兵庫県加古川市|グリーンピース動物病院 の 院長ブログ

院長ブログ

キャバリア・キング・チャールス・スパニエルの僧房弁逆流症

読者の皆様の多くはご存知でしょうが。表記の犬種、略してキャバリアは、心臓の僧房弁という左心房と左心室を仕切る弁の病気が遺伝的に多発することで知られています。それも、早い子だったら4才くらいでも心雑音が聴こえるようになり、そんな子は病気の進行も非常に速くて数年で亡くなってしまいます。

今日の子は、今年13才になるキャバリアですが。この犬種には珍しく?昨年までは胸部聴診をしても心雑音は聴こえませんでした。

しかし、今年に入って春のフィラリア予防の際に、夜間に咳をするようになったという稟告がありましたので、聴診をしてみたところ、かなりはっきりと大きく全収縮期雑音が聴取されました。

飼い主様に、一度時間を取って胸部エックス線検査と心電図、心エコー図検査を実施して確定診断をしてから、お薬の内服による治療をした方が良いとお伝えして。先日お昼の休診時間に1時間ほど時間を取って検査を実施しました。

検査をしてみると、エックス線検査では胸の容積に対して心臓の体積が幾分大きくなっている感じです。

心電図検査では、そんなに大きな変化はありませんでした。

心エコー図検査では、僧房弁からの逆流がはっきり観察されます。

この図は、カラードップラーという検査の画像ですが。血液が扇形の頂点のプローブに近付くように流れると赤く映り、遠ざかるように流れると青く映るという現象を利用して、心臓の中の血液が一定方向に流れているのか?逆流により乱流が生じているのか?を見るものです。

線で囲まれている部分の上の方は左心室で。青一色になっているのは、一定方向に流れているという事ですが。下の方が赤青黄緑の賑やかなモザイク模様になっているのは、この部分で乱流が生じていることを現わしていて、ここは左心房なのです。青の部分とモザイクの部分の接合部は僧房弁であります。

つまり、この図からは、僧房弁がきちんと閉まらなくなっていて、心室が収縮する時に逆流が生じているということです。

反対側、右心室と右心房を区切っている三尖弁の評価は。

逆流はほんの少し生じているものの、そんなに気にしなければならないほどのものではないという結果でした。

次に、大動脈径と左心房径の比率を計測します。健康な犬の場合。その比は大体1対1くらいに収まるのですが。この子の場合は、画面下側のLA/Ao   1.58  という数字にあるように、大動脈径1に対して左心房径1.58と左心房が大きくなっていることが判ります。
これは、左心室収縮時に左心房に向かって逆流が生じるために左心房の圧が上昇して、結果として左心房が拡張して来ているということであります。

病気は、それなりに進行しているということですね。

以上の検査結果と、全収縮期性心雑音、夜間にする咳の症状から、初期からやや進みつつある僧房弁閉鎖不全症と診断しました。

さて、せっかくエコー検査をしていることですし。時間もありますし。飼い主様が腹部の毛を刈っても良いとの許可を下さいましたので。腹部エコー検査もサービスでさせていただくことにしまして。

肝臓をまず最初に探査してみたところ。

画面左側に黒く映っている胆嚢の右側に大きく見えているのが、ここには本来あるはずの無い腫瘤(マス)です。

嫌な物を発見してしまいました。

肝臓以外の、左右腎臓、膀胱、脾臓、副腎、腸管は異常無しでした。

飼い主様には、僧房弁閉鎖不全症であること。多分ですが、お薬でコントロール可能であり。お薬を使用すれば進行も幾分遅くすることが出来るであろうこと。
この病気の内科的治療のゴールは、動物が死んだ時であり。治療成功は、その動物が僧坊弁閉鎖不全症で死ななかったこと、及び僧房弁閉鎖不全症で苦しまなかったことをもって成功と評価するということなどを説明させてもらいました。

飼い主様は、とりあえず心臓のお薬の処方を希望されて。肝臓のマスの治療については、家族でしっかり話し合いをした上で考えるということでした。

僧房弁閉鎖不全症の治療には、外科的に僧房弁の再建をするという方法もありますし。人間だったらこの病気を発見したらさっさと手術をやってしまうことがほとんどのようですが。

