兵庫県加古川市|グリーンピース動物病院 の 院長ブログ

院長ブログ

秋田犬の前立腺肥大やいろいろ

11才10ヶ月令になる秋田犬の男の子の話しです。

しばらく前から来院していますが。 外耳炎やアレルギー性を疑う皮膚炎や、軽度の肝障害などいろいろ持っているみたいです。

3月9日から、おしっこのトラブルが生じまして。頻尿と赤色尿の稟告で来院されました。

尿検査をしてみると、血尿と判明しました。赤色尿が観察された場合、血尿と血色素尿とでは想定しなければならない疾患が違うのです。

腹部エコー検査を行なってみると、膀胱内には結石とか腫瘍はありません。牡犬ですから前立腺を見るのですが。前立腺はかなり大きくなっている感じです。

前立腺のサイズを計測してみると、腹背のサイズで5.35センチメートルありました。
2週間ほど、抗生物質、止血剤、前立腺を小さくするホルモン剤で治療してみると。

2週間で5.35センチが3.38センチまで小さくなりました。当然血尿も出ていません。
今回の血尿は、前立腺肥大が大きく影響している可能性があるので。今からでも去勢手術をした方が良いとお伝えして。去勢手術を実施することになりました。

術前検査では、心電図検査で左房負荷ツープラスという評価でしたから。心エコー図検査も行ないました。
心臓が軽度に肥大していて、大動脈と左心房のサイズの比が、正常が、1.6までというところを、1.71ということです。心収縮率は21.8%でしたので。大型犬では微妙なところではありますが。拡張型心筋症の初期の疑いと判定しました。

3月29日に、去勢手術を行ないました。

画像は麻酔導入後術野の毛刈りをやっているところです。

無事に手術を終えましたが。左右の精巣の大きさに異常なくらいの差がありました。

台の上の瓶の中にある右側の丸い物体が大きい方の精巣で。左側の物体が小さい方の精巣です。小さい方の精巣は精巣を納めている袋毎摘出してあります。

飼い主様には、一応病理検査をした方が良いと思うとお伝えして。同意を得ました。

検査の結果がどういうものになるのか?腫瘍性疾患で転移が頻繁に生じるものであれば、何か対応を考えないといけないかも知れません。

それにしても、今回の血尿から精巣の異常までは、去勢手術をしていれば生じなかったものであります。

去勢手術を実施した犬とそうでない犬とでは、病気の発生率や寿命の長さにおいて、手術を実施した方が著しく有利であるというのが、現在の獣医学的常識であると確立していることでもあります。

