兵庫県加古川市|グリーンピース動物病院 の 日記
院長ブログ

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10/06 放鳥、去勢、毛刈り

今日の午前診は、かなり閑でした。
世間では3連休で、今日がその初日ですから、わんにゃんの飼い主様たちはいろいろと多忙なことと思います。

昨日保護されて、給餌しながら様子を見ていたキビタキ雌?はすごく元気になりまして。朝一番給餌しようと、若手の動物看護師さんがケージのドアを開けると飛び出してしまい、怪我無く回収するのに少し手間取りました。

看護師さんには、決して油断しないようにと強く注意した次第です。動物相手に看護をしようと思えば、何をするにしても起こり得る危険性を予測しながら、常に適切に対処出来るよう備えを怠ってはならないと思います。

回収したキビタキ雌はミルワームの喰い付きも良好でして、ブドウ糖の飲みっぷりも大丈夫でしたから、囚われの身の上が続いて却って変なことにならないうちにと思いまして。

午前診が済んですぐに、近くの大きな公園に連れて行って放鳥しました。

自動車のバックドアを開けて、ケージを出して、ケージのドアを開けてやると元気に飛んで行ってしまいました。

無事に生き延びて、来年には繁殖も出来たら良いと思います。

午後の1時から3時までの2時間の間に、今日は若い柴犬の去勢手術と、チンチラ猫の皮膚病に関連した毛玉取りの処置とを行ないました。

柴犬の方は、その飼い主様にとっては2頭目の柴犬だそうですが、先代の子はすごく聞き分けが良くって賢い犬だったそうです。

今日の2代目君は、先代ほど聞き分けが良くないらしく、結構難しいみたいでした。特に食事中には近くに人間が居るとひどく唸って威嚇しながら食べるようなことらしいです。

そんな場合には、まず空の食器を犬の前に置いて、食事は人間の手で一握りずつ小刻みに食器に入れて食べさせるようにして、人間の手イコール食事を与えてくれる存在という意識を植え付けるようにとアドバイスさせていただきました。

今回の去勢手術で性格が付き合いやすいものになることを祈念しております。

チンチラ猫の去勢の方は、昨日背中に皮膚炎を生じてひどく掻いているという稟告で来院されたものでして。

皮膚炎と同時に全身を覆う毛玉がすごい子でした。

昨日から内服薬と注射で皮膚炎は治療してやって、蚤に関してはこの春にお渡ししてあるレボリューションという滴下剤をしっかり使うようお伝えして。

今日は去勢手術の後、鎮静剤の注射を行なって抵抗出来ないようにしてから丸刈りにして差し上げました。

出来上がりはなかなか良い感じでした。

ただ、これからのこともありますので。飼い主様にはエリザベスカラーを買い取っていただいて。
猫の爪切りから保定、日常の毛玉取りというか、コーミングについて一応のお話しはさせていただきました。

来年もこんなことをしないでも済むように祈っております。

午後診はボチボチの来院で、でもこのブログを書く時間もしっかりありましたので、やはり閑だったですね。

そう言えば、大阪府立大学に紹介させていただいた、原疾患がアジソン氏病で、ひどい貧血になってしまったマルチーズが、来院して来てました。

府立大学の内科の若くてしっかりとした先生の診立てでは、アジソン氏病に加えて、免疫介在性の非再生性 貧血、ネフローゼ症候群、腸のリンパ管拡張症と4つも病気を抱えている状態だということでしたので、何とか大学と連絡を取りながら上手く治して行きたいと考えていますが。さて、どんな反応を示してくれますかどうか?

一応今日も診療時間が終了したようです。今日はこれで失礼いたします。

 

 

10/05 多分キビタキ雌

午前診開始後少しして小鳥が持ち込まれました。

動物病院から県道を2キロほど南に下ったところにあるペットショップの入り口すぐの地面に落ちて横たわっていたそうです。

小さな紙箱に入れられている小鳥は、一応意識はちゃんとしてますし。骨折とかも無さそうです。
しかし、仔細に見ていると、左の眼球の中に出血が見つかりました。

応急処置として、20%グルコースを点眼瓶から飲ませます。

一見ウグイスにも見えましたが、眉のところの色の薄い斑が見当たりません。体重はわずかに15グラム。嘴の先から尾羽の先端までの長さは12センチか13センチくらいです。

