兵庫県加古川市|グリーンピース動物病院 の 院長ブログ

院長ブログ

リウマチと診断して良いかな?

今月で15才ヶ月令になる日本犬雑の未避妊女の子の話しです。

2ヶ月前から歩行時左前足をかばうようになって。 約1ヶ月前から痛みがひどくなり。 最近は夜も頻繁に悲鳴を上げるようになり、ワンちゃんも飼い主様も眠れない状態が続いているということで来院されました。

痛む左前肢を触ってみますと。 肘関節から上の上腕部外側の筋肉が萎縮してしまっていますし。 肘関節周辺がひどく腫れています。

前肢のエックス線検査を実施しました。

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上の画像が側面像。 下の画像が正面像です。 矢印の先に骨が虫に喰われたような穴が開いたように映っている場所がありますし。 正面像で向かって右側の左前肢の肘関節部分周囲が反対側に比べてひどく腫脹していることと、関節の中の骨と骨との間隔が明らかに反対側よりも狭くなっていることが判ると思います。

この時点で、私の頭をリウマチのような免疫が関与する関節疾患がよぎっています。

しかし、関節周囲に尖った形の新生骨が見られるのは反対側の痛まない右肘も同じですから。 この子には元々老齢性変化の変形性骨関節症は存在していたと思われます。

一応体温測定を実施しますと、39.4℃と軽い発熱があります。

この時点で、血液検査を行ないました。

院内の全血球検査では、 白血球数の増加、 特に好中球 (細菌と戦う細胞で炎症が存在する時に増加する) と単球 (炎症が長引いた時に増加することの多い細胞) の増加が特異的です。

次に、血液生化学検査では、 犬CRPという炎症マーカーが7.0mg/dlオーバーと測定限界を超えてしまっていました。

外注試験で、 抗核抗体とリウマチ因子の二つの検査を行ないます。

飼い主様がセルフメディケーションを行なってまして。 市販の犬用アスピリンを与えると、 その後2時間から3時間は症状が軽減されるというお話しでした。

私としては、 免疫系の疾患であれば、白血球数は増加しているから抗生物質は使うにしても、 最初からステロイドホルモンを使用したかったのですが。
飼い主様が先にアスピリンを使用しているということもあって、 非ステロイド系消炎鎮痛剤(NSAIDS)を処方することにしました。

アスピリンもNSAIDSの一種なのですが。 NSAIDSとステロイドホルモンを同時に使用すると、胃出血などの重度の消化器系の異常が生じて、状況によっては命に係わる可能性がありますから。 とりあえず、外注血液検査の結果が出るまでNSAIDSで様子を見ることにしたのです。

翌日、検査センターから速報で結果がFAXされて来ました。

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抗核抗体は自分の身体を攻撃する自己免疫抗体の一種ですが。 典型的なリウマチでは、抗核抗体陰性で、リウマチ因子は陽性ということが多いようにテキストには記載があります。

テキストと言えば。 このリウマチに関しては獣医学のテキストにはなかなか良い物が無くて苦労しているところです。 数少ない教科書にも有効なお薬はステロイドホルモンくらいしか記載がありません。 当然テキストを記載された先生もいろいろな人体薬も試しているみたいですが。 残念なことに人のリウマチ薬でメインに使えるお薬はまだ見つかっていないということです。
人間の医療ではリウマチのお薬はいろいろ良いお薬が開発されているように聴きますが。 動物種差も大きな壁なのかも知れません。

飼い主様にお電話して。 結果をお伝えし、来院していただきました。 ステロイドホルモンと抗生物質、ステロイドの副作用を軽減するためのお薬を処方し。 先に処方したNSAIDSを最後に内服してから1日以上、出来れば1日半くらい時間を空けてから内服させるようにとお伝えしました。

本日、内服開始から3日経過した時点で、経過観察のために来院されましたが。

それまでひどく苦しんでいた痛みが、内服翌日から改善傾向を示し。 2日後からは普通に歩けるようになったということです。
それまでどんな姿勢をしても痛みが治まらずに、 痛む足を下にした時なぞはひどい悲鳴を上げて苦しむ状態だったのが。 今は任意の姿勢を取ってリラックス出来るということであります。

