兵庫県加古川市|グリーンピース動物病院 の 院長ブログ

院長ブログ

11/11 チンチラ猫の真菌性皮膚炎?

11月2日に、久し振りに来院のあった1才になる去勢チンチラ猫のシエル君ですが。

両側足底部という比較的珍しい部位に皮膚炎が出来ていまして、化膿していました。

細菌培養と抗生物質感受性試験は実施したのですが。ちょっと気になりましたので、真菌培養の培地であるダーマキットという培地を使用して、炎症部位の毛を材料にカビの培養も実施してみました。

細菌培養と抗生物質感受性試験は、普通翌日には結果が出ますので、その結果に基づいて細菌を殺すお薬の投薬を9日間ほど実施してみました。

その結果は、それなりに治ってはいるのですが。どうもその治り方が期待したほどでもないという感じです。

検査結果が出るのに少々時間のかかるダーマキットの培地を確認してみると、カビがしっかり生えていて、そのカビの周囲の培地の色が赤く変化しています。

そうなのです。ダーマキットでカビを培養して、カビが生えた上に培地の色が赤変した場合、生えたカビには病原性があると考えて良いのです。

その結果から、カビを殺す内服薬と、カビを殺す作用の強いシャンプーを処方しましたが。さて、どうなりますか?

一応獣医としては良い結果が出ることを期待しております。

 

 

11/08 マルチーズの免疫介在性溶血性貧血

表題の免疫介在性溶血性貧血とは、自分の免疫抗体が自分自身の肉体を攻撃してしまうという、自己免疫性疾患の一種であります。

例えて言えば、自衛隊が自国民を攻撃するようになったという、悲しい病気なのですが。

狂った免疫機能がターゲットにする相手が赤血球の場合、免疫介在性溶血性貧血ということになりますし、皮膚組織の場合天疱瘡という病気になります。免疫機能が間違ってターゲットにしてしまう相手は、その他にも関節軟骨であるとか、甲状腺組織であるとか、腸管であるとか、いろいろ様々です。

そして、免疫介在性溶血性貧血でも、診断が特に難しいのは、先月に大学病院に診断を依頼した病気で、昔赤芽球癆と呼んでましたが、今でもそうなのか?骨髄の中で育って来て、今まさに循環血液中に出て行こうとしている若い赤血球が、自分の免疫で壊されてしまうという病気であります。この場合には、骨髄の生検と病理診断が必須になります。

この度診察した10才8ヶ月令のマルチーズの男の子の場合、来院まで4日か5日間突然食欲がほとんど消失してしまうという症状が出て、来院当日には散歩に連れて行こうとしたら、すぐに立ち上がったものの倒れてしまったという稟告でした。

視診で、どうも舌の色が異常に薄いように感じましたので、飼い主様に検査の必要性をお伝えして。
まず血液検査(全血球計数と血液生化学検査)とエックス線検査を行ないました。

血液検査でまず目を引いたのは、重度の貧血です。赤血球容積が9.3%しかありません。これくらいの数字の場合、動物は酸欠で口を開いた呼吸になることも多いですが。この子の呼吸状態は正常でした。

私たち獣医師が動物の貧血を発見した時にまず考えなければならないのは。

その貧血が、悪性腫瘍とか後天性免疫機能不全などが原因で骨髄で赤血球が造られなくなって生じた「非再生性貧血」なのか?

もしくは骨髄では一生懸命に赤血球を造っているのに、出血とか血管内溶血とかで貧血が進行して行くという「再生性貧血」なのか?