繁殖予定の無い牡犬と暮らしておられる方々においてこの記事を読まれた方は、愛犬の去勢手術を考慮されてはいかがかとご提案させていただきます。

ではまた。

グリーンピースわんにゃん訪問隊

第4金曜日ですので。 いつもの犬猫子供連れ老人ホーム訪問ボランティアに行きました。

少し早く鶴林園に着いたので。ちょっとだけ園庭の花を見てました。

ソメイヨシノはまだ蕾です。でも、随分ほころんで来ています。開花はもうすぐですね。

枝垂れ桜は満開でした。独特の風情があって綺麗です。

桜が咲いているかと思い、近寄ってみると。どこか違うように感じられます。

花のサイズが普通の桜よりも随分大きく感じられます。記憶に間違いがなければ、アーモンドの花です。

訪問ボランティアさんたちが集まって来て。時間が来たので、園の2階ホールに上がります。

コーギの子犬ちゃんが猫ちゃんを見つめています。コーギの子犬ちゃんはすごく可愛いかったです。

お子ちゃまのカバンの中身が気になるミニシュナちゃん。子供と犬の自然な交流は、見ているお年寄りにも笑顔を誘います。

賑やかしく、楽しく、時間が過ぎて行きます。永い永い人生のほんのひとこまですが。幸せを感じることが出来ました。

1時間の訪問時間が終了して、1階食堂でミーティングをやってから、急いでお仕事に戻りました。

仕事も頑張ります。

ではまた。

毛がもつれたチンチラ猫の鎮静下毛刈り

チンチラとかペルシャのような長毛猫は、そのゴージャスな被毛が大きな魅力ではありますが。

時として、ブラッシングやコーミングなどの被毛の手入れをひどく嫌う子が居たりして。

そんな子は、毛がひどく絡まりもつれ、フェルトのような毛玉が身体全体を覆って。それが身体を締め上げて。

苦しいばかりか、毛玉の下の皮膚に炎症が生じたりして、可哀相なことになることもあります。

今回の子も、櫛やブラシを使って被毛を梳いてやることが非常に難しい子でして。
飼い主様はむしろ熱心に取り組もうとしているのですが。

結局、毛玉が出来てしまうという感じなのです。

仕方がないので。当院にて鎮静剤を使用して、毛刈りを実施することになりました。

私が使用する鎮静剤は。拮抗薬が存在してますので、何かおかしな反応が生じたら、速やかに拮抗剤を筋肉注射して醒ましてやることが出来ます。

刈っている時は、こんな感じです。

完成に近くなって来たところです。

終了したところ。

回復室で、飼い主様のお迎えを待っています。

たかが、毛刈りと思うなかれです。長毛猫ちゃんたちにとっては、毛玉の生成は非常に深刻な問題になる可能性があるトラブルなのです。

今日も無事に終わりました。

ではまた。

 

急性フィラリア症の手術

ここで急性フィラリア症と称している病気は、犬のフィラリア症のひとつの型でして。正式には大静脈症候群と呼ばれているらしいです。

普通に慢性フィラリア症の場合、蚊に刺されることで感染したフィラリアという線虫は、肺動脈に寄生しています。これはこれで感染数が増加すると、肺動脈が炎症や変形を起こしたりして、慢性の咳や削痩、腹水、運動不耐症などの症状が生じて、真綿で首を締め上げられるように苦しみながら徐々に死んで行くのですが。

慢性だったフィラリア症が、虫が肺動脈から右心房、更に大静脈洞に移動することにより急性フィラリア症となると。
犬は急激に苦しみ始めて、1週間から2週間くらいの経過で死んでしまいます。

具体的な症状は。典型例では突然の食欲不振、虚脱衰弱、呼吸困難、濃黄色~赤色からコーヒー色までのいろいろな程度の血色素尿、舌のいろが蒼白になる、などです。
獣医師が聴診器で胸の音を聴いてみると、ガガガガガとかザリザリザリとかゴロゴロゴロというような特徴のある心雑音が聴こえます。

それで、この急性フィラリア症は、早急な手術を実施して、大静脈洞に居るフィラリア虫を釣り出してやらないと、ほとんどの犬が死亡してしまうのです。

手術の危険性は非常に高く。私が10数年前に聴いた話しでは、平均して30%の死亡率だそうです。
ただし、手術を乗り越えて、フィラリア虫がきちんと除去されると。劇的に回復することが多い病気でして。
この急性フィラリア症と子宮蓄膿症は、獣医師が「神の手」となれる疾病の典型なのです。

今回の症例は、8才7ヶ月の柴犬の男の子でした。2日前に少し離れたところにある動物病院に救急で受診して。「急性フィラリア症なので手術が必要である。手術出来る先生が限られているので、その先生を確保する都合上早く手術を決断して欲しい。」と言われたそうなのですが。手術を受けないこととして、副腎皮質ステロイドの注射をしてもらっただけで帰られたとのことです。

その後、飼い主様の息子さんが当院のことを調べて、こちらに行くように勧められたということで、当院に来られたということです。

聴診して、特徴的な心雑音が聴こえることと、発症の状況、他院でのお話しなどなどから、急性フィラリア症は間違いないだろうとお伝えし。手術の危険性などをお伝えしたところ。

飼い主様はいろいろな理由があるみたいですが。手術を相当ためらっておいででした。

その後、飼い主様の息子さんが来られて、いろいろ相談されたようで。結局手術を受けることになりました。

動物看護師には残業をお願いしまして。午後5時前から麻酔導入を始めます。

気管挿管、静脈輸液、各種モニターの装着を済ませてから。術野の毛刈り、消毒、術者、助手の手洗い消毒、術衣手袋の装着と、手術の準備を手早く進めて。
いよいよ執刀準備が整いました。


この手術の術式は非常に簡単です。頸静脈を露出して、小さな穴を開けて。そこからアリゲーター鉗子という先端に鰐口が付いた鉗子を大静脈から出来れば心臓まで差し込んで。フィラリア虫をつまみ出すだけです。