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あれだけ腫れていた左前肢がすっきりと細くなって。 右前肢と同じ太さに改善しています。痛そうな表情も消えて如何にも楽になったという感じです。

再び4日前と同じ処方でお薬を14日分お渡ししました。

今後は、経過を診ながら。 今から4週間後に痛みの状態を観察しつつ、血液検査で炎症マーカーの低下や、ステロイドで内臓がどれくらいダメージを受けているのかとかをモニターしつつ。 経過が良ければなるべく慎重に減薬して、長期管理が出来るように持って行きたいところであります。
調子良い状態が続くようならば、場合によってはリウマチ治療の人体薬を併用して最低限のステロイドホルモンで維持出来るようにしたいところです。

テキストの予後  (今後の経過についての見通し)  の記載を読むと。 リウマチの予後は悪く、いったんは薬が利いたとしても経過が長く。 完全な長期コントロールは不可能であって、数年かけて病状は徐々に悪化して行き。 最終的には歩行や起立が困難になってQOL(生活の質)が低下して衰弱し、死に至ると書いてあります。
この子の場合には、 15才という年齢もありますので。 そこまで行くことなく寿命が来てしまうかも知れませんが。 ある意味それが救いになるかも知れません。

私としてはこの子の生活の質をキープしながら穏やかに寿命を終えることが出来るように手助け出来たら良いと考えています。

ではまた。

僧帽弁閉鎖不全症(あるいは僧帽弁逆流症)の治療のさじ加減

12才2ケ月になる、まるで日本スピッツかと錯覚するような美しいポメラニアンの男の子の話しですが。

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約1年前に、咳をするようになって、近医で「心臓の音が良くないね。」と言われて。 心臓のお薬を処方されたのですが。 服用開始から3日目で妙に元気が無くなったので、服用を中止したそうです。

その後、微妙に咳が続いていたらしいですが。 3週間前から急に咳がひどくなって来たので。 再度同じ近医を受診して。 お薬を2種類処方されたのですが。 全然改善しないので。 当院にかかっておられる犬友さんの紹介により、 グリーンピース動物病院を受診して来たとのことであります。

処方されたお薬を見せてもらうと、 ひとつはACE阻害剤という種類のお薬で。 もうひとつは多分ステロイドホルモンらしいです。

胸部聴診を行なってみると、全収縮期心雑音が、 ニューヨーク心臓病協会の基準で言うと6段階中3段階くらいの強度で聴取されます。 不整脈までは発生してはいません。

詳しく訊いてみると。 今までの診察では胸部エックス線検査も心エコー図検査もしていないということです。

若い頃に心雑音が無かった子で。 ある程度年齢が来て、 心雑音が聴こえるようになった場合。 80%から90%の確率で僧帽弁閉鎖不全症ですから。 その先生の診察方法もあながち間違いというわけではありませんが。

やはり、残る10%から20%の他の心臓病の可能性を探ることも大切かと思いますし。 エックス線検査や心エコー図検査を実施すれば、 他の病気との鑑別や重症度の判定も出来ますので。 それなりに意味あることと思ってやっています。

まず、胸部エックス線検査を行なってみます。

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画像のオレンジの矢印の先は左心房領域なのですが。 かなり膨れていて、専門用語で言う後方心ウェストの消失という状態です。
黒い矢印の先周辺は、 肺の後葉でして。 これくらい白っぽいということは、 肺炎か、肺水腫のどちらかという印象ですね。

一応体温測定もしましたが。 直腸温で38.8℃で、平熱でしたので。 肺炎は除外して考えることにします。

次に心エコー図検査を実施しました。

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犬の身体の左下からエコーのプローブを当てて撮影してみると。本来は薄く見えるはずの僧帽弁(赤の矢印の先)が妙に膨らんで見えます。 これは弁の粘液変性と言う病的な変化で、心臓弁膜症に特有の病変です。
この図でも僧帽弁の下に見える左心房が拡張している感がありますが。

