兵庫県加古川市|グリーンピース動物病院 の 院長ブログ

院長ブログ

01/25 グリーンピースわんにゃん訪問隊活動

毎月第4金曜日は、仕事を抜けて自分の犬を連れ、加古川市内の老人ホーム鶴林園の訪問ボランティアに参加しています。

今日のお供はベルジアン・マリノワのゴーシュだけです。ブルテリ・新田雑愛ちゃんは昨日手が足りなくてお約束の訪問前日シャンプーが出来なかったのです。

午後1時45分に老人ホームの園庭に着いて犬たちの排泄を済ませ、2時から3時まで2階のホールでお年寄りの方々との触れ合いの時間を過ごして、3時から約25分間1階食堂でスタッフミーティングを行なって散会となります。

ユリウス@素人ハンターの出猟日記

今日のゴーシュはすごくお利口でした。
車椅子のお年寄りに嬉しそうにペロペロしたり撫でてもらったり。私との咬み付きパッド引っ張りっこを皆さんにご披露したり。

最後のミーティングの時間も私の傍でお座りして静かに過ごしていました。 最近は、緊張とか嬉し過ぎたりの時のオシッコの失敗も随分減っています。

ユリウス@素人ハンターの出猟日記

自分のケージ内での失敗も、こちらがかなり気を使ってこまめに排泄の時間を作ってやるようにしたせいもあって、ほとんど大丈夫になっています。

日常の犬舎から自動車への移動とかは、当初は紐付きでも紐無しでも勝手気ままにダッシュしたりという不測の行動をやり勝ちだったのですが。最近は私の動きを見ながら随分気を使って随行するようになって来ています。

今のところは型に嵌めるような服従訓練はほとんど何もやっていません。せいぜい芸の範囲の「お座り」と「お手」くらいです。後、咬み付きパッド使用時の「持って」と「放せ」は今日何とか出来るようになって来ました。

このままあまり難しいことを教えずに、犬にいろいろ考えてもらいながら育てて行っても良いかも知れません。 少なくとも、言葉での制止とか、賞賛が、しっかり判るようになって来ていますし。かなり私に気を使いながら行動する雰囲気も出始めています。

このまま犬と会話しながらユルめに育てて行くだけでも十分私にとっての名犬に育ってしまいそうに感じています。

ユリウス@素人ハンターの出猟日記

01/25 超肥満猫の避妊手術

トラちゃんは、そろそろ8才になる女の子の猫ちゃんですが。
骨格はそんなに大きくはないのにも関わらず、肉付きが異常に良くなってしまって。

現在はどう見たって肥満という感じになってしまっています。

昨年9月にワクチン接種のために来院した際、肛門から性器にかけての部分(会陰部)が異常に汚れていたところから。
一般論で言えば、避妊手術をした方が病気になる可能性も少ないことなどをお話しして、出来ればしてあげた方が良いと思いますとお話ししました。

その際に、腹部エコー検査を希望されたのでお腹の中をエコーで覗いて見たところ。
どう見ても卵胞嚢腫ではないか?と思われる陰影が観察されました。

画像の矢印の先の黒い部分が卵胞嚢腫と思われる陰影です。

会陰部の汚れは、あるいは性器からの分泌物によるものだったのかも知れませんが。その時には断言することは出来ませんでした。

この子の飼い主様は現役の看護師さんですので、獣医学的なお話しも能く理解していただいて下さったようです。

年明けに再来院して下さいまして。元気なうちに卵巣子宮摘出術を受けさせてやりたいということでしたので、術前検査として、全血球計数、血液生化学検査ひと通り、血液凝固系検査、胸部エックス線検査、コンピュータ解析装置付き心電図検査などを実施しました。

術前検査では完璧とは言えませんが、それなりに手術は可能であろうという結果が得られました。

手術は1月13日に実施しました。

麻酔とかは普通に導入覚醒が出来たのですが。やはり肥満猫ちゃんですから、お腹の中は脂肪の大海のようになっていて、子宮や卵巣の確認と分離がかなり困難でした。

お腹の中には、予想通りに卵巣に左右共、卵胞嚢腫と思われる大きな水泡が存在していました。

子宮を取り出す際に、膀胱と腎臓を繋いでいる尿管などの重要な器官を不用意に傷付けないように、通常の手術よりもすごく気を使いました。

そして、卵巣と子宮を摘出した後、閉腹する際には念のためにポリプロピレン単繊維の医療用縫合糸を使って、万が一の癒合不全に備えました。普通の猫ちゃんの手術に比べると、お腹を開けた傷の長さが倍はあります。

