーシュはテーブルの前で椅子に座った私の傍で、お座りをして、私の膝の上に顎を載せてじっとしていました。ミーティングを行なっていた時間は約20分でしたが。最初の15分くらい間ずうっとそんな態度で、そのうちに疲れたのか?私の足許で伏せをして過ごしてました。

この子には、こんな面もあったんだなあと、正直新鮮な驚きでした。

一方の愛ちゃんは、ずっとハンドラーのYさんに前肢をかけて、もちろん与えませんが、食べ物をおねだりしたり。私にちょっかいをかけそうになったりと、終始落ち着かない態度でした。

愛ちゃんもそろそろ服従訓練を行わないといけない時期に来ているみたいです。

ゴーシュは、多分ですが。ほんのちょっと私と一緒にいる時の振る舞いを威圧的でなく優しく教えてやれば、完璧になると思います。むしろあれこれといじらない方が本犬の自信を取り戻すためには良いのではないか?と感じています。

 

11/16 グリーンピースわんにゃん訪問隊活動

毎月第4金曜日が活動日の訪問活動ですが。今月は祝日と重なりますので、第3金曜日の本日に鶴林園訪問となりました。

いつものように、ブルテリ・新田雑の愛ちゃんと、ベルジアン・マリノワのゴーシュの2頭を連れて、早目に鶴林園の園庭に到着します。

2頭を出して排泄させ遊ばせてみますが。ボールを投げ与えてみると、ゴーシュのボールに対する執着はすごいです。愛ちゃんに先んじて必ずゲットしますし。取ったボールは自分だけで咬み咬みして遊ぼうとしています。

どんな意欲かは判ったので、今後はボール遊びは必ず私と行なうという癖を付けて行かなければなりません。

そうでなければ、物品を与えると何処かに持って行って、自分だけで一人遊びをする癖がついてしまいそうです。

訪問ボランティアさんたちもそろって、時間が来たので2階ホールに上がります。

愛ちゃんは、犬無し参加でもっぱらハンドラーとして活躍して下さるYさんにお願いして。
私はゴーシュと一緒にお年寄りとの交流を試みました。

ゴーシュは、誘導してやれば車椅子にかけたお年寄りの膝の上に前肢を置いて挨拶をしたりしてくれてまして。

概ね良い感じでした。

いつもは緩いオシッコもこの時ばかりはしっかりと失敗無しでクリヤーです。先月もそうでした。

そのうちに、抱っこしたいと言われるご婦人がいたので、ゴーシュをしばらく抱っこしてもらってました。

12キロ近くになっていますから、結構重かったでしょうけれども、すごく楽しそうに抱っこをしていました。

1時間の訪問時間の終わり頃、早目に2頭を連れて園庭に出て排泄させて置きました。

今月も無事に済んでホッとひと安心です。

良い性格の犬に育ちますように。

 

 

 

 

11/16 学会に参加して来ます

毎年11月の第3土日には、動物臨床医学会年次大会という大きな学会が大阪であります。

金曜日の夕方から始まるのですが。私は土日の二日間それぞれ日帰りで行って来ます。

泊まり込みで行きたいところではありますが。入院も抱えていたり、自分の飼い犬飼い猫も居たりしますから、やはり日帰りになってしまいます。

でも、北海道や沖縄の先生方も多人数泊まり込みで参加されていますので、私は近い分相当恵まれていると思います。

ロートルになって治療内容が古くショボくなって、動物や連れて来た飼い主様に迷惑をかけることがないように。最新の獣医療情報を頑張って勉強して参りますので。皆様方にはご不便のこととは思いますが、よろしくお願いいたします。

11/08 マルチーズの免疫介在性溶血性貧血

表題の免疫介在性溶血性貧血とは、自分の免疫抗体が自分自身の肉体を攻撃してしまうという、自己免疫性疾患の一種であります。

例えて言えば、自衛隊が自国民を攻撃するようになったという、悲しい病気なのですが。

狂った免疫機能がターゲットにする相手が赤血球の場合、免疫介在性溶血性貧血ということになりますし、皮膚組織の場合天疱瘡という病気になります。免疫機能が間違ってターゲットにしてしまう相手は、その他にも関節軟骨であるとか、甲状腺組織であるとか、腸管であるとか、いろいろ様々です。