次に大動脈と左心房の大きさの比率を測定してみます。

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点々の線が2本見えますが。 上の短い破線の部分が大動脈の断面で。 下の長い破線も部分が左心房です。
この二つの大きさの比率は、正常な犬では1対1もしくは1対1.5くらいなのですが。 この子は1対1.8という状態で。 左心房が大きくなっているということが判りました。

次に、心臓の収縮率を測定してみます。

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心臓の輪切りの画像ですが。 左が拡張した時。 右が収縮した時の画像です。
これを計測してみると、下の表のFSというのが心収縮率ですが。 31.3%というのは心臓の収縮率としては問題ない数字です。
これで、心臓の筋肉には問題は無いと判断しました。

最後に、胸壁の左下からプローブを当てて、心臓の4腔断面を書いてみます。

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4つ見える黒い空間が、左心房左心室(右側に見えます。)と右心房右心室(左側にみえます)で。矢印の部分が僧帽弁で。 やはり先が膨れていて粘液変性を生じているのが判ります。

ここで、カラードップラーを当ててみます。

カラードップラーとは、物理のドップラー効果(どんな現象かは検索して調べてみて下さい)を応用した撮影方法です。

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台形の下の色が付いている部分で、赤や黄色や緑の色がモザイク状に混ざって見えるところでは血流が乱れて渦状になっているということでして。 青一色との境界が僧帽弁ですから。 心室が収縮した時に弁が閉じ切れなくて、血液が逆流していることを現わしているのです。
この逆流は、あってはならない現象であります。

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右心房と右心室を隔てている三尖弁にもドップラーを当ててみましましたが。 逆流はあるものの、ごくわずかです。

以上で検査は総て終了です。 心電図は聴診で不整脈とかは無かったので、今回は省略しました。

以上の結果を総合的に判断すると。 近医さんの診断は当たっていたあものの、重症度の判定に関しては今ひとつだったようです。

この症例に対して私が行なった処方は、 近医さんで処方されたACE阻害剤は継続して使用すること。 心筋の収縮力増大と全身の血圧を低下させるという一見相反する作用のあるお薬に、肺胞に溜まった水を抜く利尿剤、 更に一応細菌の2次感染を防ぐ抗生物質を組み合わせるということでした。

これを2日間試してみて。 症状改善があるかどうか?2日後に判定します。

2日後に来院したポメちゃんは、呼吸状態非常に良くなってまして。 飼い主様もびっくりされてました。

一応肺水腫の状態がどうなっているのか?胸部エックス線検査は実施しました。

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黒い矢印の先の後葉の白さはかなり黒っぽく変化してまして。 水が抜けていることが判ります。
オレンジの矢印の先の左心房の拡張も幾分改善していると見て取れます。

緊急状態は一応脱したと判断しましたので。 利尿剤の投与回数を1日2回から1回に減らして。 次の1週間分を処方しました。

来週調子が良ければ、利尿剤と抗生物質はいったん休薬して。 ACE阻害剤と、心筋収縮アップと全身血圧低下を狙ったお薬の2種類は当分継続するという形で治療を続けて行く予定です。

今後、治療を続けて行く間に、病気はそれなりに進行はして行きますが。 治療をするのとしないのとでは、進行速度には大きな差があると思います。

飼い主様には、100数十万円以上はかかるけれども。 弁の再建手術を行なえば根本治療となるので。 希望されるならば手術の出来る動物病院を紹介させてもらうとお伝えしましたが。 年齢から考えてもコスパには相当無理があることもあって。 手術の道は選択されませんでしたので。
これからは、 私が内科的にこの子の心臓弁膜症を管理して行くことになると思います。

心臓弁膜症の内科的療法は、その犬が老衰とかの他の原因で亡くなった時に、結果として心臓で苦しまなかったということが、 治療の成功ということになると考えています。 これから永いお付き合いになることと思いますが。 頑張って治療して行くつもりであります。

