兵庫県加古川市|グリーンピース動物病院 の 2014 1月 20
院長ブログ

日別アーカイブ: 2014年1月20日

続けて子宮蓄膿症

先日子宮蓄膿症が久し振りに来院したとの記事を書きましたが。

今日も犬の子宮蓄膿症の来院がありました。

今日の子は、今日が10才の誕生日だというミニチュアシュナウザーです。

1月3日から発情が始まったらしいですが。出血量が多いように感じられて。
1月18日から食欲が低下し。昨日19日にはフラつきだしたということで。いろいろネットで検索して当院にヒットして来院を決断されたということでした。

今回も子宮蓄膿症がまず疑われますので。腹部エコー検査を最初にやりまして。

子宮蓄膿症に特徴的な画像を得ることが出来ました。

飼い主様も随分予習をして来られたようで。なるべく早期の手術を希望されますので。
手術前提の血液検査、胸部腹部のエックス線検査を実施します。

ヘマトクリット値14%というかなりの貧血が判明しました。C反応性蛋白の高値とか白血球数、好中球数の高値は当然に存在してました。

ヘマトクリット14%は、麻酔のリスクファクターになりますので。当院に毎日私のお供で出勤しているベルジアン・マリノワのゴーシュから採血して輸血を実施することにしました。

ゴーシュの血液型は、DEA1.1(+)でして。この子も検査してみると(+)と判明しました。

昼前から輸血を200ミリリットルほど行ったところ、舌の色も随分改善して、かなり良い感じになりました。

ここで、麻酔導入を開始し。気管挿管、各種モニターの装着、静脈輸液を行ないながら、術野の毛剃り、消毒。術者&助手の手洗い滅菌手術衣の装着など準備を整えて。

速攻で子宮と卵巣の摘出を行ないました。

手術は速やかに終了し。麻酔からの覚醒も順調でした。

摘出した子宮は、通常よりもはるかに腫大してまして。

切開してみると膿が大量に出て来ます。

出て来た膿については細菌培養と薬剤感受性試験を行ない。明日以降はその結果に基づいた抗生物質を投薬することになります。

この子は、早ければ明日には退院出来ることと思います。

今日は頑張って元気な血液を提供してくれたゴーシュに感謝しています。今夜は御馳走を食べさせてやろうと思います。

ではまた。