そして、免疫介在性溶血性貧血でも、診断が特に難しいのは、先月に大学病院に診断を依頼した病気で、昔赤芽球癆と呼んでましたが、今でもそうなのか?骨髄の中で育って来て、今まさに循環血液中に出て行こうとしている若い赤血球が、自分の免疫で壊されてしまうという病気であります。この場合には、骨髄の生検と病理診断が必須になります。

この度診察した10才8ヶ月令のマルチーズの男の子の場合、来院まで4日か5日間突然食欲がほとんど消失してしまうという症状が出て、来院当日には散歩に連れて行こうとしたら、すぐに立ち上がったものの倒れてしまったという稟告でした。

視診で、どうも舌の色が異常に薄いように感じましたので、飼い主様に検査の必要性をお伝えして。
まず血液検査(全血球計数と血液生化学検査)とエックス線検査を行ないました。

血液検査でまず目を引いたのは、重度の貧血です。赤血球容積が9.3%しかありません。これくらいの数字の場合、動物は酸欠で口を開いた呼吸になることも多いですが。この子の呼吸状態は正常でした。

私たち獣医師が動物の貧血を発見した時にまず考えなければならないのは。

その貧血が、悪性腫瘍とか後天性免疫機能不全などが原因で骨髄で赤血球が造られなくなって生じた「非再生性貧血」なのか?

もしくは骨髄では一生懸命に赤血球を造っているのに、出血とか血管内溶血とかで貧血が進行して行くという「再生性貧血」なのか?

ということなのであります。

そして、その見極めの決め手となるのが、血液中の若い赤血球である「網状赤血球」の絶対数です。

犬でも猫でも、網状赤血球の絶対数と貧血との関連は、ちゃんとデータがありますから。網状赤血球数をカウントすることの出来る血球計数機を持っているか?あるいは特殊染色を行なった血液塗抹標本を顕微鏡で覗いてコツコツとカウンターを使って自分で計数するのかのどちらかを行なわなければなりません。

グリーンピース動物病院の場合、アイデックスラボラトリーズという米国のメーカー製の、レーザーサイトというレーザー光線の反射を用いた全血球計数が出来る血球計数機を使用しておりますので。
貧血を発見すると同時に、網状赤血球の絶対数もプリントアウトされて来ています。

ゴンちゃんの場合、網状赤血球は1μm当たり120,5300という数字で、骨髄は貧血を改善すべく一生懸命に頑張っているということが見て取れます。

即ち、ゴンちゃんの貧血は、「再生性貧血」なのです。

再生性貧血の場合、次に考えるべき問題は。それが出血性なのか?溶血性なのか?ということですが。これも全血球計数のデータの読み取りと血液生化学で黄疸色素が上昇しているのかどうか?で判断が付きます。

この場合、溶血性貧血は間違いないという結果でした。

更に突き詰めるべきことは、溶血性貧血にも、犬の場合「バベシア原虫」の寄生に拠るものか?ヘモバルトネラ寄生に拠るものか?あるいは最初に書いた免疫介在性の溶血性貧血なのか?という問題です。

ここで血液塗抹標本を真面目に評価する必要があります。血液塗抹標本を顕微鏡で覗きもしないで貧血をうんぬんする獣医師が居たとすれば、その獣医師ははっきり言って似非獣医師であり藪であると断言しても良いと思います。

私が見た塗抹の印象としては。
まず、赤血球が大きなのや小さいのやいろいろのサイズがあることと、球状赤血球が多数見られるということです。

上の画像を見れば、赤血球のサイズがいろいろであるということはすぐに判ると思います。
球状赤血球とは、丸い赤血球の中心部の色が薄くなっていない物をそう言います。

バベシア原虫らしき像も存在はしているのですが、正直アーティファクト(人工産物)との区別がはっきりしないので自信はありません。また、ヘモバルトネラの寄生は無いと言って良いと思います。これは自信があります。