幸せに長生き出来ますように祈っています。

ではまた。

 

長時間作用型外耳炎治療薬とその限界

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その外耳炎治療薬は、オスルニアと言いまして。 割りと最近認可された外用薬ですが。

薬屋さんの曰くは、 外耳炎を患っている子が来院したら。 とりあえず、 このお薬を点耳(耳の穴の中に注入することをこう表現します)します。 この時に耳垢とかはそんなに頑張って除去しなくても良いということです。

オスルニアを1回点耳したら、内服薬を出す出さないは別として。 患者さんをお帰しして。 1週間後に来院するまで自宅では何にもしなくても良いということです。

初診で1回点耳して1週間経過して再来院して来た時に。 再度オスルニアを点耳します。

2回目の点耳の後も、そのまま帰宅させます。

その後も自宅では何にもしなくてもよろしいとのことです。

1週間後に3回目の来院の時に、治っていることを確認して治療終了となるということです。

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初めてそのことを聴いた時には、俄かには信じることが出来ませんでした。

それまでの外耳炎の治療は、最初の診察で耳垢を洗浄除去した後、自宅で毎日お薬を点耳し続けることが標準的なやり方ですから。

ものは試しにと、 外耳炎で来院して来た子に、 このオスルニアを使用してみたところ。

薬屋さんの言う通りに、 自宅で何もしなくても外耳炎は合計3回の診察で治りました。

その後、数頭オスルニアを使用してみましたが。

何頭目かに、オスルニアを使用しても治らない子に遭遇しました。

その原因を探るべく。 その子の耳垢の細菌培養と薬剤感受性試験を実施してみたところ。

オスルニアに使用している抗生物質に耐性を持つ細菌が感染しているということが判明しました。

オスルニアというお薬は。 基材やお薬の作り方に特殊な技法を用いて、耳の穴の中でお薬が長時間作用し続けるようにしたものだと思います。
使用している抗生物質が、今まで獣医療で使われて来なかった種類の物なので、最初の数例はたまたま薬剤耐性菌に出合う確率が低かっただけで。 順調に治ってくれたものの。

いつかはこのお薬に反応しない細菌による外耳炎に行き当たることは当然と言えば当然だと思います。

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これはオスルニアが利かない外耳炎の耳垢の細菌培養と薬剤感受性試験の例です。 上の画像の赤い矢印の先がオスルニアに使用している抗生物質を含ませているろ紙です。

ろ紙の周辺に、点々と見えているのが細菌でして。 薬の存在に関係なく生えていることは。 その薬が利いていないということです。

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これは、オスルニアが利いている外耳炎の耳垢の培養です。 矢印の先のろ紙の周辺には小さなツブツブの細菌は生えていません。

というわけで。 夢の新薬と言えども抵抗性のある細菌が原因の場合、治療には役に立たないということが判明してしまいました。

また。 これは従前からそうなのですが。 外耳炎を再発する動物は、基礎疾患としてのアレルギー体質や、免疫力低下などの素因を有しているわけです。

外耳炎の子が来院した場合には。 必ず基礎疾患の有無にも思いを致しながら診療にあたる必要があります。

ではまた。

 

 

痒みをコントロールする新しい分子標的薬

今年の夏は、獣医皮膚科診療においては、非常に画期的な新薬が発売されました。

その薬は、オクラシチニブという成分名で、商品名はアポキルと言います。

欧米では数年前から日常診療に使用されていて、素晴らしい効果を上げているということでしたので。  勉強熱心な先生方は、既にその存在を認識していて、日本国内販売を渇望されていたようですが。

我が国でもやっと農林水産省の審査が通って販売されるようになったものです。

アポキルは、分子標的薬という特定の分子に作用してその働きを制限するお薬の一種で。  ターゲットになる分子は、皮膚の痒みを生じさせるサイトカインの信号伝達に関与するヤヌスキナーゼという物だそうです。
小難しい話しは省略して。  要するに痒み生じさせる生体の連鎖反応を途中でブロックするお薬だと考えれば良いと思います。