ということなのであります。

そして、その見極めの決め手となるのが、血液中の若い赤血球である「網状赤血球」の絶対数です。

犬でも猫でも、網状赤血球の絶対数と貧血との関連は、ちゃんとデータがありますから。網状赤血球数をカウントすることの出来る血球計数機を持っているか?あるいは特殊染色を行なった血液塗抹標本を顕微鏡で覗いてコツコツとカウンターを使って自分で計数するのかのどちらかを行なわなければなりません。

グリーンピース動物病院の場合、アイデックスラボラトリーズという米国のメーカー製の、レーザーサイトというレーザー光線の反射を用いた全血球計数が出来る血球計数機を使用しておりますので。
貧血を発見すると同時に、網状赤血球の絶対数もプリントアウトされて来ています。

ゴンちゃんの場合、網状赤血球は1μm当たり120,5300という数字で、骨髄は貧血を改善すべく一生懸命に頑張っているということが見て取れます。

即ち、ゴンちゃんの貧血は、「再生性貧血」なのです。

再生性貧血の場合、次に考えるべき問題は。それが出血性なのか?溶血性なのか?ということですが。これも全血球計数のデータの読み取りと血液生化学で黄疸色素が上昇しているのかどうか?で判断が付きます。

この場合、溶血性貧血は間違いないという結果でした。

更に突き詰めるべきことは、溶血性貧血にも、犬の場合「バベシア原虫」の寄生に拠るものか?ヘモバルトネラ寄生に拠るものか?あるいは最初に書いた免疫介在性の溶血性貧血なのか?という問題です。

ここで血液塗抹標本を真面目に評価する必要があります。血液塗抹標本を顕微鏡で覗きもしないで貧血をうんぬんする獣医師が居たとすれば、その獣医師ははっきり言って似非獣医師であり藪であると断言しても良いと思います。

私が見た塗抹の印象としては。
まず、赤血球が大きなのや小さいのやいろいろのサイズがあることと、球状赤血球が多数見られるということです。

上の画像を見れば、赤血球のサイズがいろいろであるということはすぐに判ると思います。
球状赤血球とは、丸い赤血球の中心部の色が薄くなっていない物をそう言います。

バベシア原虫らしき像も存在はしているのですが、正直アーティファクト(人工産物)との区別がはっきりしないので自信はありません。また、ヘモバルトネラの寄生は無いと言って良いと思います。これは自信があります。

上記画像の矢印の先にある色がわずかに薄くなっている部分がバベシアか?という構造なのですが。どうもはっきりと判りません。

なお、ヘモバルトネラの寄生は、正直他の基礎疾患があって、免疫機能が低下している犬でなければ、ほとんど診たことはありません。

脾臓や肝臓の血管系の腫瘍で生じるかけらのような赤血球は存在しませんでした。

塗抹の鏡検では、球状赤血球が多数確認されましたので、獣医の教科書を紐解くと、球状赤血球の存在は免疫介在性溶血性貧血を示唆するとなってはいますが。
バベシアに似たような赤血球内の構造も見られることですし。

ここでバベシアか?溶血性か?というこの問題を解決するには、外注検査による自己免疫抗体の確認(クームス試験)とバベシアの遺伝子診断とが決め手になると思います。

もう一度採血して、全血を検査センターに送ることにしました。

ただ、検査をするのは良いのですが。結果待ちの1日とか2日の間にも病状は進行して行くことでしょうから。何とかしなければなりません。

緊急避難的処方ではありますが。バベシアの特効薬の皮下注射と、免疫介在性溶血性貧血の第1選択薬であるステロイドホルモンの免疫抑制量の皮下注射のどちらも一気に行なうことにします。

輸血はとりあえずしません。口を開けた呼吸とかのひどい酸欠症状は見られないことと、血液型の事前の検査が出来ていないことがその理由です。

血液型の検査は、健康な時に前もって実施して置くのが正しいやり方で。こんなひどい貧血になってから慌ててやっても、少なくとも院内の検査では正確に結果が出ないことが多いです。

そんなことを言っていても、いよいよ危ないとなれば、我が院のドナー犬を務めてくれている謙ちゃんからの採血をやって、ためらい無く輸血を実施する心積りはあります。

という風に、ゴンちゃんの貧血の診断と治療は進んで行きましたが。

その夜には、ゴンちゃんは未明に輸液ラインをひどくキンクさせて、輸液が出来ない状態にしてくれました。しかも、それを直そうと試みると激しく抵抗して、悪くすると彼がショックを起こすか?私が咬まれて大怪我をするか?という感じでありました。