上記画像の矢印の先にある色がわずかに薄くなっている部分がバベシアか?という構造なのですが。どうもはっきりと判りません。

なお、ヘモバルトネラの寄生は、正直他の基礎疾患があって、免疫機能が低下している犬でなければ、ほとんど診たことはありません。

脾臓や肝臓の血管系の腫瘍で生じるかけらのような赤血球は存在しませんでした。

塗抹の鏡検では、球状赤血球が多数確認されましたので、獣医の教科書を紐解くと、球状赤血球の存在は免疫介在性溶血性貧血を示唆するとなってはいますが。
バベシアに似たような赤血球内の構造も見られることですし。

ここでバベシアか?溶血性か?というこの問題を解決するには、外注検査による自己免疫抗体の確認(クームス試験)とバベシアの遺伝子診断とが決め手になると思います。

もう一度採血して、全血を検査センターに送ることにしました。

ただ、検査をするのは良いのですが。結果待ちの1日とか2日の間にも病状は進行して行くことでしょうから。何とかしなければなりません。

緊急避難的処方ではありますが。バベシアの特効薬の皮下注射と、免疫介在性溶血性貧血の第1選択薬であるステロイドホルモンの免疫抑制量の皮下注射のどちらも一気に行なうことにします。

輸血はとりあえずしません。口を開けた呼吸とかのひどい酸欠症状は見られないことと、血液型の事前の検査が出来ていないことがその理由です。

血液型の検査は、健康な時に前もって実施して置くのが正しいやり方で。こんなひどい貧血になってから慌ててやっても、少なくとも院内の検査では正確に結果が出ないことが多いです。

そんなことを言っていても、いよいよ危ないとなれば、我が院のドナー犬を務めてくれている謙ちゃんからの採血をやって、ためらい無く輸血を実施する心積りはあります。

という風に、ゴンちゃんの貧血の診断と治療は進んで行きましたが。

その夜には、ゴンちゃんは未明に輸液ラインをひどくキンクさせて、輸液が出来ない状態にしてくれました。しかも、それを直そうと試みると激しく抵抗して、悪くすると彼がショックを起こすか?私が咬まれて大怪我をするか?という感じでありました。

それでも、翌日になると、ゴンちゃんはいきなり朝食を食べてくれます。バベシアの注射か?ステロイドの注射のどちらかが?効いているのは間違いなさそうです。

入院2日目の夕方にはクームス試験の結果が帰って来まして。自己免疫抗体の存在は、確実とは言えないが怪しいと言うレベルの結果でした。
免疫介在性溶血性貧血の約3割はクームス試験陰性というセミナーの話しもありますので。陽性ならば確実で、陰性でも疑いは晴れないというところでしょう。

その間にもどんどん元気になって行って。入院3日目が終了するところで退院ということになりました。バベシアの遺伝子検査も陰性という報告がファクスされて来ましたので。診断としては免疫介在性溶血性貧血で良いと思います。

ゴンちゃんの今後の治療方針としては、ステロイドが効くのであれば、それ単独で。効きが今一つであれば、サイクロスポリンのような強力な免疫抑制剤との組み合わせを使用して。
とにかく血球容積を正常値にまで持って行って。貧血が改善したのであれば、徐々にお薬の量を減らして行って。

目標では3ヶ月後にはお薬からの離脱を図るということが、治療のゴールであります。

当然ステロイドを沢山使用しますから、最初の頃は毎週血液検査を実施して副作用のモニタリング、貧血改善の確認を行わなければなりません。

そんなことで、ゴンちゃんの貧血の治療は始まったばかりですが。ちゃんと道筋はつきましたので、頑張って治して行きたいと思います。

画像は入院3日目にして、退院を待っている猛犬ゴンちゃんの可愛らしい姿であります。

ではまた。

 

 

 

 

10/26 グリーンピースわんにゃん訪問隊活動

午後から、月に一度のわんにゃん訪問隊活動に行って来ました。

連れて行ったのは、生後2ヶ月令になるブルテリ・和犬雑の愛ちゃんと、新着ベルジアンマリノワのゴーシュの2頭です。

当院のお客様で、犬とかは連れて来なくて、ハンドラーを務めて下さるボランティアさんに、怖がりでない愛ちゃんをお願いして。私は比較的怖がりであろうゴーシュをハンドリングしました。