鳥の図鑑をいろいろ見ていて、かろうじて該当しそうな種類は、キビタキの雌ということになりました。

小鳥用のケージに移します。

人間が近づくと逃げようとしてひどく暴れます。野生の小鳥は、治療も難しいところがありますが。どちらかというと囚われの身になったストレスで急死することが非常に多いですから、今後の経過が心配です。

種類としては昆虫を主に食べるのですが、木の実も食べるみたいです。

ミルワームという、ペットショップで販売している昆虫食の動物用の生き餌を強制給餌して、水分補給の意味合いも込めて20%グルコースも点眼瓶から強制的に飲ませました。

1日に5回とか6回とか、虫を食べさせてグルコースを飲ませて、水はケージの中の水入れに入れて置いて。

特に外傷も無いですから、感染予防も考えなくて良いと思いますし、意識もしっかりしていますのでステロイドとかの投薬も不要だと思います。

1日か2日給餌して元気であれば早目に放鳥する方が結果としては良いのではないかと考えているところであります。

 

 

09/28 グリーンピースわんにゃん訪問隊活動

第4金曜日の午後は、普通グリーンピースわんにゃん訪問隊の活動日です。

今日も、老人ホーム鶴林園に行って来ました。

今日のお供は、ブルテリ・新田犬雑の愛ちゃんです。生後38日くらいになっています。

愛ちゃんは、生後11日目から私が哺乳して育てているのですが。物怖じしない大人しい良い子だと思います。

訪問前に園の庭で排泄をさせる時に、他の犬に一発かまされてすごくビビッてましたが。

実際に園の2階ホールに上がって訪問を始めると、お年寄りに抱っこされて大人しくしてました。

そのうちに眠くなったのか、寝てしまう始末です。

今日の訪問は、お年寄りたちの円陣を幾分小さめに配列して、訪問ボランティアや動物たちとお年寄りたちとの距離感を短く感じるようにしてみたそうです。

全体的な雰囲気はすごく良かったと思います。


でも、今日はこの活動が始まってからずうっとほとんど休まずに参加して下さったシェリーちゃんご一家が、先日シェリーちゃんがとうとう16才と10日くらいで亡くなってしまったということで 、ご挨拶に見えられてました。

最後のミーティングでご主人がスピーチをされた時には、しみじみとした気持ちになりました。

この活動も、14年くらいになりましたか?いつまでも頑張って続けて行きたいものであります。

09/08 庭のゴーヤ

たまには仕事ネタではない記事でもひとつ。

毎年庭でゴーヤを作っているのですが。今年も5月に4本植えまして。

最近は、ゴーヤのカーテンもしっかり茂って。

数日毎に美味しい実を収穫出来るようになりました。


ゴーヤの苗は、近くのホームセンターで「アバシゴーヤ」という名称で販売しているのを購入します。

植え付ける土は、地植えは2ヶ所に分けて、それに100リットルのポリエチレンのポットが4個あるの2個ずつに分けて、その4通りを順番に使用することにより、それぞれの土では4年に1回植え付けられるという形にして、連作障害を防いでいます。

ゴーヤは、特に肥料を多く要求して来る作物です。毎週末に化成肥料を少しずつ追肥してやっています。

毎年9月になると、ゴーヤにも飽きて、食卓のゴーヤを見るとげんなりするのですが。

今年は、私の飼い主太得子さんが、ゴーヤの佃煮というレシピを学んで来られまして。

これだけのゴーヤでも佃煮にするとそんなに嵩を感じませんので、飽きが来なくて済んでいるようなことであります。

それと、今年のゴーヤは、苦味そのものも少ないように感じます。育苗会社も毎年毎年品種改良に努めているのでしょうね。

ではまた。

 

09/03 自分の病院受診

先々週の水曜日に、神戸市内のクリニックで脳動脈瘤が出来ているから手術を受けた方が良いと言われまして。

本日紹介状とMRI画像の書き込まれたCDを持って、神戸市はポートアイランドという巨大埋立地に立地する神戸市立医療センター中央市民病院という大きな病院に受診しました。
グリーンピース動物病院は午前診は臨時休診です。皆様ご免なさい。