それでも、翌日になると、ゴンちゃんはいきなり朝食を食べてくれます。バベシアの注射か?ステロイドの注射のどちらかが?効いているのは間違いなさそうです。

入院2日目の夕方にはクームス試験の結果が帰って来まして。自己免疫抗体の存在は、確実とは言えないが怪しいと言うレベルの結果でした。
免疫介在性溶血性貧血の約3割はクームス試験陰性というセミナーの話しもありますので。陽性ならば確実で、陰性でも疑いは晴れないというところでしょう。

その間にもどんどん元気になって行って。入院3日目が終了するところで退院ということになりました。バベシアの遺伝子検査も陰性という報告がファクスされて来ましたので。診断としては免疫介在性溶血性貧血で良いと思います。

ゴンちゃんの今後の治療方針としては、ステロイドが効くのであれば、それ単独で。効きが今一つであれば、サイクロスポリンのような強力な免疫抑制剤との組み合わせを使用して。
とにかく血球容積を正常値にまで持って行って。貧血が改善したのであれば、徐々にお薬の量を減らして行って。

目標では3ヶ月後にはお薬からの離脱を図るということが、治療のゴールであります。

当然ステロイドを沢山使用しますから、最初の頃は毎週血液検査を実施して副作用のモニタリング、貧血改善の確認を行わなければなりません。

そんなことで、ゴンちゃんの貧血の治療は始まったばかりですが。ちゃんと道筋はつきましたので、頑張って治して行きたいと思います。

画像は入院3日目にして、退院を待っている猛犬ゴンちゃんの可愛らしい姿であります。

ではまた。

 

 

 

 

10/26 グリーンピースわんにゃん訪問隊活動

午後から、月に一度のわんにゃん訪問隊活動に行って来ました。

連れて行ったのは、生後2ヶ月令になるブルテリ・和犬雑の愛ちゃんと、新着ベルジアンマリノワのゴーシュの2頭です。

当院のお客様で、犬とかは連れて来なくて、ハンドラーを務めて下さるボランティアさんに、怖がりでない愛ちゃんをお願いして。私は比較的怖がりであろうゴーシュをハンドリングしました。

ゴーシュ君、最初の15分くらいは、とにかく怖かったのか?緊張しまくりで、動けない状態が続いていました。

一方の愛ちゃんは、2階ホールに着いて放されるとすぐにお年寄りの皆さんの車椅子のところに走って行って、順々に挨拶して回っていました。

そのうちに、ゴーシュの緊張も解けたように感じましたので、お年寄りのところに連れて行って、抱っこしてもらいます。

二人目のご婦人の時には、何故だか?相手との波長が合ったのか?ゴーシュ君すごくリラックス出来たようです。寝込んでしまうくらいでした。

愛ちゃんも順調にあちこちお年寄りのところを回っていて、この子は天性こんな活動に向いているのではないのか?と思ってしまうくらいでした。

 1時間の触れ合いの時間が過ぎて、ミーティングを済ませて帰りましたが。ミーティングの間子犬2頭は熟睡していました。

それなりに緊張して精神的疲労を感じていたのだと思います。

でも、何とか良い感じで過ごすことが出来ましたので、来月16日にもこの2頭を連れて参加したいと思います。

 

 

 

10/22 主従共に快癒

シーズのかん太君は、もう12才になりますが。生後1才の頃に肝障害を患って、その管理をして来たというのはありますが。それ以外はこれまで特段の疾患は無くて過ごして来ました。

この家族は、もう20年近くも通って来ていただいてまして。先代のワンコは、牡犬がカンチ君、牝犬がリカちゃんと言って、東京ラブストーリーがネタかな?と思いつつ、診療して来た記憶があります。

このお家の二人のお嬢様も、いつしか成人、ご結婚されて、お孫さんにも恵まれ幸せにお過ごしだということでした。

しかし、先日、もう2週間ちょっと前の10月6日のことですが。
かん太君が、前日にトリミングに行った直後から、急に呼吸が苦しくなって、食欲が無くなってしまったという稟告で来院されました。