ゴーシュ君、最初の15分くらいは、とにかく怖かったのか?緊張しまくりで、動けない状態が続いていました。

一方の愛ちゃんは、2階ホールに着いて放されるとすぐにお年寄りの皆さんの車椅子のところに走って行って、順々に挨拶して回っていました。

そのうちに、ゴーシュの緊張も解けたように感じましたので、お年寄りのところに連れて行って、抱っこしてもらいます。

二人目のご婦人の時には、何故だか?相手との波長が合ったのか?ゴーシュ君すごくリラックス出来たようです。寝込んでしまうくらいでした。

愛ちゃんも順調にあちこちお年寄りのところを回っていて、この子は天性こんな活動に向いているのではないのか?と思ってしまうくらいでした。

 1時間の触れ合いの時間が過ぎて、ミーティングを済ませて帰りましたが。ミーティングの間子犬2頭は熟睡していました。

それなりに緊張して精神的疲労を感じていたのだと思います。

でも、何とか良い感じで過ごすことが出来ましたので、来月16日にもこの2頭を連れて参加したいと思います。

 

 

 

10/12 猫の子宮蓄膿症

今日の午前診には、一昨日からいきなり吐き始めたという猫の女の子が来院して来ました。

腹部触診では、あまりはっきりしなかったのですが、上腹部に何やら触るものがあります。

飼い主様に血液検査と腹部エックス線検査はやった方が良いと思うけれどもどうされますか?とお伺いを立てたところ、しばらく考えられてから、やって欲しいということでしたので。ひと通りの血液検査と腹部エックス線検査を実施しました。

 お腹の真ん中辺りに、真白く映るマスが見えます。

未避妊雌猫ですから子宮の病気か?あるいは腫瘍性の疾患か?というところですね。

血液検査では、全血球計数で白血球数の低下、とりわけ細菌と闘う好中球数の低下が目立った異常です。

それと、総ビリルビンがかなり上昇して、黄疸という感じですが、その割りにはGPTとかALPとかは上昇していません。

激甚な子宮の感染の比較的初期のものか?とも思いましたが。

それから先は、出来れば腹部エコー検査で確認したいところです。

飼い主様は、エコー検査と、その結果に基づいての試験的開腹を希望されました。

腹部エコー検査では、大きなマスは、多分子宮であり、膿が溜まった状態であろうという結果でした。

そんなわけで。その時点から前肢の静脈にカテーテルを留置して静脈輸液を開始し、午後に試験的開腹を行ないました。少し怖がりのところのある猫ちゃんでしたから、麻酔導入とか結構大変でした。

開けてみれば、予想通りに液体の充満して大きく腫大した子宮が出て来ました。

きちんと卵巣と子宮とを摘出して手術は無事に終了です。

摘出した子宮をちょんと突いて中身を確認すると、薄い膿でした。細菌培養と抗生物質感受性試験を行ないました。

これからしばらく静脈輸液を続けて、食欲が出ればその時点で退院させる予定ではあります。

ただ、ここ数日食べていないということで、血液生化学検査で総ビリルビンが3.0を越えているのが、随分プレッシャーです。

猫の場合、早ければ2日食べないだけで肝リピドーシスという肝臓の脂肪変性が急速に生じて最悪死亡してしまうこともあります。

手術は一応きちんと終了しましたが、今後の経過が上手く行くようまだまだ努力が必要だと思います。

 

10/11 腹筋筋層間の気腫?