手術については、相当な金額がかかるということ。心臓を開く手術ですので、それなりに危険が伴うことがあります。また、弁膜症を患う犬はキャバリア以外では大抵が高齢の場合がほとんどですから。術後にどれくらいの寿命が残されているのか?というコスパの問題も、それなりに重要かと思います。

過去に当院から、僧房弁閉鎖不全症の手術を標榜するさる高度医療センターに患者様を紹介させていただいたことがありますが。
大変残念なことに、その患者様は手術の後急変して亡くなってしまったという、大変苦い経験があります。

それからは、この病気の手術については、私も随分慎重に考えるようにしております。

多くの飼い主様は、愛犬、愛猫が永遠に生きることは不可能であるということをきちんと理解されております。そして、大切な我が子が、せめて生きている間は、苦痛無く気分良く生活出来ること。その期間がそれなりに長く続くことが最も大切な事であるというお考えをお持ちだと思います。

私は犬猫の臨床に携わる者として、飼い主様の想いを大切にして、愛犬愛猫たちが苦痛の無い快適な生活を送れるように頑張って仕事をして行きたいと考えております。

ではまた。

 

 

若齢小型犬の股関節の痛み

Leg Calve-Perthes Disease (LVPD) という病気は、生後4ヶ月令から12ヶ月令の小型犬に突然発症することがある、股関節の病気です。 原因ははっきりしていませんが。成長期に大腿骨頭に供給される血液が不足して、骨頭部が変形したり壊死したりして、猛烈な痛みを伴なうのです。 今回の子は、ワイヤーヘアードフォックステリアの男の子です。生後11ヶ月令で、1週間前から突然左後ろ肢を挙げるようになったということで来院しました。

エックス線検査では、腹背像で左股関節の大腿骨頭の変形が見られます。

画像の向かって右側に縦に長く見える太腿の骨の上の方に、骨盤に向かって突き出て、骨盤の受け皿に嵌まっている構造が、大腿骨頭です。

この大腿骨頭が、向かって右側のが左側のに比べると幅が小さく、根元に一部黒っぽくくすんだ感じになっていますのが、異常像です。

この時点で、犬種、年齢、発症のタイミング、症状、エックス線所見から、レッグ・カーブ・ペルテス病を強く疑いました。

飼い主様には、疑わしい病名を告げながら。教科書通りに非ステロイド性消炎鎮痛剤を処方しました。

1週間後の再来院時には、患肢をある程度使うようになったということですので。もう一度非ステロイド性消炎鎮痛剤をお渡しします。

ところが、再来院から4日後に。それまで順調に回復していたのが、突然に脚を拳上して全く使わなくなってしまったということで、来院されました。

エックス線検査で、大腿骨頭に何か変化が生じていないか?確認します。

左大腿骨頭の先端の丸い軟骨の部分が、はく離骨折を起こしています。

大腿骨頭の虚血性壊死によって、その部分が脆くなっているのでしょう。

こうなると、外科手術で大腿骨頭を切除するしか解決の方法はありません。私の印象ではほとんどのレッグ・カール・ペルテス病は、最終的には大腿骨頭切除術をせざるを得なくなるのです。

はく離骨折を診断した翌日に、手術を行ないました。

麻酔をかけて、術野の毛刈りを行ないます。一応骨を触る手術なので、カミソリで丹念に剃ります。
手術準備が出来て。今から切皮にかかるところです。

中途省略して。手術は終了です。

覚醒して、気管チューブを抜いて。皮下輸液をしているところです。

術後のエックス線写真です。左側、向かって右側の大腿骨頭は消失しております。

術後の注意事項としては。感染防止のための抗生物質をきちんと投与すること。術後10日から2週間で抜糸したら。非ステロイド性消炎鎮痛剤で疼痛を抑えながら、積極的に運動させて。大腿骨と骨盤の間に緩衝材となる繊維性の組織の形成を促進させてやるということです。