聴診してみると、心雑音がニューヨーク心臓病協会だったか?の基準だと思いますが。6分の2の強度の全収縮期性心雑音が聴取されます。

飼い主様に呼吸器症状とか何か無かったのか?と訊いてみれば、1年以上前から咳をしていたという話しです。

一応、呼吸循環器系の問題に限って、胸部エックス線検査と心エコーを実施してみました。

エックス線検査では、心臓の外形が明らかにおかしい形状で、右側に突出したような形になっています。肺野には肺水腫のような像は、はっきりとは確認出来ません。

心エコー図検査では、左心室と左心房を区切っている僧房弁というバルブの部分で逆流が生じていました。心臓腫瘍についてははっきりとは確認出来ませんでした。

飼い主様には、心臓の右側の形状がおかしく見えるについては、心臓腫瘍か?その部分の肺炎か?肺の腫瘍か?あたりの可能性があることをお伝えして、投薬はACE阻害剤、ピモベンダン、利尿剤、抗生物質などを処方しました。

飼い主様のご意向は、仮に心臓腫瘍とか肺の腫瘍とかの場合、開胸手術をやってどうこうということまではするおつもりは無いということでした。

3日後の10月9日再来院の時には、咳の症状は少し改善しているということでしたが、食欲がかなり低下してしまっていて、元気が無い。飲水はそれなりにあるということでした。

血液検査を行なってみたところ、著しい高コレステロール血症、軽度の肝障害、尿素窒素の上昇が気になるところでした。

高コレステロール血症については、甲状腺機能の検査を外注で実施すると共に、見切りで甲状腺ホルモンを処方しました。
食べないについては、焼け石に水かも知れませんが、皮下輸液を実施し、その他は前の継続で処方します。

甲状腺の検査結果は数日後に帰って来ましたが。FT4という項目が正常値よりも低下しているという結果でした。

しかし、10月15日に再来院した時には、それまでは少しずつでも何とか食べていたが、いよいよ食べることが出来なくなったということです。

今までの処方に追加で、ぺリアクチンという食欲増進効果の副作用のある抗ヒスタミン剤を処方してみました。

飼い主様には、もしかすると、いよいよ駄目かも知れませんとお伝えしました。

ところで、この飼い主様は、話しをしていると、以前からひどい頸部痛に悩まされているということでした。
余りにも痛みが辛いので、近所の整形外科にて局所麻酔薬のブロック注射をしてもらうそなのですが、最初はよく利いていた注射が、最近はそう利かなくなってしまっているという、非常に気の毒なお話しであります。

私は人間の痛みとかについては素人ですが。お話しを聴いていると、もしかして、私が月に一度お世話になっている広島県は尾道市の前岡治療院の前岡院長先生だったらこの飼い主様の苦しみを軽減出来るかも知れないと思いました。

前岡先生のことをお話ししてみると、是非とも紹介して欲しいということですから、治療院の住所と電話番号をお伝えした次第であります。

さて本日、久し振りにかん太君の来院がありまして。

先週金曜日辺りから急に元気が回復して来て、食欲も増進し。散歩をせがむまでになったということでした。

正直もう駄目か?と思っておりましたので。非常に嬉しかったです。

そして、頸部痛のひどかった飼い主様も、先週木曜日に前岡治療院にかかると、施術の後、それまでひどかった痛みが嘘のように消失したと、嬉しそうに報告をいただきました。

飼い主様の頸部痛が治癒した翌日にかん太君が劇的に回復したのも、不思議なタイミングです。

飼い主様の喜びがこちらにも伝染して参りまして。思わず涙がこぼれそうになるくらい嬉しかったことでした。

かん太君の症状については、もう少し同じ内容で投薬を続けてから、胸部エックス線検査とかを試みてみようかとお伝えしました。

そんなことで、今日は嬉しい報告でありました。

かん太君と飼い主様についてはいつまでも元気で長生き出来ますように。

ではまた。

 

 

 

 