午後診に来院された2才8ヶ月令のチワワの女の子ですが。

1週間前から抱っこしようとすると悲鳴を上げるとのことでした。

最初はご主人が抱っこする時に限っての悲鳴だったのが、今日は奥様が抱っこする時にもひどい悲鳴だということでの来院です。

高齢の犬でこんな稟告の場合、心臓疾患を持っていることがありますが。この子は若いです。一応胸部聴診を行ないましたが、心音呼吸音共に異常はありません。

抱っこで悲鳴ということは、抱こうとすると痛みを感じている可能性がありますので、次に胸部腹部の触診を行ないます。

胸を触る間は大丈夫でしたが、胸とお腹の境目、最後肋骨の後ろ側辺りに手が当たると、「ウッ」という感じで腹筋に力が入るのを感じました。

触診上の異常を確認するために、胸腹部のエックス線検査を行なってみました。

まず目に留まったのは、側方からの写真における気管虚脱です。興奮した時、受動喫煙の時、あるいは何にも無い時にも、時々フガフガと異常な呼吸音をする時があるそうです。

画像、矢印の先が虚脱部位なのですが、絵が小さいので判り難いかも知れません。

その次に気になったのは、腹背像における右腹壁の腹筋の筋層間に黒くエアーが侵入しているかのような陰影が見られます。

 全体的な絵では判り難いかも知れませんので、その部位を切り取って大きくしてみます。矢印の先が問題の部分です。

おそらくですが、痛みの部位はここだと思います。

身体には目立った外傷はありません。したがって怪我が原因で空気が入り込んだものではなさそうです。

また、元気食欲には異常は感じられないということです。

さて?このエアー?は何処から来たのでしょうか?

胸腔は、基本的に陰圧になっているはずですから、胸から来たものではないと思います。

後は?何?さて。

正直よく判らないので、気管虚脱のコントロールのための気管支拡張剤と、非ステロイド性消炎鎮痛剤は処方しましたが。

飼い主様が帰ってからもう一度カルテを見直していると。
もしかして嫌気性菌に利く抗菌剤をお出しするべきだったかも知れません。

そう考え直して、飼い主様に電話連絡をして、嫌気性菌に利くであろう抗菌剤を追加で処方しました。
飼い主様には泥縄的な対応で申し訳ないことであります。

一応これで1週間経過を追ってみようかと思っていますが。経過が悪ければ途中で更なる対応をしなければならないかも知れません。

さて、どうなることか?これから気が抜けません。

 

10/06 放鳥、去勢、毛刈り

今日の午前診は、かなり閑でした。
世間では3連休で、今日がその初日ですから、わんにゃんの飼い主様たちはいろいろと多忙なことと思います。

昨日保護されて、給餌しながら様子を見ていたキビタキ雌?はすごく元気になりまして。朝一番給餌しようと、若手の動物看護師さんがケージのドアを開けると飛び出してしまい、怪我無く回収するのに少し手間取りました。

看護師さんには、決して油断しないようにと強く注意した次第です。動物相手に看護をしようと思えば、何をするにしても起こり得る危険性を予測しながら、常に適切に対処出来るよう備えを怠ってはならないと思います。

回収したキビタキ雌はミルワームの喰い付きも良好でして、ブドウ糖の飲みっぷりも大丈夫でしたから、囚われの身の上が続いて却って変なことにならないうちにと思いまして。

午前診が済んですぐに、近くの大きな公園に連れて行って放鳥しました。

自動車のバックドアを開けて、ケージを出して、ケージのドアを開けてやると元気に飛んで行ってしまいました。

無事に生き延びて、来年には繁殖も出来たら良いと思います。

午後の1時から3時までの2時間の間に、今日は若い柴犬の去勢手術と、チンチラ猫の皮膚病に関連した毛玉取りの処置とを行ないました。

柴犬の方は、その飼い主様にとっては2頭目の柴犬だそうですが、先代の子はすごく聞き分けが良くって賢い犬だったそうです。

今日の2代目君は、先代ほど聞き分けが良くないらしく、結構難しいみたいでした。特に食事中には近くに人間が居るとひどく唸って威嚇しながら食べるようなことらしいです。

そんな場合には、まず空の食器を犬の前に置いて、食事は人間の手で一握りずつ小刻みに食器に入れて食べさせるようにして、人間の手イコール食事を与えてくれる存在という意識を植え付けるようにとアドバイスさせていただきました。

今回の去勢手術で性格が付き合いやすいものになることを祈念しております。

チンチラ猫の去勢の方は、昨日背中に皮膚炎を生じてひどく掻いているという稟告で来院されたものでして。

皮膚炎と同時に全身を覆う毛玉がすごい子でした。

昨日から内服薬と注射で皮膚炎は治療してやって、蚤に関してはこの春にお渡ししてあるレボリューションという滴下剤をしっかり使うようお伝えして。

今日は去勢手術の後、鎮静剤の注射を行なって抵抗出来ないようにしてから丸刈りにして差し上げました。

出来上がりはなかなか良い感じでした。

ただ、これからのこともありますので。飼い主様にはエリザベスカラーを買い取っていただいて。
猫の爪切りから保定、日常の毛玉取りというか、コーミングについて一応のお話しはさせていただきました。