術後6ヶ月から1年くらいで正常に近い歩様にまで回復すると思います。

今までに私がこの手術をやった子らは全頭正常歩様になって、不自由なく元気に生活出来るようになっております。

この子も元気に歩けるようになりますように。

ではまた。

 

犬の爪の損傷

犬の爪の損傷は、意外にありふれたトラブルです。

伸び過ぎた爪は、走ったりする時に何かに引っ掛かり易く。これが折れると相当痛いようです。

ただ、折れた爪が指先から脱落してくれれば、その部分に新しい爪が生えて来て、元通りになるのですが。

爪は折れたものの。半分だけ折れて、残りはきちんと指先にくっついて残っている状態になると。


爪が伸びて、損傷部位が爪の芯の部分を通過してしまえば、神経や血管が分布しているのは爪の芯の部分だけですから、苦痛は消失するでしょうが。

爪が伸びるスピードが1日に0.3ミリくらいとすると、折れた爪による疼痛や違和感が消失するまでには、かなりの日数がかかることが多いです。

そこで、このような症例が来院した場合に、私がやらなければならないことは。折れた爪を除去して、早くに苦痛から解放してやることです。

そのやり方ですが。爪の損傷が大きくて、もう少しで脱落するという状態であって、ちょっとくらいの痛みでは心臓が止まってしまいそうにない強靭なワンコの場合だったら。
ワンコをしっかり保定してもらっておいて、鉗子とかペンチのような道具で爪を把持して、えいやあ!!で取ってしまうということも、時としてやることがあります。

この方法の利点は、全身麻酔をかけないで済むことと、料金がお安く済むということですね。

えいやあ方式が通用しそうにない損傷の程度であるとか。非常にデリケートで、強い恐怖や痛みでショックを起こすかも知れないワンコの場合には。どうしても全身麻酔をかけて、安全に処置を済ませなければなりません。

ここで私が使用する麻酔は。静脈から注入して使用するタイプで、作用時間がせいぜい10分くらいで、その後は速やかに覚醒してしまうものです。この麻酔の特徴は、少々腎臓や肝臓の状態が悪くても、また、ちょっとくらい心臓が弱くっても、比較的安全にかけることが出来るというものです。
もちろん。不測の事態に備えて、必要とあれば気管挿管とか静脈輸液が出来るようにはしておきます。

麻酔をかけて、折れた爪を除去します。同時に化膿止めの抗生物質も注射します。他の爪も随分長く伸びていましたから、爪切りも行ないます。
眠っている間に行なうことですから。ワンコは痛みや恐怖を感じることはありません。

処置が済んで、麻酔の切れる時間が来れば。ワンコは速やかに覚醒します。
注射を打ってから20分か30分も経てば、起立歩行が可能になります。

後は、明日から数日間化膿止めのお薬を内服して。露出した爪の芯が乾いてしまえば。そのうちに、忘れた頃に新しい爪が伸びて来ます。

今日の症例は。大したことではないかも知れませんが。それなりに切実な問題を取り上げてみました。

こういう簡単な症例でも、安全かつ速やかに動物の苦痛を取り除いてやることが大切だと思ってやっております。

ではまた。

 

最近来院した子犬たち

症例の紹介や解説も大切ですが。

時々、日常診療で頭も気持ちも飽和状態になってしまって、病気のことを書くのがしんどいと思うことがあります。

昨日から重症の膵炎疑いの18才猫ちゃんが入院しておりまして。夜間に数回起きて状態を診ていると、どうしても睡眠のリズムが乱れてしまいます。今日は、さすがに眠くてしようがありませんが。ここ数日来院した可愛い子犬たちを紹介してみたいと思います。

まず最初に。生後14日目のシェトランド・シープドッグの赤ちゃんです。
眼がやっと開いて来たところです。

ちいちゃくて、とても頼りなさげなのが、たまりませんね。

お母さん犬は、とても別嬪さんです。話しによると、お父さん犬もナイスな男前だそうですから。
この子も別嬪さんに育つことと思います。

次は、生後2ヶ月令のラブラドールレトリーバーの男の子です。リキという名前は、1年以上前に亡くなった先代のリキの名前を引き継いだものです。

先代のリキは、私が繁殖した犬で、それは素敵な犬でしたが。高齢になり病を得て飼い主様に見守られながら一生を終えました。

飼い主様は、先代リキが亡くなった後、どうしてもリキのことが忘れられずにいて。リキの親犬を私にお世話してくれた奈良県のブリーダーさんにお願いして。1年待った後、先代のリキそっくりな可愛い子犬がやって来たということであります。