10/21 コカプーの外耳炎と皮膚病

今日で来院3回目のアメリカンコッカースパニエルとトイプードルのミックス、いわゆるコカプーの、9才になる去勢済み男の子の話しです。

約1年前から、皮膚病と外耳炎の治療で、さる大病院にかかっていたのですが。

随分と悪化しているように思われるので、当院のHPを見られて転院して来たということでした。

治療に際して、細菌培養と薬剤感受性試験などを行なって来たのか?と訊けば。そんな検査はしたことが無いとのことであります。

皮膚病なんか、よく判らないながらにセファレキシンというお薬を内服した時に、2週間でほとんど全快という感じにまで回復して。中止したらまた調子が悪くなり。慌ててお薬を再開したら、今度は全くと言って良いほど利かなくなってしまったという話しでした。

視診してみると、皮膚も好い加減ひどい膿皮症になっていますが。最悪なのは耳で、耳道がひどく腫れて、分泌物もジュクジュクしています。

ここは何とか頑張って治して喜んでいただきたいところではありますが。耳道軟骨を触診してみると、異常にカチカチに硬くなってしまっています。慢性炎症が行き着くところまで行って、耳道軟骨にカルシウム沈着が生じて、骨化してしまっているのかも知れません。

飼い主様には、耳道軟骨が骨化するまで行っている外耳炎は、外科的に最悪は全耳道切除までやらないと完全治癒は望めないかも知れませんとお伝えして。自分のところで何処まで治ってくれるのか?一応頑張って見ましょうというお話しをしました。

コカプーちゃんにまずやったことは。皮膚と耳道と別々に細菌培養と薬剤感受性試験を行なうということです。
CTのある大きな動物病院の獣医さんから見ると子供だましのような簡単な検査ではありますが、外耳炎とか皮膚疾患には、実はこの検査が最も大きな武器となる可能性のある、私にとっては最も大切な検査なのであります。

上の画像が翌日に判定したその結果であります。

セファレキシンは、治療歴からも明らかですが。全然利かなくなってしまっていました。耳の培養をしたシャーレに生えている菌は、緑色の色素を分泌しておりますので、性質の悪い緑膿菌という薬剤耐性菌であります。

その結果から、使用する薬剤は、内服ではミノサイクリン、点自はフラジオマイシンというお薬を選択しました。

次に実施したのは、血液検査です。この年齢になって急にそんな感染症にやられて、通常の治療で悪化の一途をたどる場合、もしかすると基礎疾患として何か?免疫機能を低下させるような全身性の病気を発病している可能性があると考えるからです。

しかし、血液検査では特に免疫機能を低下させるような疾患は見つけることが出来ませんでした。

そういうわけで、治療開始して1週間が経過した本日。再来院したコカプーちゃんは、嬉しいことに皮膚も耳もびっくりするくらい改善していました。

画像ではっきりとは判らないかも知れませんが。耳道の腫れがすごく改善しておりまして。耳道の中を外から覗き込むことが可能になっているのです。

耳道を触診してみると、あれほど硬かった耳道軟骨が柔らかくなってまして。あの硬さはカルシウム沈着ではなくって単なる腫れによるものだったんだなと思われました。

皮膚の状態も、この1週間でほとんど大丈夫か?と思われるくらいに綺麗になっていました。

しかし、本当の闘いはこれからかも知れません。

もう1週間今までと同じ投薬を続けて。来週には念のために再度細菌培養と薬剤感受性試験を実施して。本当の意味で完全治癒に持って行けるように、気を引き締めて治療をして行きたいと考えております。

グリーンピース動物病院は、CTやMRIも無く。院長が飼い主様と患者様を裏切ることが出来ない性格のために代診を置くことも無い、ある意味ショボぃ小さな動物病院ではありますが。
総ては飼い主様と患者様の安心と幸せのために気合いを入れて日々の診療に打ち込んで行きたいと思って頑張ります。