この病院には、神戸市で働いていた頃、何の病気でだったかは失念しましたが、昭和58年にかかった経験があります。あの頃は若かったなあ。

受け付けで票を機械から取って待つのですが。なかなか順番が来ませんでした。
何とか済ませると、首からぶら下げる機械を渡されて、脳神経外科の受診予定が12時になるから、約30分前にはこの機械に連絡するので、脳神経外科の診察室前に行くようにと言われました。

午前8時50分頃に受け付けに並んで、この時点で10時前です。時間があるので何処かに見物に行きたいのですが。さすがに本土に戻っては時間がかかり過ぎでしょう。かと言って、埋め立て地の事情には不慣れですから、通路にある空いたソファーに腰かけて持参した動物行動学の本を読むことにsました

しかし、首からぶら下げていた機械がピロピロと鳴って、もうすぐですよと言ってくれたのが午後1時40分頃。

実際に名前を呼ばれて、神の手と言われる高名な先生の診察を受けたのが2時40分頃でした。

先生は、しかし、持参した画像を見ながら。「これくらいだったら、まだ小さいし、様子を見ていても良いんじゃないかなあ?」なんて言ってます。

しかし、紹介状に書いてある家族歴に、兄、父、祖父と総て脳出血で倒れているという記載を見て。考え直してくれたみたいです。

「まだ小さいとは思いますが。家族歴が高率に脳出血を発症しているということですから。MRIよりはるかに精細な画像が取れる血管造影をして、手術の適否を判断しましょう。」

と言われました。

訊けば、血管造影は2泊3日かかる検査だそうです。

それから、入院前の血液検査、心電図検査、胸部エックス線検査を行なって、入院申込書で必要書類を記載して、料金支払いまで終わったのが午後4時10分過ぎ。

大急ぎで加古川に帰って、午後診に来られている患者様の診察を始めることが出来たのは、午後5時半をとうに回った頃でした。

待っておられた皆様、どうも済みませんでした。そして、留守を守ってくれた動物看護師さんたち、有り難うございました。

今日は、実は、私の島根県は隠岐の島の実家に預けていた佐賀県の地犬のマルが子宮蓄膿症疑いで急遽こちらに姪によって連れて来られていたのを、動物看護師さんたちに残業を命じて、緊急で手術を行なったので、普通の倍疲れました。

血管造影の検査の予定は、現在のところ全く判りません。何でも神戸市中央市民病院は、いきなり電話で「明日入院」と来るらしいです。

入院受け付けで、せめて数日前には連絡をくれるよう交渉しまして、何とか4日から5日まえには電話連絡をいただくようになりましたので、次回患者様にご迷惑をおかけするのではありますが。
混乱が生じないように手配する時間は何とか確保出来たとは思います。

しかし、それにしても、神の手先生、実は亀の手ではないことを祈念しつつ待つ日々を過ごすことであります。

08/24 グリーンピースわんにゃん訪問隊活動

第4金曜日の午後は、表題の老人訪問活動です。

なんちゃってアニマルセラピーという感じで、今日参加した訪問ボランティアは犬猫を連れないで参加した中学生の女の子も含めて10名ちょっとくらいのものでした。

今日は、校内発表の題材にこうした活動を取り上げた高校生の女子の見学もあったりしましたが。
最後のミーティングで、2列に並んだ車椅子の列の後ろの人にはわんにゃんとの触れ合いの機会が明らかに少なくて、笑顔があまり見られなかったという、初めての方ならではの鋭いご指摘もあったりして。

マンネリに陥り勝ちな気分に喝を入れられたことでありました。

また、最近の傾向では、訪問ボランティアの集合時間が、当初決めていた15分前というのが全然守られなくて、訪問開始がかなり遅れるということも、メンバーの気持ちのマンネリの現れかと思います。

しかし、それでも来てくれるだけ有り難いと思う自分も居たりして、なかなか活動規律の徹底とかは難しい面もあります。

一応私は開始15分から25分くらい前には現地に行くようにしています。

正直、自分のモーティベートについても、いつまで続けられるのか?という不安もあったりしますが。何とかかんとか続けているような ことでありまして。

毎回元気一杯とは行けませんが。とりあえず来月も頑張って行こうと思いながら、ホームを後にしたことでありました。

今日の私の気分は、先日脳動脈瘤が見つかって手術をしろとお医者様に宣告されたことなども影響しているのか?随分低調であります。

脳動脈瘤は、自覚症状も全く無くて、先月やはり動脈瘤をクリップで止める手術を受けた郷里の実兄の勧めもあったりして、5年振りに受けた脳MRI検査で見つかったものですから。
むしろラッキーと思わなければならないくらいのものでしょう。