どんな薬もそうですが。このお薬にも、それなりに特徴があります。  それは。

1、基本的にアトピー性皮膚炎の痒みに対しては非常に有効である。  メーカーの推奨量を守って投薬する限りにおいては、ステロイドホルモンのような副作用はまず生じない。

2、食物アレルギーに対しては、アトピー性皮膚炎ほどには利かない。 通常量の倍を使用すれば何とか抑えることは出来るけれども。 倍量使用を継続すると他の免疫反応一般を低下させてしまうという問題を生じさせる可能性が出て来る。

3、痒みに対して有効な症例では、投与の当日から痒みの著しい低下が認められ。 素晴らしい即効性が確認された。

4、アポキルを使用する場合。  最初の2週間は維持料の2倍の量を投与する。  2週間経過して良好な反応が得られたら、導入量の半量の維持料に減薬するが。  その際に少し痒みが戻って来ることがある。  その場合には。 局所使用に特化したステロイドのスプレーを使用したりすることもあるが。  たいていの場合戻った痒みも我慢が出来る範囲のことが多く、2週間から3週間経過すると再び落ち着いて痒みを感じなくなることが多い。

5、総てのアレルギーの犬について、ステロイドホルモンよりも有効であるとは限らない。  当院でのほとんどの症例ではアポキルの導入により、ステロイドから離脱出来たのであるが。
たった1例だけ、投薬何回かに1回嘔吐して、痒みのコントロールも上手く行かないで。 飼い主様のご希望で少量のステロイドホルモン1日置きの投与で快適な生活に戻った症例もあります。

しかし、ごく少数の例外を除けば、適切な症例として判断して投与している多くの子らは、このアポキル錠のお陰で夜も痒くて眠れないこともなくなって、快適な生活を送ることが出来るようになっています。

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顕微鏡新調

検査機器もいろいろとありまして。  顕微鏡なんかも、本当にピンキリです。

性能の良い顕微鏡は、他の顕微鏡では見えないような物でも発見することが出来ます。

この度、長年の懸案であった、ちょっとこましなオリンパスの顕微鏡を購入しました。

ディスプレイも解像度の高いのを外付けで設置しましたので。 これからは飼い主様に画面に映る対象物を指さしながら丁寧に説明することが可能になると思います。

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しかし、検査台が機器で一杯で狭いです。

重度肛門嚢炎に対する肛門嚢摘出術

犬や猫などの肉食獣には、 他の科目の動物に無い組織として、 肛門嚢という強烈な臭いを発生させる袋状の器官が肛門の辺りに存在します。

犬の肛門嚢は、 排便の際にその分泌物が糞便の上に少量落とされて、 他の犬たちに対するメッセージの役割りを果たしていると言われていますが。 本当かどうか?は実際に犬に訊いて返事をもらった人はおそらく居ないと思いますので。 一応推測の範囲ではないか?と勝手に思っています。
しかも、 都会生活を送っている最近の我が国のワンたちは、 散歩の時に排便してもマナーをきちんと守る飼い主様が糞便を回収してしまいますから。 糞便と肛門嚢分泌物によるコミュニケーションは非常に困難な時代になってしまっております。

この肛門嚢は、 分泌物の出口が肛門のすぐそばに開口しておりますので。 しばしば大腸菌などの細菌が侵入して繁殖し、 炎症を起こすことがあります。

大抵の肛門嚢炎は、 適切な抗生物質を使って治療することにより治ってしまうものですが。 時たま薬剤耐性菌が感染していたり、 肛門嚢が拡大して大きな袋状になってしまい、 内部まで薬の効果が及び難くなってしまっていて、  内科治療が困難な症例に出くわすことがあります。

内科治療困難な肛門嚢に対する治療法は、こまめに絞って中身を溜めないようにしながら、細菌培養と薬剤感受性試験を繰り返して、その結果に基づく適切な抗生物質を投与するという地道な内科療法を行なうのですが。 それでも治って行かない場合。 最終的には外科的に肛門嚢を摘出する方法があります。