この系統のラブは、姿形の美しさもさりながら、気性の素晴らしさが際立っております。イケメンラブに育って行くことと思います。

最後に、4ケ月令のコーギの女の子です。

この子の飼い主様は、ゴールデンレトリーバーの女の子、コーギの母娘、猫ちゃんとの賑やかな生活を楽しんでおられたのですが。年を経て犬たちは全頭亡くなってしまったのです。

わんちゃんたちが全く居なくなってしまって、寂しくなったものですから。もう一度コーギをと。迎え入れたのがこのくるみちゃんであります。

しかし、子犬はどの子も可愛いですね。見ていて飽きません。

この子たちと飼い主様たちが、これから末永く幸せに暮らしていけますように、心から祈っております。

しかし、それにしても、眠いです。膵炎疑い猫ちゃんの状態は、昨日よりも落ち着いて来ているように思われますが。これからどうなっていくのか?まだまだ予断を許しません。元気に退院出来るよう頑張ります。

ではまた。

グリーンピースわんにゃん訪問隊活動

すっかりご無沙汰しております。
4月、5月は狂犬病予防注射やフィラリア予防のシーズンですから。少しだけ余裕が無くなるのが正直なところです。

でも、不思議なことに。この時期は重病の症例がそんなに出ません。わんにゃんたちにとっては過ごしやすい良い季節だということなのでしょうね。

今日は第4金曜日ですので、いつものように特別養護老人ホーム鶴林園に犬猫幼児連れ訪問に行きました。訪問ボランティアの方もいつもの人たちばかりです。

訪問前に集合するようにと決められた午後1時45分に園の庭に行きますと。ボランティアの皆さんは大体集まっていて、犬たちを遊ばせながら談笑しておられます。

私は、久し振りに連れて来たベルジアン・マリノワのゴーシュの簡単な服従訓練とボール遊びをやりました。忙しさにかまけて、彼のトレーニングはほとんどやっていませんが。当面の紐付き服従は完璧にこなしてくれます。

ベルジアン・マリノワは、さすがに防衛訓練のエキスパートというだけあって。動物病院に出入りする業者さんのうち若い元気な人に片袖防御衣を持たせて咬ませてみると、それは、もの凄い威力の咬みを見せてくれるのがゴーシュであります。

ゴーシュはそれでも私のコントロールを完璧に受け入れてくれる素直な犬です。
ただし、私以外の人の言うことは、ほとんど適当に聞き流す程度であります。

動物病院スタッフがシャンプーをするのが困難になってしまったゴーシュを、日陰に止めた自動車に残して。午後2時過ぎから園の2階ホールで触れ合いの時間を持ちますが。あっという間に楽しい時間が過ぎて行きます。

この活動は、訪問を受けるお年寄りばかりが楽しいのではなくって、訪問に来た我々ボランティアも、犬猫幼児たちも、そしてこの活動を手助けする園のスタッフの皆さんも、全員が楽しく過ごすことの出来るということで。

自画自賛になるかも知れませんが。誰も損をしない。我慢しない。すごく有り難い活動なのであります。

この冬に産まれたコーギの赤ちゃんたちも順調に育って、車椅子のお年寄りの膝の上から床に飛び降りることが出来るようになりました。

触れ合いの時間が終わると、1階食堂で園のスタッフさんと訪問ボランティアの皆さんとでミーティングを行ないます。

今日もスタッフさんから、お年寄りの皆さんの毎日の生活の表情とこの訪問の時の表情との差とかのお話しもあり、来月もまた頑張って訪問に来ようと、心を新たにすることでした。

