兵庫県加古川市|グリーンピース動物病院 の 2014 4月
院長ブログ

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猫の歯周病処置

今日は、午後に11才避妊済み雌猫の歯周病処置をやりました。

歯周病は。人間でもそうですが。犬猫でも、歯周病の病巣から細菌が血流に乗って全身に循環して行くという怖ろしい状態になるわけで。
その結果、細菌性心内膜炎、腎盂腎炎、肝膿瘍、椎間板脊椎炎、関節炎、などなどのいろいろな部位の感染性の病気の原因となる可能性があります。

この子は、飼い主様の健康に対する意識が強く、かねてより愛猫ちゃんの歯周病について気にされていました。
先日、術前検査の代わりに当院のシニア健康診断サービスを受けて。

本日麻酔下で歯周病の処置を行なったわけです。

上顎第4前臼歯を中心に歯石が付着しています。これくらい付着するともうブラシでこすったくらいでは落ちてくれません。
上顎の犬歯は口唇の陰で判り難いでしょうが。下顎の犬歯は歯肉の後退が生じつつあります。

超音波スケーラーで歯石を落として。歯肉縁下の汚れをキュレットで除去した後。電動モーターに付けたラバーカップとポリッシングペーストで歯の表面を磨きます。画像でお判りになるかと思いますが。ラバーカップの縁を歯周ポケットに差し込むように操作して、歯肉縁下の歯の表面もなるべく滑らかになるようにします。

一応左側は完了しました。上顎犬歯の立て溝に入り込んだ黒い筋は、かなり薄くにはなりましたが。どうしても完全に除去することは困難です。ただ、これは歯の健全性をそんなに損なうものではないと考えています。

左が済めば、右側も同じようにやってから覚醒させます。

麻酔を行なうに当たっては、当然に術前のいろいろな検査をやるわけですが。シニア健康チェックサービスを活用することにより、効率良く済ませることが出来たと思います。

また、術中のモニター装着、静脈輸液、気管挿管など決して手抜きをすることなく安全第一を心掛けて丁寧に仕事をやっております。

この処置が済めば。後は自宅でのブラッシングなどの日常的なデンタルケアを頑張ってやれば、歯周病の進行は喰い止める、あるいは遅らせることが可能だと思います。

最近は、口腔内の善玉菌を増やすことにより歯周病の進行を抑えるという考え方のサプリメントも製品化されております。そういう物を補助的に使用することも良いかと考えます。

ではまた。