しかし、鉗子の操作が総て手探りで。指先の微妙な感覚だけが頼りですし。強引な操作をすると、静脈壁を突き破ったり、心臓の弁の腱索を引きちぎったりして、わんこは突然に死亡してしまいます。
また、心不全状態の犬に麻酔をかけるわけですから。麻酔導入を試みたらすぐに死んでしまうという事態もあり。
なかなかにストレスフルな手術ではあります。

アリhゲーター鉗子を挿入してすぐにフィラリア虫を掴むことに成功です。

虫を拡大してみます。

1回に5匹か6匹を掴んでいます。

こんな感じで虫を快調に摘出して。そのうちに取れなくなりますので、3回、4回と探ってみて、それでも虫が取れない時には、心音を聴いてみます。

特徴的な心雑音が消えていたら、その時点で虫の釣り出しは終了として、縫合にかかります。

この子も、とりあえずのガリガリ音は聴こえなくなりましたので、縫合して終了としました。

後で勘定したら、摘出した虫の数は、35匹でした。

今回は麻酔導入開始から縫合終了まで約1時間半くらいかかりました。もっと熟練した神の手先生だったらもっと短いかも知れませんが。アベレージ獣医の私ですから、こんなものですね。

麻酔からの覚醒はまあまあでした。術前に相当弱っていましたから、良い方だったかも知れません。

麻酔から醒めた時点でかなり気分はましになっているようだったし。蒼白だった舌の色もきれいなピンク色になってましたが。
さすがにその夜は何回か起きて容態観察をやってました。

明けて翌日。わんこの気分は随分良さそうです。飼い主様が持参された食べ物にもかなり興味を示してましたが。まだ食べるまでには至りませんでした。

もう少し回復して食欲が出て来たら退院です。

今回も手術が上手く行って良かったです。この手術は、症例がかなり減っていて、回数は少ないですが。私の場合今のところ成功率70%は軽くクリヤーして90%くらいは行っていると、自分では思っています。

ではまた。

 

未去勢牡犬の会陰ヘルニア

会陰ヘルニアとは、肛門の横の会陰部というところの筋肉が萎縮したりして弱くなって腹圧に耐えられなくなり、腸管とか膀胱のような腹腔臓器が皮下に脱出する、いわゆる「脱腸」の一形態です。

前回、年末か年明けに高齢雑種犬で会陰ヘルニアと鼠径ヘルニアの併発例の手術を紹介しましたが。
今回の子は、6才のパピヨンの男の子でした。

会陰ヘルニアは、圧倒的に未去勢牡犬に発生する病気で。整復手術をする際に去勢をしないと再発率が有意に高いと言われています。

精巣から分泌される男性ホルモンが、肛門周囲の筋肉群に抑制的に働くのかも知れません。

画像の赤い矢印の辺りがヘルニアで膨れている部分です。

会陰部が膨れたのに気が付いたのは来院の1週間前だったそうです。膨れるだけでなく排便困難も生じつつあって、トイレでいきむけれども便が出ないことが再々あると言われてました。

腹部エックス線検査の画像ですが。赤い矢印の辺りが肛門から出し切れなくて溜まっている糞便です。

この会陰ヘルニアは手術適応であると説明して、飼い主様には納得していただき。
術前検査として、血液検査ひと通り、胸部エックス線検査、心電図検査、血液凝固系検査を実施し。初診から4日目の今日、手術に臨みました。

手術前の4日間は腸管を積極的に動かすお薬と、便を柔らかくするお薬の組み合わせで排便はスムーズになっていたそうです。

朝9時からお預かりして。前腕の静脈に留置したプラスチックカテーテルからリンゲルを輸液します。

午後1時過ぎから麻酔導入を始めて。気管挿管や各種モニター類の装着が出来ると。術野の毛刈り消毒を行ないます。

ヘルニアの部分は筋肉が分離していて穴が開いている状態で。指が容易に入って行きます。

術野の消毒や術者の手洗い術衣の装着等手術の準備が整って、今から切皮にかかるところです。

手術の細かいところは省略です。実際にはいろいろありますが。会陰ヘルニアの整復手術が完了したところです。今から体位を変更して去勢手術を実施するところです。

総て終了して。回復室で休んでいるパピヨンちゃんです。2時間か3時間くらい休めば十分に元気回復しますから、当日退院してもらいます。その方が動物の心理状態が落ち着いて、結果が良好なように感じています。