閉腹完了し手術が終了して、いよいよ今から覚醒させようという段階の画像です。

気管チューブ抜管後、入院室で回復を観察します。

普通に当日退院して行きましたが。

翌日 以降、しばらく飲水、排尿が見られないので皮下輸液を実施したり、いろいろ不安要素もあって気を揉んだ局面もありましたが。翌日から食欲はボチボチ見られていましたから、必ず回復すると信じておりました。

22日の火曜日に飼い主様から電話がありました。猫ちゃんは元気になっているとの報告でした。
飼い主様の勤務の都合もあり、抜糸に来院する予定が数日遅くなるということでしたが、抜糸があ少々遅くなっても大勢には影響無いとお伝えしました。

しかし、人間の手術でもそうだとは聴きますが、肥満の動物の外科手術は、私のような普通の獣医師としてはハラハラドキドキします。

無事に回復して良かったです。

 

 

 

 

 

01/24 ミニチュアピンシャーの子宮蓄膿症 白血球減少に注意

6才3ヶ月令になるミニチュアピンシャーの女の子のミニーちゃん。

22日に来院する前日から、急に嘔吐と食欲減少が生じ、同居のワンちゃんのおやつで与えていた骨を誤って飲み込んだのではないかと様子を見ていたそうなのですが。
来院当日水を飲ませたらひどく吐いたということでした。

診察台上のミニーちゃんは、何か?気分悪そうな表情で、腹部の緊張が強いように感じられます。

飼い主様に、ひと通りの血液検査と腹部エックス線検査は必要であろうとお伝えしまして。同意を得ましたので、採血とエックス線撮影を実施しました。

血液検査で気になる数値と言えば、肝機能の異常と、白血球数、特に好中球数の減少です。

腹部エックス線検査では、腹腔内に明らかに異常な陰影が見られました。

 イメージとしてはお腹の中にとぐろを巻くように存在する太いチューブ状の物体という感じでしょうか。

子宮蓄膿症の疑いがあること。好中球数の減少があるということはかなり甚急性の経過を取っているであろうこと。肝機能以上は、子宮とは関連があるのか?別物の問題なのか?は今のところは不明であることなどをお伝えして。

一応腹部エコー検査でお腹の中の物体が筒状で液体を溜めているということを確認した上で。

動物看護師に緊急手術を行なう旨伝えて、午後診終了後残業して手術を行ないました。

麻酔をかけて気管挿管をし、ガス麻酔に移行します。各種モニターを装着し、術野の毛刈り消毒。術者は手術帽、マスの装着。手荒い消毒、術衣と手術用ゴム手袋の装着。

などなど大急ぎで行なって。

いざ開腹してみると、やはり大きく膨れ上がっている子宮が出て来ました。

手術は型通りきちんと終了して。覚醒も速やかでした。

術後は入院室に入ってもらい、24時間持続点滴を続けます。

手術翌日は、気分は随分回復していたようですが。まだ食欲は湧かず。

術後2日経過した時点で急に食欲が湧いて来て、普通に食べ始めましたので、静脈留置カテーテルも抜去して退院としました。

犬の子宮蓄膿症、今回も無事に治療することが出来ました。

しかし、過去には術中に心停止が来た子や、術後に回復出来ずにそのまま亡くなった子もいるわけですから。

慢心に陥ることなく謙虚に頑張って行こうと思います。

 

01/19 猫と異物誤嚥 危ないところでした

ずっと以前に当院にかかっていたという猫ちゃんが久し振りに来院です。

4日前から咳とえずきとが激しくなっていて、当初は鼻水も出ていたそうです。

食欲は、食べてはいるけれども幾分減少傾向。

お尻で体温を測ってみましたが、38.7℃と平熱です。胸部聴診でも、心音呼吸音共に特に異常な音は聴こえません。

猫風邪にかかっているかも知れませんねとお伝えして、インターフェロンの注射をお勧めして、同意を得ましたので注射を実施して。

帰宅後に内服させるようにお薬を調剤したのですが。どうして内服させるのか?判らないということでしたので。
最初の投薬は院内で私が説明しながら実施してみせることにして。

