兵庫県加古川市|グリーンピース動物病院 の 未去勢牡犬の会陰ヘルニア
院長ブログ

未去勢牡犬の会陰ヘルニア

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会陰ヘルニアとは、肛門の横の会陰部というところの筋肉が萎縮したりして弱くなって腹圧に耐えられなくなり、腸管とか膀胱のような腹腔臓器が皮下に脱出する、いわゆる「脱腸」の一形態です。

前回、年末か年明けに高齢雑種犬で会陰ヘルニアと鼠径ヘルニアの併発例の手術を紹介しましたが。
今回の子は、6才のパピヨンの男の子でした。

会陰ヘルニアは、圧倒的に未去勢牡犬に発生する病気で。整復手術をする際に去勢をしないと再発率が有意に高いと言われています。

精巣から分泌される男性ホルモンが、肛門周囲の筋肉群に抑制的に働くのかも知れません。

画像の赤い矢印の辺りがヘルニアで膨れている部分です。

会陰部が膨れたのに気が付いたのは来院の1週間前だったそうです。膨れるだけでなく排便困難も生じつつあって、トイレでいきむけれども便が出ないことが再々あると言われてました。

腹部エックス線検査の画像ですが。赤い矢印の辺りが肛門から出し切れなくて溜まっている糞便です。

この会陰ヘルニアは手術適応であると説明して、飼い主様には納得していただき。
術前検査として、血液検査ひと通り、胸部エックス線検査、心電図検査、血液凝固系検査を実施し。初診から4日目の今日、手術に臨みました。

手術前の4日間は腸管を積極的に動かすお薬と、便を柔らかくするお薬の組み合わせで排便はスムーズになっていたそうです。

朝9時からお預かりして。前腕の静脈に留置したプラスチックカテーテルからリンゲルを輸液します。

午後1時過ぎから麻酔導入を始めて。気管挿管や各種モニター類の装着が出来ると。術野の毛刈り消毒を行ないます。

ヘルニアの部分は筋肉が分離していて穴が開いている状態で。指が容易に入って行きます。

術野の消毒や術者の手洗い術衣の装着等手術の準備が整って、今から切皮にかかるところです。

手術の細かいところは省略です。実際にはいろいろありますが。会陰ヘルニアの整復手術が完了したところです。今から体位を変更して去勢手術を実施するところです。

総て終了して。回復室で休んでいるパピヨンちゃんです。2時間か3時間くらい休めば十分に元気回復しますから、当日退院してもらいます。その方が動物の心理状態が落ち着いて、結果が良好なように感じています。

というわけで。会陰ヘルニアは結構若い犬でも生じることがあるという記事でした。
去勢していれば発生率は大幅に減少するということですし、統計によると、去勢した牡犬は未去勢の牡犬よりも病気が減って長生きするという結果が出ています。

繁殖予定の無い未去勢牡犬を飼育されているかたは、去勢手術を考慮されては如何かと思います。

ではまた。