ミーティングが終わると、急いで動物病院に戻って、午後の診療を行ないます。

今日も楽しく過ごすことが出来ました。

ではまた。

猫の歯周病処置

今日は、午後に11才避妊済み雌猫の歯周病処置をやりました。

歯周病は。人間でもそうですが。犬猫でも、歯周病の病巣から細菌が血流に乗って全身に循環して行くという怖ろしい状態になるわけで。
その結果、細菌性心内膜炎、腎盂腎炎、肝膿瘍、椎間板脊椎炎、関節炎、などなどのいろいろな部位の感染性の病気の原因となる可能性があります。

この子は、飼い主様の健康に対する意識が強く、かねてより愛猫ちゃんの歯周病について気にされていました。
先日、術前検査の代わりに当院のシニア健康診断サービスを受けて。

本日麻酔下で歯周病の処置を行なったわけです。

上顎第4前臼歯を中心に歯石が付着しています。これくらい付着するともうブラシでこすったくらいでは落ちてくれません。
上顎の犬歯は口唇の陰で判り難いでしょうが。下顎の犬歯は歯肉の後退が生じつつあります。

超音波スケーラーで歯石を落として。歯肉縁下の汚れをキュレットで除去した後。電動モーターに付けたラバーカップとポリッシングペーストで歯の表面を磨きます。画像でお判りになるかと思いますが。ラバーカップの縁を歯周ポケットに差し込むように操作して、歯肉縁下の歯の表面もなるべく滑らかになるようにします。

一応左側は完了しました。上顎犬歯の立て溝に入り込んだ黒い筋は、かなり薄くにはなりましたが。どうしても完全に除去することは困難です。ただ、これは歯の健全性をそんなに損なうものではないと考えています。

左が済めば、右側も同じようにやってから覚醒させます。

麻酔を行なうに当たっては、当然に術前のいろいろな検査をやるわけですが。シニア健康チェックサービスを活用することにより、効率良く済ませることが出来たと思います。

また、術中のモニター装着、静脈輸液、気管挿管など決して手抜きをすることなく安全第一を心掛けて丁寧に仕事をやっております。

この処置が済めば。後は自宅でのブラッシングなどの日常的なデンタルケアを頑張ってやれば、歯周病の進行は喰い止める、あるいは遅らせることが可能だと思います。

最近は、口腔内の善玉菌を増やすことにより歯周病の進行を抑えるという考え方のサプリメントも製品化されております。そういう物を補助的に使用することも良いかと考えます。

ではまた。

 

 

 

エアデールテリアの子犬が産まれました

3月6日付けのこのブログで出産予定を紹介していた、エアデールテリアの子犬が、3月25日に産まれました。

今のところ、予約にはまだ空きがあるらしいです。

ドイツ訓練系統のエアデールテリアと一緒に人生を過ごしてみたいと思われる方は、このHPのメールもしくは、wkhtdg@hera.eonet.ne.jp 宛てご連絡下さい。

お待ちしています。

秋田犬の前立腺肥大やいろいろ

11才10ヶ月令になる秋田犬の男の子の話しです。

しばらく前から来院していますが。 外耳炎やアレルギー性を疑う皮膚炎や、軽度の肝障害などいろいろ持っているみたいです。

3月9日から、おしっこのトラブルが生じまして。頻尿と赤色尿の稟告で来院されました。

尿検査をしてみると、血尿と判明しました。赤色尿が観察された場合、血尿と血色素尿とでは想定しなければならない疾患が違うのです。

腹部エコー検査を行なってみると、膀胱内には結石とか腫瘍はありません。牡犬ですから前立腺を見るのですが。前立腺はかなり大きくなっている感じです。

前立腺のサイズを計測してみると、腹背のサイズで5.35センチメートルありました。
2週間ほど、抗生物質、止血剤、前立腺を小さくするホルモン剤で治療してみると。

2週間で5.35センチが3.38センチまで小さくなりました。当然血尿も出ていません。
今回の血尿は、前立腺肥大が大きく影響している可能性があるので。今からでも去勢手術をした方が良いとお伝えして。去勢手術を実施することになりました。