しかし、この記事を書いている午後診がまた閑なので、気が滅入るのですが。ここで気合いの入る症例が来れば、単純な私としては元気が出るかも知れません。

 

 

08/03 紀州犬による咬傷事故

もう一月近く前の事ですが、7月の初めにグリーンピース動物病院の患者様である紀州犬が子供を咬んで大怪我をさせたということです。

事故は、飼い主様が丈夫な首輪とリードを付けた犬を連れて、お友達と立ち話しをしていたところ、そのすぐ近くを被害者の子供が自転車で通り過ぎようとしたのが、犬にとっては攻撃されたと錯覚したのでしょう。子供に咬み付いたということでした。

被害者の子供は県立のこども病院に入院していて、皮膚移植もしなければならないような状態だということです。

被害者の親御さんは、それはもうお怒りのことらしく、飼い主様とのお話し合いも大変らしいです。

当該犬は、7月19日に当院に来院されて、狂犬病検診証明書の発行を希望されました。

狂犬病検診証明書は、間に2週間の期間を挟んで2回の検診を実施し、2回共狂犬病の症状が見られない場合に発行可能だということを説明させてもらい、その日は1回目の検診証明書を発行しました。

紀州犬は、飼い主様のご希望により当院に検査入院という扱いになりました。

当初は、被害者の方からの希望で2回目の検診が終了し次第安楽死処分になる予定でした。

昨日がその2回目の検診日だったのですが。飼い主様のお話しでは、安楽死処分はとりあえず避けることが出来て、本犬は去勢手術実施の上、飼い主様の知人で犬の取り扱いに慣れた方が飼育することで折り合いがついたということでした。

そんなことで、昨日は2回目の検診も完了して、狂犬病検診証明書も完成した物を発行させていただきました。

しかし、この紀州犬、預かってみると結構大変です。

体格が体重25キロとかなり大きい上に、性格が基本的に、かなり怖がりの上に攻撃性が強い個体で、なおかつ取り扱う人間の強い弱いでひどく態度を変えるところのある、女性動物看護師にとっては非常に扱い難い犬です。

最初の頃は、ケージからドッグランへの出し入れにも素直に従っていたようですが、徐々に看護師さんたちを舐めるような態度が現れ始めて、今朝は看護師さんたちがとうとう身の危険を訴えるほどになって来ました。

そんなわけで、本日午後に当該犬の去勢手術を実施し、その後の犬の態度によっては術後のケア全般を、大型犬の取り扱いに慣れた私目が実施しようかと考えております。

穏やかな良い子になって欲しいところですが、去勢手術でどうなりますことやらです。

なお、獣医療とは直接関係は無い事かも知れませんが。犬を飼育されている方々には必ず入っていただきたいのが、個人賠償責任保険という損害保険です。

このような損害保険はいろいろな保険会社が商品を販売しているようですが。私が10数年前にしつこく各社に訊き回った結果によれば、東京海上火災という会社の個人賠償責任保険が、加入者の飼い犬が例えノーリードの状態で事故を起こした場合でも全額賠償してもらえるという返答をもらっています。
その他の保険会社では、飼い主の過失の程度によって賠償額が減額されたりするような返答でした。

東京海上の個人賠償責任保険は、数年前から単体での販売を止めていて、加入者本人の傷害保険と抱き合わせの販売で、1年間の保険料が2,400円の掛け捨てだったと記憶しております。
また、自動車保険との抱き合わせもあったと思います。

一応私も東京海上の損害賠償責任保険には加入しています。

今回の紀州犬の飼い主様は、不幸なことに保険の加入はされていなかったということで、被害者の治療費、慰謝料その他の必要経費一切合財が総て個人にかかって来るということでした。
誠に大変な事態であります。

紀州犬の去勢と術後管理は、一応8月9日までの予定でありますが、無事に終了して良い子に生まれ変わって欲しいと思います。

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