ではまた。

10/18 膵炎の子と筋間気腫の子のその後

日曜日から膵炎で入院しているミニシュナのマロンちゃん。治療をしているとどんどん良くなって来ています。

今日から普通に食事も摂るようになりまして。

血液検査の結果も、ほとんどですが、問題無い状態まで改善して来ました。検査データの一部を掲載してみます。

明日の朝には静脈輸液を終わりにして、夕方には退院という予定で頑張っています。

とりあえず、助かったようで嬉しいです。

後は、再発させないように、食事管理に注意していただきたいと思います。

右脇腹の筋肉の間に気体が溜まって痛みのあったチワワのモモちゃんは、今日で投薬開始から1週間経過しました。

飼い主様は、モモちゃんを抱っこする時にすごく気を使って、脇腹に力がかからないように心掛けているということで、現在は痛がる様子は見られないとのことでした。

一応エックス線検査を行ないました。

まず全体像です。

気体が溜まっていた部分の拡大です。

念のために、1週間前に気体が溜まっていた部分の画像も掲載してみます。

 今日の写真では気体の貯留は消失している、あるいは消失しつつあるという感じでした。

もう1週間内服を続けてから、終了にしてみたいと思います。

しかし、秋が深まって来るに従って、閑になって来ましたね。経営の方面がちょっと心配です。

ではまた。

10/15 ミニチュアシュナウザーの膵炎

昨日来院されたミニチュアシュナウザーの8才の女の子ですが。

「朝からいきなり激しい嘔吐で、吐いた後ひどく震えている。それに腹部の左側が変に膨れて張っているような印象がある。」という稟告でした。

診察台の上での様子は、怖れて震えているのか?どうかは不明ですが。何となく不穏な感じを受けます。

こんな時に、詳しく血液検査とか腹部エックス線検査とかを勧めて、「あの動物病院は料金が高い。」と、そんな評判が拡がっても嫌ですが。
簡単に注射を2本か3本打って、内服薬を処方して、料金をお安く上げて、結果、重大な疾患を見落としたことになっても、それはそれで困ります。

そんなわけで。飼い主様には私の考えも正直にお伝えして、それでもちゃんと検査した方が良いような印象を受けていると説明して。

検査をさせていただくことが出来ました。

触診でも腹部エックス線検査でも、左側のお腹が膨れている感じは受けませんでしたが。
血液検査では、肝障害と黄疸にナトリウム、カリウム、クロールの低値、リパーゼの激しい上昇という結果が得られました。

電解質の低値は、あるいは激しい嘔吐による喪失かも知れません。

肝障害は、GPTやGOTの上昇が軽度ですから、あるいは膵炎に継発した2次的なものの可能性を感じます。

飼い主様には、その結果をお伝えして。膵炎の可能性が高いと説明し。東京のアイデックスラボラトリーズに膵炎の確定診断のための外注検査を依頼すると同時に、確定診断が付くまでは、膵炎という前提で入院加療する方が良いのではないか?と提案させていただきました。

飼い主様の了承を得ましたので。左前肢の橈側皮静脈という血管にカテーテルを留置して、輸液は生理食塩液にカリウムを添加したものを使用して、抗生物質2剤と痛み止め、嘔吐止めを使用して治療を開始しました。

夜間に状態を観察してみると、左腕を強く曲げるので、輸液の入りが悪くなったりしています。
少し不自由かも知れませんが。点滴用肢脚固定器という器具を装着して、肢が強く曲がってしまわないようにさせてもらいました。

明けて本日ですが。一応嘔吐は止まっているようです。
黄疸も改善傾向にあるようです。

飼い主様の面会の際に、容態を説明させていただきました。

夕方になって、アイデックスラボラトリーズからファックスで結果報告がなされました。

私の予想通り、膵炎間違いなしです。犬膵特異的リパーゼの数値が、正常値が200μg/mlのところ、1000オーバーという結果です。

丁度飼い主様のご主人が面会に来られたところでしたので、結果のコピーをお渡ししました。

その後、午後診終了前に治療効果確認のための血液検査を行なったところ、リパーゼの数値が300台にまで低下してます。肝臓の数値も軒並み改善して来てますし。黄疸も随分ましです。

何とか助かるかも知れません。

でも、油断せずにきちんと治って退院出来るよう頑張って治療します。

10/12 猫の子宮蓄膿症

今日の午前診には、一昨日からいきなり吐き始めたという猫の女の子が来院して来ました。

腹部触診では、あまりはっきりしなかったのですが、上腹部に何やら触るものがあります。

飼い主様に血液検査と腹部エックス線検査はやった方が良いと思うけれどもどうされますか?とお伺いを立てたところ、しばらく考えられてから、やって欲しいということでしたので。ひと通りの血液検査と腹部エックス線検査を実施しました。