猫の口を大きく上向きに開けて、えっ?と思いました。

咽喉の奥に黒い細い異物があるのに気が付いたのです。

もう一度、口を開けてみて、やはり異物だということを確認して。その旨を飼い主様にお伝えして。

外科用の鉗子を準備して、異物を除去すべく試みたのですが。さすがに抵抗されて叶わず。

深い鎮静、あるいは軽い麻酔が必要であることをお伝えして、同意をえまして。

拮抗薬があるので比較的覚醒させやすいタイプの鎮静剤を筋肉注射で投薬して。約7分後に意識朦朧として抵抗出来ないことを確認しつつ。口を開けて鉗子を使用して異物を取り出しました。

異物は、糸付きの縫い針で、先端が折れてました。

異物さえ取り出せばもう大丈夫だと判断しまして。拮抗剤の注射により猫ちゃんは無事に覚醒します。

今回の症例は、先入観による診療が如何に危ういかという良い例だったと思います。

初診で異物に気が付かなかったら、いずれは検査により発見されたとは思いますが。発見まで時間が長引くとそれだけ猫ちゃんは苦しむわけですし。飼い主様も心配だったと思います。

ホッとしたというのが正直なところでした。

どんな些細な症状の子でも、大したことはなかろうと嵩をくくったり軽くみたりしないで、真摯に診療に取り組んでいかなければなりませんね。

01/13 皮膚の痒み

2才を過ぎたばかりのイエローのラブラドール女の子の話しですが。

昨年から微妙に身体の痒みを訴えるようになりまして。手足の先とか耳の付け根とかを掻いたり咬んだりしていました。

痒みの診療は、皮膚の寄生虫(疥癬、ニキビダニ、蚤)、細菌感染症、真菌感染症などの痒みを引き起こす「治る」病気を順に除外して行って。

「治る」原因が除外されたら、ステロイドホルモンを投与してみて。

ステロイドホルモンで痒みが劇的に消失するようであれば、初期のアトピー性皮膚炎の可能性がかなり高くなるし、痒みがある程度ましにはなっても消失はしないということであれば、食事性アレルギーの可能性が高くなるわけです。

食事性アレルギーの場合、免疫グロブリンの作用による真正の食物アレルギーと、リンパ球の反応による食物有害反応とに分かれるらしいのですが。
飼い主様とワンちゃんにとっては、何かを食べると皮膚が痒くなるということでは一緒であります。

このラブちゃんの場合、皮膚に住む細菌を駆除する抗生物質も細菌培養と薬剤感受性試験を行ないながらいろいろ試しましたが、抗生物質で痒みが改善することはありませんでした。

真菌培養の検査では、ダーマキットという皮膚糸状菌の検出によって培地が赤変する培地で、それなりに赤くなるという結果が得られまして。

3本並んだダーマキット培地の真ん中がラブちゃんの検体で。左が真菌性皮膚炎と治療によっても確定した子ので、右が多分違うだろうという結果です。

皮膚の細菌や真菌を殺菌するシャンプー剤と抗真菌剤の内服も試みましたが。やはり効いてくれません。

皮膚の寄生虫は、2回は皮膚掻き取り試験を実施しました。これは皮膚をメスの刃とか、鋭匙で削り取って、薬品でその皮膚のサンプルを溶かして、顕微鏡で観察するという検査ですが。

ラブちゃんの掻き取りの検体からは寄生虫は検出されませんでした。

掻き取り試験の場合、完全な除外診断にはなり難いという特性はありますが、2回の掻き取りで陰性ですから、一応その結果は考慮しました。

残るはアレルギーか?という段階になって、ここで試したのが、理研ベンチャー企業によってここ数年前から行なわれているアレルギーの血液検査です。

動物アレルギー検査株式会社の提供する血液検査には、環境中の抗原とか食事中の蛋白に対する血液中の免疫抗体の有無を見る「アレルゲン特異的IgE検査」と、食事内容がリンパ球に及ぼす影響を見る「リンパ球反応検査」それに、体内でがアレルギー反応を生じているのかどうか?という事実を判定する「アレルギー強度試験」の3種類の検査項目があります。

飼い主様と相談の上、まずアレルギー反応が体内で生じているのか?生じているのであればどれくらいの強さなのか?ということを判定するために、「アレルギー強度試験」を実施してみようということになりました。

結果は、参考基準値という、昔は正常値と称していた数値の範囲内に収まりました。

ただ、年齢が2才以下と以上とで、参考基準値が2倍近く違うのがどうなんだろう?という疑問が残ります。ほんの4ヶ月以前にこの検査を実施して同じ数値が出れば、アレルギーですよという話しになるわけですから。