というわけで。会陰ヘルニアは結構若い犬でも生じることがあるという記事でした。
去勢していれば発生率は大幅に減少するということですし、統計によると、去勢した牡犬は未去勢の牡犬よりも病気が減って長生きするという結果が出ています。

繁殖予定の無い未去勢牡犬を飼育されているかたは、去勢手術を考慮されては如何かと思います。

ではまた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エアデールテリアの子犬が産まれます

数日前に犬友さんから連絡がありました。
私が輸入したエアデールテリアの子らの系統で交配をしたそうです。
出産予定日は?いつだったっけ?後1ヶ月くらいだったと思います。
賢いエアデールテリアの子と一緒に暮らしてみたいという方は、
wkhtdg@hera.eonet.ne.jp宛てにメールをいただければ、繁殖者さんに紹介させていただきます。
では、父犬母犬のキャラクターを掲載しておきます。
父犬

アルデバラン オブ ザナドゥ(牡)

2008年1月1日生れ PD AZ-102257 PAH3
父 ズーコ フォン ハウスシルマー
母 ザナドゥ オブ パドルビー

代表賞歴
2011年度 神奈川県警察犬嘱犬審査会 第3位(選別の部)
2011年度 日本訓練チャンピオン(Gr)(選別の部)
2012年度 JKC 春季本部競技会 理事長賞

母犬

アグリ オブ ラビ シュープリーム(牝)

2006年度10月26日 PD AZ-10154 PSH3
父 ハクスレイ フォン エリクソン
母 クウェーサー オブ パドルビー

2010年度 関東訓練チャンピオンG(1-S)
2011年度 北日本訓練チャンピオンG 2席(プロ1-S)
2012年度 北日本訓練チャンピオンG(プロ1-S)
5年連続 千葉県嘱託警察犬(追及)

母犬が5年連続嘱託警察犬に合格していて、しかもその課目が足跡追求であるっていうのが良いですよね。父犬も全日本の訓練競技会で上位入賞を果たしておりますし。

どちらの犬も、父犬は私が輸入した犬ですし。母犬は私が繁殖した犬であります。

では、また。出産したら、また関連記事を掲載すると思います。

ぷれでたー遠藤の独断的犬論

前十字靭帯断裂関節外法手術の経過

私の飼っている紀州・新田犬雑の牡犬童子の前十字靭帯断裂整復手術を2月21日に実施しましたが。

本日術後10日目になりましたので。術創の状態も良好なこともあり、抜糸しました。

術創を覆っていたフィルムドレッシングを剥がして抜糸してすぐの画像です。
ドレッシングの内側で乾いていた血液が残っていますが。創は綺麗に癒合しています。

傷を舐めないようにと装着していたヒッポカラーも取り外され、ちょっと解放感を感じながら裏のドッグランで一息。

患肢は、ゆっくり歩くような場合は接地し負重もそれなりにしていますが。大方はまだまだかばう仕草を見せています。

これから少しずつ肢を使うようになると期待しています。

運動制限は、3ヶ月はやらなければならないようですし。
山を走れるようになるのは、半年くらい先のことでしょうか?

焦って壊さないように注意しながら診て行きます。

ではまた。

モルモットの繁殖生理の特殊性にびっくり

昨日皮膚の痒みの事で来院のあったモルモット君ですが。

先日パパになったそうです。

パパになったことは、それなりにお目出度いことと思いますが。実は予期せぬ妊娠でして。

そもそも、某ペットショップでモルモットを2匹購入した時に。雄雄だか?雌雌だか?は忘れましたが。「同性の組み合わせです。」という説明で連れ帰り。

しばらく時が経つと、片方の子のお腹が大きくなったので。病気ではないか?と心配になって当院に受診されたわけです。

その時の様子から、もしかして妊娠?あるいは子宮の病気?と心配になって、腹部エコー検査を実施したところ。胎児が確認されました。

その後、無事に2匹の子供を出産して。家族が増えて良かったということになったわけですが。

出産後1ヶ月くらいの後に。赤色尿あるいは下り物があるみたいだし。お腹が膨れて来たので、今度は子宮の病気か?という感じでまた来院されました。

半信半疑で再度腹部エコー検査をやってみると。これがまた。妊娠でした。

ここで再び教科書を開いてみたところ。

モルモットという動物は、出産後すぐに、それこそ産んで2時間後くらいに、発情して交配する動物だという記載があります。

前回の腹部エコーの際にこの文を見落としてました。

飼い主様がパパとママを離したのは、出産を確認してから後のことだったそうです。

最初の妊娠は、ペットショップのチョンボと言っても良かったのでしょうが。2回目の妊娠は、私が教科書の記載を見落としたせいと言っても良いかも知れません。申し訳ありませんでした。