 お腹の真ん中辺りに、真白く映るマスが見えます。

未避妊雌猫ですから子宮の病気か?あるいは腫瘍性の疾患か?というところですね。

血液検査では、全血球計数で白血球数の低下、とりわけ細菌と闘う好中球数の低下が目立った異常です。

それと、総ビリルビンがかなり上昇して、黄疸という感じですが、その割りにはGPTとかALPとかは上昇していません。

激甚な子宮の感染の比較的初期のものか?とも思いましたが。

それから先は、出来れば腹部エコー検査で確認したいところです。

飼い主様は、エコー検査と、その結果に基づいての試験的開腹を希望されました。

腹部エコー検査では、大きなマスは、多分子宮であり、膿が溜まった状態であろうという結果でした。

そんなわけで。その時点から前肢の静脈にカテーテルを留置して静脈輸液を開始し、午後に試験的開腹を行ないました。少し怖がりのところのある猫ちゃんでしたから、麻酔導入とか結構大変でした。

開けてみれば、予想通りに液体の充満して大きく腫大した子宮が出て来ました。

きちんと卵巣と子宮とを摘出して手術は無事に終了です。

摘出した子宮をちょんと突いて中身を確認すると、薄い膿でした。細菌培養と抗生物質感受性試験を行ないました。

これからしばらく静脈輸液を続けて、食欲が出ればその時点で退院させる予定ではあります。

ただ、ここ数日食べていないということで、血液生化学検査で総ビリルビンが3.0を越えているのが、随分プレッシャーです。

猫の場合、早ければ2日食べないだけで肝リピドーシスという肝臓の脂肪変性が急速に生じて最悪死亡してしまうこともあります。

手術は一応きちんと終了しましたが、今後の経過が上手く行くようまだまだ努力が必要だと思います。

 

10/11 腹筋筋層間の気腫?

午後診に来院された2才8ヶ月令のチワワの女の子ですが。

1週間前から抱っこしようとすると悲鳴を上げるとのことでした。

最初はご主人が抱っこする時に限っての悲鳴だったのが、今日は奥様が抱っこする時にもひどい悲鳴だということでの来院です。

高齢の犬でこんな稟告の場合、心臓疾患を持っていることがありますが。この子は若いです。一応胸部聴診を行ないましたが、心音呼吸音共に異常はありません。

抱っこで悲鳴ということは、抱こうとすると痛みを感じている可能性がありますので、次に胸部腹部の触診を行ないます。

胸を触る間は大丈夫でしたが、胸とお腹の境目、最後肋骨の後ろ側辺りに手が当たると、「ウッ」という感じで腹筋に力が入るのを感じました。

触診上の異常を確認するために、胸腹部のエックス線検査を行なってみました。

まず目に留まったのは、側方からの写真における気管虚脱です。興奮した時、受動喫煙の時、あるいは何にも無い時にも、時々フガフガと異常な呼吸音をする時があるそうです。

画像、矢印の先が虚脱部位なのですが、絵が小さいので判り難いかも知れません。

その次に気になったのは、腹背像における右腹壁の腹筋の筋層間に黒くエアーが侵入しているかのような陰影が見られます。

 全体的な絵では判り難いかも知れませんので、その部位を切り取って大きくしてみます。矢印の先が問題の部分です。

おそらくですが、痛みの部位はここだと思います。

身体には目立った外傷はありません。したがって怪我が原因で空気が入り込んだものではなさそうです。

また、元気食欲には異常は感じられないということです。

さて?このエアー?は何処から来たのでしょうか?