しかし、グレーゾ-ンはそれとして、とりあえずアレルギーを疑わないことにしようと判断して。

痒みを生じる要素を再度見直すことにしました。

その一つが、犬の皮膚にトンネルを造って棲んでいる犬疥癬虫を駆除する注射の実施です。
私は犬疥癬を駆除するに当たっては、注射剤を使用し、週に1回合計3回の注射を実施しています。
この注射は非常に強力でして。疥癬が居れば必ずと言って良いほど駆除が出来ます。

ただし、注射で死んだ疥癬の虫体が生きている時よりもはるかに強力なアレルゲンとして皮膚に作用するということで、診断が中っていて注射が効いていても、一時的に痒みが倍増することがあると言います。

飼い主様にはその旨をお伝えしながら、注射を実施したところ。 3回目の注射を打つ頃になると、それまで大変だった痒みが劇的に改善して来ました。

現在は足先の僅かな痒み以外はほとんど問題無いということであります。

彼女の結果は「疥癬」ということになりましたが。疥癬が何処で感染したのか?判りません。
ただ、疥癬の原因のダニは犬だけでなく狐や狸も感染していて、犬の感染源になることもありますので。あるいはそんな野生動物由来の疥癬だったのかも知れません。

何はともあれ、ラブちゃんの苦痛が軽減されて良かったと思います。

01/11 柴犬の腸管内異物によるイレウス

今朝方やっと神戸市中央市民病院から退院して来たのですが。

そう言えば、昨年同じ病院に初診で行った日にも同じようなことがあったような記憶があります。

やっと帰り着いて、午後診を頑張ってやってましたら。緊急手術の症例がやって来ました。

この度の子は、柴犬の女の子です。昨日のお昼頃から急に異常に水を飲んでは吐くようになったということで、生憎私が人間の病院に入院していたものですから、本日の午後診に来院したようなことであります。ご迷惑をおかけして申し訳なかったです。

膵炎か?イレウスか?それとももっと簡単な胃腸炎か?と思いながら。でも、こんな場合には、ある程度辺りを付けるのはともかく、過剰に先入観を持って診察すると間違いを犯すこともありますので。

ひと通りの血液検査と、腹部エックス線検査を実施致しました。

血液検査では、白血球の内細菌と闘う好中球が増加してしますのと、犬CRPの上昇が見られていますから、体内に炎症が生じていることは間違いなさそうです。
同時に、リパーゼが1000近くにまで上昇しています。膵炎かも知れません。

しかし、腹部エックス線検査のフィルムを見ると。明らかに腸管内異物の像が観察されます。

矢印の部分に金属製の何か?が見えますし。その周辺にある程度の幅と長さの塊があるのです。

この時点で、腸管内の異物と確信しました。そうであるならば、下手に持って回ったような消化管造影検査などやらずに、さっさと試験的開腹を実施した方が、費用と患者様の体力の浪費に繋がらないので良いと考えます。

飼い主様にその旨説明させていただいて、手術に同意してもらいました。

看護師さんたちには残業をお願いします。

で、さっさと開腹手術をしてみたところ。

腸管に異物が詰まってにっちもさっちも行かなくなっている部分を発見します。

腸管を切開してみると。


プラスチックの固まった物が出て来ました。飼い主様曰く、ソーセージの皮なのだそうです。

幸いなことに、腸管は対処が速やかだったためでしょう。ほとんど傷んでおりませんで。切開と縫合という処置で速やかに修復出来ました。

手術は無事に終わり、術創にプラスチックフィルムを貼り付けて、覚醒を待ちます。


気管チューブ抜管後は、入院室で静脈輸液を続けながら容態を観察します。


一応、予定では明日の夕方から水を摂取させ。水を飲んで異常なければ、流動食を与える段取りになります。

入院は2日か3日で退院出来ると踏んでおりますが。速やかな回復を期待しているところであります。

久し振りのイレウスの手術でありました。

 

01/11 自分自身の検査です。 脳血管造影と三次元CT検査

1月9日午後から今日の午前まで2泊3日の日程で、昨年8月だったかに脳ドックで脳動脈瘤が出来ているというのを、神戸市中央市民病院にて精密検査してもらいました。
神戸市中央市民病院には、坂井信幸先生という日本トップクラスの脳神経外科医が居られるということで、脳ドックのお医者さんが紹介状を書いてくれてました。
実質医療的な事をやっていたのは昨日の10日だけだったのですが。
病院に収容されて家畜の如くにタグを付けられて、一個の検体とされてしまうと、気分まですっかり病人であります。