この外科療法には、やはり落とし穴が存在しておりまして。

肛門嚢の組織を取り残した場合に、あの臭い中身が傷の中に分泌され続けるので、瘻管という非常に不愉快な結果が残ることになります。

いったん瘻管が形成されると。 その原因である残存肛門嚢組織を綺麗に除去しない限りいつまでも不愉快なジクジクとした悪臭を伴なう不潔な肛門周囲組織と付き合わなければなりません。

そして、瘻管を摘出しようとすると、これが結構難しい手術になることと思います。 仮に瘻管がそっくり摘出された場合でも、周囲組織を大きくごっそりと切除しなければならなかったりして。その結果、排便をコントロールしてくれる肛門括約筋を損傷して。 頑固な便失禁が残るということになりかねません。

どんな手術でも、最初に上手く行かなくてやり直しをする方が、難しいものであります。

肛門嚢摘出手術も、 簡単なようで、 意外に難しかったりします。

というわけで。 私は犬猫の肛門嚢摘出手術をする際には、 アナルサックゲルキットという熱可塑性樹脂の製品を、切除直前に肛門嚢内に注入して、肛門嚢を周囲組織とはっきり区別出来るようにしてからやることにしています。

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画像がアナルサックゲルキットの内容です。 グリーンの円筒形容器には熱可塑性樹脂が入っていまして。 使用直前に沸騰水で熱して、これを上のステンレスの注入器にセットして肛門嚢の出口の穴から中に充填するのです。

麻酔下で行なう作業なので、100℃とは言いませんが70℃とか80℃くらいの樹脂が嚢内に入ることになります。

実は、これが万が一にも肛門嚢組織を取り残した場合でも瘻管が出来ない保険のようなものなのです。 通常の生き物の細胞は、細菌でも、我々や犬猫の身体の細胞でも、70℃くらいの高温に数秒でもさらされると、死んでしまうのです。

高温のアナルサックゲルキットを空の肛門嚢に注入することにより、 肛門嚢の内貼りにあたる悪臭液分泌細胞を殺すことが出来るので。 万が一組織の取り残しが出来ても、 瘻管形成を防ぐことが出来るかな?と一応考えているところであります。

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一応、手術の光景も掲載します。 まず手術準備の消毒のところです。

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覆い布をかけます。

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何故か、左側が終わって右側の皮膚切開をしているところです。

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矢印の先が肛門嚢の組織ですが。 丁寧に分離しているところです。

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手術が終わって。 肛門が開かないように肛門を絞めていた縫合糸を抜いたところです。

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術後1週間が経過して、来院して来たところです。 この段階で、手術後の排便のし難さとかは完全に消失して、抗生物質の内服とエリザベスカラーで舐めないようにしている以外はほぼ通常の生活が出来ています。

肛門嚢摘出術は、 そんなに件数の多い手術ではありませんが。 やる時はやらなければならない手術でもあります。 今のところ私がやった手術で瘻管形成に陥った症例はありません。 これからも心して取り組みたいと思います。

ではまた。

 

 

犬の糖尿病のインスリン抵抗性(インスリンが利かない、あるいは利き過ぎる糖尿病について)

先日から当院に転院して来られた日本犬の女の子ですが。

最初にかかっていた近くの動物病院で、糖尿病と診断されて。 インスリンによる血糖コントロールを試みていたのですが。

なかなかコントロール出来ないで。 インスリンを注射するとフラフラになったりして。 とても可哀相なんだと。 その上にどんどん痩せて来て、多尿多飲も全然改善しないということで。

最近、 そこの獣医さんに、 「もうこの子は長く生きられません。」と宣告されてしまったとのことで。

インターネットでいろいろ調べていたら。 グリーンピース動物病院にヒットしたということでの転院だったそうです。

糖尿病で、 インスリンが利かないという子は時々診ますが。 インスリンが安定して利き難い原因として。 まず考えなければならないことは。 その子の身体の状態が、 副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)でないか?ということと。 その次に考えなければならないことは。 女の子で避妊手術を受けていないということです。

