兵庫県加古川市|グリーンピース動物病院 の 2013 10月 13
院長ブログ

日別アーカイブ: 2013年10月13日

猫のつぼ型吸虫

約2週間前に保護された、生後推定で3ヶ月令になる黒猫ちゃんですが。

先週と今日、虫が出たということで連れて来られました。

どんな虫が出たか?と訊くと輪ゴムのような感じの虫だということですから。回虫ではないか?と思うのですが。実物を持って来られていないので、確証に乏しいところもあります。

保護した翌日に市販の虫下しを与えたということです。ホームセンターなどで販売されている虫下しは、事実上回虫くらいしか落とす効果を持っていませんので。猫ちゃんが排出虫はそのことからも回虫の可能性が高いと思います。

猫ちゃんはひどく痩せていて、腹部を触診してみると、異常なくらい腸管が太く硬くなっています。

便は持参していないということですから、念のために小さなスプーンを肛門から直腸内に挿入して、便を少量掻き取り、直接塗抹法で検便を行なってみました。

すると、出て来たものは、つぼ型吸虫という、自然豊かな環境で猫ちゃんに寄生する寄生虫の卵でした。

仔細に見て行くと、結構沢山の虫卵が見えたりしています。

 つぼ型吸虫は、ウィキペディアで検索すると書きかけの記事がヒットします。アドレスは以下の通りです。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A3%BA%E5%BD%A2%E5%90%B8%E8%99%AB%E7%97%87

この虫を駆除するには、瓜実状虫の駆除薬と同じお薬を、瓜実状虫を落とす時の6倍投与する必要があります。お薬には内服薬と注射薬がありますが。投与量が多いので私は注射薬を使用するようにしています。

ただ、なかなかしぶとい寄生虫でして。1回で駆虫出来ない例も見られます。その時には落ちるまで何回も駆虫をかけなければなりません。

1回で駆虫出来て元気になりますように。