ユリウス@素人ハンターの出猟日記

検査当日は、朝6時から絶食絶水で、午前10時前から腕の血管に静脈カテーテルを留置され、点滴を流されます。
本日トップの方の検査が終了して、2番目の私が呼ばれると、CTのある検査室に連れて行かれ、長い検査台に仰向けに載せられて、頭を固定されます。
右の腿の付け根の大腿動脈の起始部の皮膚をリドカインという局所麻酔薬(歯医者で使っている奴です)の注射で部分的に麻酔して、そこから直径にして2ミリあるかないか?というような細い管を動脈に差し込んで行って、心臓からまず左総頸動脈、次に椎骨動脈、右総頸動脈といれて行って。
良いところに入ったら、ヨード系の血管造影剤を注入してエックス線CTを撮影するのです。
しかし、どう考えても不思議なのは、挿入するカテーテルは何の変哲もないただの管なのに。何で思うように身体各所の血管まで送り込むことが出来るのでしょうか?
それと、新鮮に感じたのは、ヨード系造影剤が血管に入れられると、頭のその部位がカーッと熱くなることでした。造影剤に反応した熱は、直後から徐々に醒めて行きました。
検査の最中気分が悪くならないか?皮膚が赤くなって来ていないか?度々チェックが入りましたが。100人か200人に1人は生じるというアレルギー反応のような合併症は生じませんでした。
さて、検査は1時間ほどで終了しましたが、 その後が結構大変でした。
動脈にカテーテルを挿入した穴から出血があると、これが止まり難いらしいのです。
それで、まずカテーテルを抜いた直後は10分間圧迫止血を行なって。その後局所は圧迫包帯をした状態で、まず3時間ベッド上で安静です。
3時間経って圧迫包帯を除去したら、更にその状態で3時間安静を保たなければなりません。
腰がひどく痛くなりました。一昨年8月に左脚の下肢静脈瘤の手術を受けた時と同じです。
午後の6時から自由に動いてよろしいという許可は出ましたが。更に4時間点滴が続いて。
やっと今朝になってこの世に戻って来た気分になりました。
退院直前に坂井先生が結果を説明してくれました。

ユリウス@素人ハンターの出猟日記

病気ではなさそうだということです。
画像の矢印の動脈は、普通の人には見られない奇形というか?発生途上で造られてしまった珍しい動脈だという事で、その珍しい動脈の根元付近が膨れて見えるために。 解像度が造影CTよりはるかに劣るMRIで動脈瘤と判定されたものであろうということでした。
ただ、こちらの疑問としては、5年前にMRI検査を受けた時には痕跡程度にしか見えなかった瘤が、何で大きくなったのか?ということですが。
MRIの解像度が、最新機器への入れ替えで向上したためではないか?という見解でした。
今回は、問題なしという結果でしたが。今後は年に一度は神戸の北村クリニックで脳ドックを定期的に受診して経過を観察すべきであろうということであります。
私の家族は祖父、父、長兄と3代にわたって脳内出血を患ったという家族性もありますので。この度は随分と心配になったものですが。
これで当分頭の中身については心配しなくて済みそうです。
ただ、脳血管の健康のためには、太り過ぎと食べ過ぎ、それに高血圧には注意すべきと言われました。喫煙は血管の病気でも癌性の病気でも禁忌なのは常識ですし、私は禁煙してもう20年は経過しておりますので言うまでもないでしょう。
気になるアルコールですが。1日にビールにして2リットルも飲むような人は脳動脈瘤の破裂を生じるという有意の疫学的エビデンスがあるとのことですが。 普通に500ミリリットルの1本や2本くらいであれば問題無いであろうということでした。
気の小さな私は、昨年8月の脳ドック以来アルコールを飲めなくなっていたのですが。これで週末の1日かそこらはささやかに飲酒を楽しんでも良しとしようかと思っています。
本日11日には会計で3割負担の5万円少々を支払って退院したのですが。
早速午後には職場に顔を出してこの記事を書いております。夕方のお仕事は普通にやるつもりです。