かと言って、生まれたモルモットの赤ちゃんを引き取る気は、正直ありませんが。

エキゾチックペットの繁殖生理は、その種類特有のタイミングとかあるようなので。少々忙しくても、教科書を開く時には、もっと丁寧に読まなければいけないなあと、実感した次第であります。

モルモットちゃんの来院は、正直言いまして、この22年の間で初めてのことでありました。

ではまた。

グリーンピースわんにゃん訪問隊活動

毎月第4金曜日が、犬猫連れ老人ホーム訪問ボランティアの日になっておりますが。
先月と先々月の2ヶ月は、当日にどうしてもやらなければならない手術が入ったりして行けてませんでした。

今日は、久し振りに参加しました。

今日は、私がお産をお手伝いさせてもらったコーギの赤ちゃんが1胎参加されていて。皆さんすごく盛り上がっておりました。

子犬は無条件に可愛いです。

1時間の訪問時間はあっと言う間に過ぎてしまいます。

今日は新しい参加希望者さんが来てられまして。お飼いになっているワンちゃんが適正ありという結果になれば、来月から参加出来るかと思います。
新しい訪問ボランティア希望者さんは有り難いです。

しかし、年月はいつの間にか過ぎて行くもので。この訪問活動も16年が経ったらしいです。園の理事長さんが記録を確認されたそうです。
熱心な訪問ボランティアさんたちと、園のサポートが相まって、このような長期の活動が出来たということなのでしょう。

そして、何よりも園の利用者さん、即ちお年寄りの方の嬉しそうな笑顔が、私たちの励みになって来たのであります。

次は、目指せ20年!!ですね。

 

ではまた。

 

 

油断大敵

今日は午後にジャーマンシェパードドッグの女の子の避妊手術がありました。

手術自体は普通に終わりましたが。

覚醒時に意識の戻り方が急過ぎて、気管チューブを抜こうとすると、わんこがチューブを咬み切ってしまいました。

ところが、さあ大変です。気管チューブの咬み切られた先の方がそこらに見当たりません。

となると、わんこの体内にあると考えるしかないでしょう。

頚部胸部腹部のエックス線検査を行ないました。

胸部気管が妙に真っ直ぐで、直線的になった場所には白っぽく強調された気管チューブの陰影が見られます。

これは内視鏡が無いとどうにもならないですから。市内の内視鏡を持っている動物病院に飼い主様と一緒に行くことにしました。

予め電話連絡をしておいて、午後5時頃グリーンピース動物病院の外来診療を済ませてから、内視鏡のある動物病院に行きます。

受け付けで、電話をしてある旨お伝えして。自動車の中で待っていると、盛んにゲーゲーとえづいていましたが。

何と、わんこは自力で気管チューブの断端を喀出してしまいました。

画像の赤い矢印の先にあるのが、喀出された気管チューブの断端です。

帰ってから、気管チューブの元と先とを並べてみました。左が気管の中に残ってしまった先っぽの方ですが。長さが約18センチメートルあります。さぞかし気持ち悪かったことでありましょう。

このような事故は、私の病院ではこの22年の間で初めてでしたが。行った先の動物病院の院長先生の話しによると、彼が経験したので気管チューブ断端遺残摘出が 3例あるそうですし。内視鏡学会とかに行くとこのような事例は結構多く報告されているということでした。

麻酔をかけるということは、いろいろなリスクを伴いますが。このような気管チューブの切断と断端の遺残も要注意だと、身を持って勉強することになってしまいました。

明日から、2度とこのようなことが生じないように、麻酔覚醒のスピードの調節とか、注意してやります。

今日は結果オーライで本当に有り難いことでありました。