胸腔は、基本的に陰圧になっているはずですから、胸から来たものではないと思います。

後は?何?さて。

正直よく判らないので、気管虚脱のコントロールのための気管支拡張剤と、非ステロイド性消炎鎮痛剤は処方しましたが。

飼い主様が帰ってからもう一度カルテを見直していると。
もしかして嫌気性菌に利く抗菌剤をお出しするべきだったかも知れません。

そう考え直して、飼い主様に電話連絡をして、嫌気性菌に利くであろう抗菌剤を追加で処方しました。
飼い主様には泥縄的な対応で申し訳ないことであります。

一応これで1週間経過を追ってみようかと思っていますが。経過が悪ければ途中で更なる対応をしなければならないかも知れません。

さて、どうなることか?これから気が抜けません。

 

10/06 放鳥、去勢、毛刈り

今日の午前診は、かなり閑でした。
世間では3連休で、今日がその初日ですから、わんにゃんの飼い主様たちはいろいろと多忙なことと思います。

昨日保護されて、給餌しながら様子を見ていたキビタキ雌?はすごく元気になりまして。朝一番給餌しようと、若手の動物看護師さんがケージのドアを開けると飛び出してしまい、怪我無く回収するのに少し手間取りました。

看護師さんには、決して油断しないようにと強く注意した次第です。動物相手に看護をしようと思えば、何をするにしても起こり得る危険性を予測しながら、常に適切に対処出来るよう備えを怠ってはならないと思います。

回収したキビタキ雌はミルワームの喰い付きも良好でして、ブドウ糖の飲みっぷりも大丈夫でしたから、囚われの身の上が続いて却って変なことにならないうちにと思いまして。

午前診が済んですぐに、近くの大きな公園に連れて行って放鳥しました。

自動車のバックドアを開けて、ケージを出して、ケージのドアを開けてやると元気に飛んで行ってしまいました。

無事に生き延びて、来年には繁殖も出来たら良いと思います。

午後の1時から3時までの2時間の間に、今日は若い柴犬の去勢手術と、チンチラ猫の皮膚病に関連した毛玉取りの処置とを行ないました。

柴犬の方は、その飼い主様にとっては2頭目の柴犬だそうですが、先代の子はすごく聞き分けが良くって賢い犬だったそうです。

今日の2代目君は、先代ほど聞き分けが良くないらしく、結構難しいみたいでした。特に食事中には近くに人間が居るとひどく唸って威嚇しながら食べるようなことらしいです。

そんな場合には、まず空の食器を犬の前に置いて、食事は人間の手で一握りずつ小刻みに食器に入れて食べさせるようにして、人間の手イコール食事を与えてくれる存在という意識を植え付けるようにとアドバイスさせていただきました。

今回の去勢手術で性格が付き合いやすいものになることを祈念しております。

チンチラ猫の去勢の方は、昨日背中に皮膚炎を生じてひどく掻いているという稟告で来院されたものでして。

皮膚炎と同時に全身を覆う毛玉がすごい子でした。

昨日から内服薬と注射で皮膚炎は治療してやって、蚤に関してはこの春にお渡ししてあるレボリューションという滴下剤をしっかり使うようお伝えして。

今日は去勢手術の後、鎮静剤の注射を行なって抵抗出来ないようにしてから丸刈りにして差し上げました。

出来上がりはなかなか良い感じでした。

ただ、これからのこともありますので。飼い主様にはエリザベスカラーを買い取っていただいて。
猫の爪切りから保定、日常の毛玉取りというか、コーミングについて一応のお話しはさせていただきました。

来年もこんなことをしないでも済むように祈っております。

午後診はボチボチの来院で、でもこのブログを書く時間もしっかりありましたので、やはり閑だったですね。

そう言えば、大阪府立大学に紹介させていただいた、原疾患がアジソン氏病で、ひどい貧血になってしまったマルチーズが、来院して来てました。

府立大学の内科の若くてしっかりとした先生の診立てでは、アジソン氏病に加えて、免疫介在性の非再生性 貧血、ネフローゼ症候群、腸のリンパ管拡張症と4つも病気を抱えている状態だということでしたので、何とか大学と連絡を取りながら上手く治して行きたいと考えていますが。さて、どんな反応を示してくれますかどうか?

一応今日も診療時間が終了したようです。今日はこれで失礼いたします。