術前検査では、心電図検査で左房負荷ツープラスという評価でしたから。心エコー図検査も行ないました。
心臓が軽度に肥大していて、大動脈と左心房のサイズの比が、正常が、1.6までというところを、1.71ということです。心収縮率は21.8%でしたので。大型犬では微妙なところではありますが。拡張型心筋症の初期の疑いと判定しました。

3月29日に、去勢手術を行ないました。

画像は麻酔導入後術野の毛刈りをやっているところです。

無事に手術を終えましたが。左右の精巣の大きさに異常なくらいの差がありました。

台の上の瓶の中にある右側の丸い物体が大きい方の精巣で。左側の物体が小さい方の精巣です。小さい方の精巣は精巣を納めている袋毎摘出してあります。

飼い主様には、一応病理検査をした方が良いと思うとお伝えして。同意を得ました。

検査の結果がどういうものになるのか?腫瘍性疾患で転移が頻繁に生じるものであれば、何か対応を考えないといけないかも知れません。

それにしても、今回の血尿から精巣の異常までは、去勢手術をしていれば生じなかったものであります。

去勢手術を実施した犬とそうでない犬とでは、病気の発生率や寿命の長さにおいて、手術を実施した方が著しく有利であるというのが、現在の獣医学的常識であると確立していることでもあります。

繁殖予定の無い牡犬と暮らしておられる方々においてこの記事を読まれた方は、愛犬の去勢手術を考慮されてはいかがかとご提案させていただきます。

ではまた。

グリーンピースわんにゃん訪問隊

第4金曜日ですので。 いつもの犬猫子供連れ老人ホーム訪問ボランティアに行きました。

少し早く鶴林園に着いたので。ちょっとだけ園庭の花を見てました。

ソメイヨシノはまだ蕾です。でも、随分ほころんで来ています。開花はもうすぐですね。

枝垂れ桜は満開でした。独特の風情があって綺麗です。

桜が咲いているかと思い、近寄ってみると。どこか違うように感じられます。

花のサイズが普通の桜よりも随分大きく感じられます。記憶に間違いがなければ、アーモンドの花です。

訪問ボランティアさんたちが集まって来て。時間が来たので、園の2階ホールに上がります。

コーギの子犬ちゃんが猫ちゃんを見つめています。コーギの子犬ちゃんはすごく可愛いかったです。

お子ちゃまのカバンの中身が気になるミニシュナちゃん。子供と犬の自然な交流は、見ているお年寄りにも笑顔を誘います。

賑やかしく、楽しく、時間が過ぎて行きます。永い永い人生のほんのひとこまですが。幸せを感じることが出来ました。

1時間の訪問時間が終了して、1階食堂でミーティングをやってから、急いでお仕事に戻りました。

仕事も頑張ります。

ではまた。

毛がもつれたチンチラ猫の鎮静下毛刈り

チンチラとかペルシャのような長毛猫は、そのゴージャスな被毛が大きな魅力ではありますが。

時として、ブラッシングやコーミングなどの被毛の手入れをひどく嫌う子が居たりして。

そんな子は、毛がひどく絡まりもつれ、フェルトのような毛玉が身体全体を覆って。それが身体を締め上げて。

苦しいばかりか、毛玉の下の皮膚に炎症が生じたりして、可哀相なことになることもあります。

今回の子も、櫛やブラシを使って被毛を梳いてやることが非常に難しい子でして。
飼い主様はむしろ熱心に取り組もうとしているのですが。

結局、毛玉が出来てしまうという感じなのです。

仕方がないので。当院にて鎮静剤を使用して、毛刈りを実施することになりました。

私が使用する鎮静剤は。拮抗薬が存在してますので、何かおかしな反応が生じたら、速やかに拮抗剤を筋肉注射して醒ましてやることが出来ます。

刈っている時は、こんな感じです。

完成に近くなって来たところです。

終了したところ。

回復室で、飼い主様のお迎えを待っています。

たかが、毛刈りと思うなかれです。長毛猫ちゃんたちにとっては、毛玉の生成は非常に深刻な問題になる可能性があるトラブルなのです。

今日も無事に終わりました。

ではまた。