来年もこんなことをしないでも済むように祈っております。

午後診はボチボチの来院で、でもこのブログを書く時間もしっかりありましたので、やはり閑だったですね。

そう言えば、大阪府立大学に紹介させていただいた、原疾患がアジソン氏病で、ひどい貧血になってしまったマルチーズが、来院して来てました。

府立大学の内科の若くてしっかりとした先生の診立てでは、アジソン氏病に加えて、免疫介在性の非再生性 貧血、ネフローゼ症候群、腸のリンパ管拡張症と4つも病気を抱えている状態だということでしたので、何とか大学と連絡を取りながら上手く治して行きたいと考えていますが。さて、どんな反応を示してくれますかどうか?

一応今日も診療時間が終了したようです。今日はこれで失礼いたします。

 

 

10/05 多分キビタキ雌

午前診開始後少しして小鳥が持ち込まれました。

動物病院から県道を2キロほど南に下ったところにあるペットショップの入り口すぐの地面に落ちて横たわっていたそうです。

小さな紙箱に入れられている小鳥は、一応意識はちゃんとしてますし。骨折とかも無さそうです。
しかし、仔細に見ていると、左の眼球の中に出血が見つかりました。

応急処置として、20%グルコースを点眼瓶から飲ませます。

一見ウグイスにも見えましたが、眉のところの色の薄い斑が見当たりません。体重はわずかに15グラム。嘴の先から尾羽の先端までの長さは12センチか13センチくらいです。

鳥の図鑑をいろいろ見ていて、かろうじて該当しそうな種類は、キビタキの雌ということになりました。

小鳥用のケージに移します。

人間が近づくと逃げようとしてひどく暴れます。野生の小鳥は、治療も難しいところがありますが。どちらかというと囚われの身になったストレスで急死することが非常に多いですから、今後の経過が心配です。

種類としては昆虫を主に食べるのですが、木の実も食べるみたいです。

ミルワームという、ペットショップで販売している昆虫食の動物用の生き餌を強制給餌して、水分補給の意味合いも込めて20%グルコースも点眼瓶から強制的に飲ませました。

1日に5回とか6回とか、虫を食べさせてグルコースを飲ませて、水はケージの中の水入れに入れて置いて。

特に外傷も無いですから、感染予防も考えなくて良いと思いますし、意識もしっかりしていますのでステロイドとかの投薬も不要だと思います。

1日か2日給餌して元気であれば早目に放鳥する方が結果としては良いのではないかと考えているところであります。

 

 

09/28 グリーンピースわんにゃん訪問隊活動

第4金曜日の午後は、普通グリーンピースわんにゃん訪問隊の活動日です。

今日も、老人ホーム鶴林園に行って来ました。

今日のお供は、ブルテリ・新田犬雑の愛ちゃんです。生後38日くらいになっています。

愛ちゃんは、生後11日目から私が哺乳して育てているのですが。物怖じしない大人しい良い子だと思います。

訪問前に園の庭で排泄をさせる時に、他の犬に一発かまされてすごくビビッてましたが。

実際に園の2階ホールに上がって訪問を始めると、お年寄りに抱っこされて大人しくしてました。

そのうちに眠くなったのか、寝てしまう始末です。

今日の訪問は、お年寄りたちの円陣を幾分小さめに配列して、訪問ボランティアや動物たちとお年寄りたちとの距離感を短く感じるようにしてみたそうです。

全体的な雰囲気はすごく良かったと思います。


でも、今日はこの活動が始まってからずうっとほとんど休まずに参加して下さったシェリーちゃんご一家が、先日シェリーちゃんがとうとう16才と10日くらいで亡くなってしまったということで 、ご挨拶に見えられてました。

最後のミーティングでご主人がスピーチをされた時には、しみじみとした気持ちになりました。

この活動も、14年くらいになりましたか?いつまでも頑張って続けて行きたいものであります。