それにしても。ホッとしました。腰痛も歩き回るようになったら改善しました。

12/28 外傷性腹壁ヘルニア整復

6才6ヶ月令の屋久島犬のシマちゃんですが。

どういった原因でか?左下腹部に膨らみが目立つようになって来ました。そして、その膨らみは指で押すとお腹の中にスルスルと引っ込んでしまいます。

こんな症例は、多くの場合、外傷性腹壁ヘルニアと言って、何らかの外力により腹筋が損傷して、その傷から内臓とか内臓脂肪が皮下に押し出されて来ているのです。

飼い主様が外科的に整復するよう希望されましたので、手術で整復しました。

いつものように麻酔導入して、気管挿管、各種モニターの装着、静脈輸液と手早く仕事を進めます。

術野になる部分の毛をバリカンで刈って、 イソジンスクラブで洗い、イソジンとアルコールで消毒します。

術者は滅菌手術帽子とマスクの装着、手洗い、滅菌術衣の装着、滅菌ゴム手袋の装着を済ませて、患犬にドレープをかけた上で初めて切皮という運びになります。

切皮して皮下織を分離して行くと、すぐに腹筋の損傷部位が見つかりました。

腹膜と腹筋にきちんと糸をかけるようにして、縫合を始めます。

縫合に使う糸は、ポリプロピレンというプラスチック製の針付き糸です。これは体内で溶けたり吸収されたりすることはありません。ヘルニア整復術では非吸収縫合糸を使用するのであります。

腹膜と腹筋が縫合し終えたら、次は皮下組織の番です。こちらは吸収性縫合糸を使用して縫って行きます。

最後に皮膚をナイロンモノフィラメントの縫合糸で縫合します。私はマットレス縫合という方法を用いて縫うことが多いです。

皮膚の縫合が終了しました。

麻酔からの覚醒を待っているところです。この間に術創に外傷管理用のプラスチックフィルムを貼ったり、簡単な手術のこの子は皮下輸液を行なったりと、看護師さんたちは結構忙しいです。

術後に回復室で休んでいるところです。

覚醒も良好で、手術当日に退院して行きました。

術後は翌日に一度来院して術創のチェックとか麻酔後の不整脈の有る無しとかをチェックしまして。大抵は術後9日とか10日で抜糸をして手術は完了となります。

どんな簡単な手術でも、無事に済めばホッとします。

 

 

 

 

 

 

 

12/21 グリーンピースわんにゃん訪問隊活動

今年最後の老人ホーム訪問ボランティア活動に参加して来ました。

ブルテリ・新田雑愛子とベルジアン・マリノワのゴーシュを連れて行きました。

どちらも4ヶ月令になったばかりです。しかし、愛ちゃんはもう半日ケージに閉じ込めていても排泄の失敗は無いのに。ゴーシュは半日と我慢出来ません。

しかも、庭に放したら、愛ちゃんはオシッコウンチを庭の土の部分に行ってきちんとやるのに。ゴーシュはコンクリートの上でしか排泄をしないのです。

更に、ゴーシュは私が正面に立って見下ろすと、卑屈な上目使いをしながら1回か2回オシッコを飛ばします。飛ばされたオシッコが私の靴にかかったりするととても不幸な気分になりますし、汚れたコンクリートの表面を後から拭き取ったり水を流したりと、いちいち面倒な事であります。

そんなわけで、このところゴーシュと関わり合うのが面倒で仕方が無くなっております。

とは言え、一旦我が犬としたものですから如何にしてでも付き合いやすい犬に育て上げなければなりません。

もっとも、こんなウレションと言うか?怖じションというか?の排尿の癖は、成長と共に改善することがほとんどですから。ここは辛抱のしどころであります。

道中そんなことを考えながら運転して、鶴林園の園庭に到着したのが午後1時43分でした。既に愛ちゃんをハンドリングしてくれる予定の訪問ボランティアのYさんも到着していました。

園庭の芝生広場で子犬たちを放して遊ばせます。他の訪問ボランティアさんの犬たちも交えてなかなかにぎやかでした。

2時前になると、犬たちは皆リード付きになって、園の2階ホールに上がります。訪問者は全員手洗いをしてから入ります。ノロウィルスやインフルエンザなどの感染症対策ですね。

愛ちゃんは、園庭で遊んでいる時も、訪問時間中も同じように天然無邪気な振る舞いでした。

一方のゴーシュは、園の玄関から中に入った途端に、異常なまでに大人しくお利口な振る舞いになってしまいました。

リードはひどく引っ張ることもなくなり、私が立ち止まると座ってこちらを見上げてますし。

心配していたオシッコの失敗も皆無でした。

2階ホールでの訪問の様子ですが、ゴーシュはリードを付けた状態で車椅子とか普通の椅子に腰かけたお年寄りの前に行って、「ご挨拶して。」と声をかけると、椅子の前で座ったり、車椅子に前肢をかけて顔をお年寄りの方に近付けます。

隣でお年寄りに抱っこされていた猫ちゃんには、気が付いているのか?いないのか?ほとんど無反応でした。

大人しい猫ちゃんはこんな活動には向いてますね。お年寄りに抱っこされるといつまでもじっと抱かれたままでいてくれています。

訪問活動時間が3時で終了しますと、1回食堂で訪問ボランティアと園の担当職員とでミーティングを行ないますが。

ゴーシュはテーブルの前で椅子に座った私の傍で、お座りをして、私の膝の上に顎を載せてじっとしていました。ミーティングを行なっていた時間は約20分でしたが。最初の15分くらい間ずうっとそんな態度で、そのうちに疲れたのか?私の足許で伏せをして過ごしてました。

この子には、こんな面もあったんだなあと、正直新鮮な驚きでした。

一方の愛ちゃんは、ずっとハンドラーのYさんに前肢をかけて、もちろん与えませんが、食べ物をおねだりしたり。私にちょっかいをかけそうになったりと、終始落ち着かない態度でした。

愛ちゃんもそろそろ服従訓練を行わないといけない時期に来ているみたいです。

ゴーシュは、多分ですが。ほんのちょっと私と一緒にいる時の振る舞いを威圧的でなく優しく教えてやれば、完璧になると思います。むしろあれこれといじらない方が本犬の自信を取り戻すためには良いのではないか?と感じています。

 

12/18 チワワちゃんの停留精巣

先月にシニア検診を受けられた、7才8ヶ月令になるチワワの男の子ですが。

停留精巣が見つかりました。

停留精巣については、HPの診療方針に記事を掲載している通りでして。正常に陰嚢に降りて来ている精巣に比べると約10倍の確率で腫瘍化し、出来た腫瘍のかなりの物が転移を起こす悪性の物であると言われています。

飼い主様にはその旨報告致しまして。本日去勢手術を実施することになりました。幸い精巣が停留している部位は、腹腔内ではなく鼠蹊部皮下ですから、手術としては比較的簡単な部類に入ります。

お昼過ぎに麻酔導入を行ない、気管挿管、各種モニター、静脈輸液と手抜きをせずに安全な麻酔を実施します。

画像の赤い矢印の部位に精巣が停留しています。コントラストのせいで見難いかも知れませんが。皮膚が少し膨隆しています。

麻酔導入が出来ると、術野の毛刈り、消毒、術者の手洗い消毒術衣手袋の装着と進んで行って、やっと切皮にかかります。

左右の停留精巣の上の皮膚を切皮して、電気メスを使用して精巣を総漿膜から外に露出します。

小型犬ですから、精索と血管を一緒に合成吸収糸で結紮して切除します。結紮は必ず2回行なって、万が一解けることの無いよう事故防止に努めます。

左右精巣が摘出された後は、皮下織、皮膚の順に縫合して行きます。左側の皮膚縫合が済んで、右側の皮膚縫合に取り掛かるところです。

手術が終わって覆い布を取り除いたところです。普通の去勢手術であれば、陰嚢前方の皮膚を縦に一つだけ傷が出来るだけですが。この度の手術では7左右の停留精巣の上を2ヶ所切っています。

術創の上からプラスチックの創傷保護膜を張り付けたところです。細菌や汚物の侵入を防ぎ傷が蒸れません。

麻酔から醒ます前に、静脈輸液で使用した乳酸リンゲル液を皮下輸液に切り替えて、術後の脱水と腎不全を予防します。

その後麻酔から醒まし。回復室で数時間様子を観察して、夕方には退院です。

明日か明後日に術後の全身状態と傷のチェックを行なってから、術後9日を標準として抜糸をしてお終いになります。

停留していた精巣は、高い体温に曝されていたために精子を造る機能が発達出来ず、若干小さい状態でしたが。とりあえずは腫瘍化の徴候は認められませんでした。

チワワちゃん、これで将来の疾病の危険性が一つ減ったわけです。後8年くらいは幸せに生きて行って欲しいものであります。

お大事になさって下さい。