その他にもいろいろありますが。 この子の場合はこの二つをまず考えなければならないと思います。

血液検査を実施しつつ、 身体検査を行なって行くと。 飼い主様が膿性の下り物が性器から出ていると言われます。

となると。 血糖コントロールが難しいのは、 子宮蓄膿症あるいは子宮内膜炎の存在が原因ではないか?と強く疑われます。

血液検査の結果を見ると。 ひどい高血糖に総コレステロールが450mg/dlオーバー、カリウムイオンが5.2mEq/lとそろそろ糖尿病性ケトアシドーシスで危なくなって来ている感があります。

何はともあれ、感染した子宮を卵巣と共に摘出して。 インスリンが利くような身体の状態に持って行きたいところです。

その日は。 インスリンを体重1キロ当たり0.4単位くらい注射してやって。 飼い主様に当院で使うインスリンをお渡しして、打ち方を指導させていただきました。

翌日、速攻で麻酔をかけて、 卵巣子宮全摘出を実施しました。

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画像は麻酔をかけて、今から術野の毛を刈ろうかという状態のものです。 麻酔前に血液検査で血糖値を調べて。 極端な低血糖でないことは確認済みです。

手術は最短で終了しまして。 子宮は膿でパンパンという感じではありませんでしたが。 取り出した子宮の内容を無菌的に採取して、 細菌培養と薬剤感受性試験を実施しますと、 しっかり細菌が生えて来ました。

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卵巣子宮全摘出の手術の際に、 右第4乳頭すぐそばに小さな腫瘤を発見しましたので。 今回は大きくは取らずに、小さく切除して病理検査に供しました。 後日良性の物であるという報告が来ました。

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手術の翌々日に再来院しましたので。 状態を聴いて、 すこぶる調子が良いということですから。 静脈留置を抜去して。 抗生剤の内服とインスリンの注射を自宅でやってもらいました。

術後1週間での半日預かっての2時間毎血糖曲線の結果は。 今ひとつ高めだったので。
ほんの少しだけ増量を指示させていただき。 更に1週間後の本日、半日預かって抜糸と2時間毎血糖曲線の検査をやっております。

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今のところ、非常に良好に血糖値がコントロールされておりまして。 半日の間で100から200mg/dlの間に収まりそうです。

初診時ガリガリに痩せていた身体も、少し筋肉や脂肪が戻って来て、幸せそうな雰囲気の犬になりつつあります。

朝一の採血での血糖値以外の項目でも。 総コレステロールが随分低下したことと。 カリウムイオンも4.3mEq/lと程良い数値になっておりますし。 少し高めだった肝酵素の数値もかなり改善しております。

これからのこの子は、 多分ですが。 血糖値は良好に管理されるようになることと予想しています。

次回の2時間毎血糖曲線検査は1ヶ月後に実施する予定です。 数回月一の検査を行なって、安定しているようであれば、 それも間隔を開けて行く予定です。

犬の糖尿病のインスリン抵抗性については、鑑別リストがきちんと教科書に載ってますから。 それをひとつひとつ解決して行けばかなりの症例で救うことが出来ると思います。

今回はかなり早くに解決出来て良かったと思います。

しかし、惜しむらくは。 3ヶ月前の発症時に診させていただければ、 糖尿病性白内障で失明せずに済んだかも知れません。
ただ。 糖尿病性白内障については。 網膜さえ傷んでなければ、 水晶体を眼内レンズに交換することで、 再び視力を取り戻すことも可能かと思います。

御年11才のこの子ですが。 以前に管理していた同じような糖尿病の日本犬でも、16才で老衰で亡くなるまで元気に過ごせてましたから。 この子もそこまで幸せに生きて欲しいものであります。

ではまた。

猫の子宮蓄膿症

今回の症例は、特に症状があって来院したわけではない子でした。

一緒に暮らし始めてすでに数年経過した子なのですが。 発情のことと、病気予防のことが気になっていて。 避妊手術を希望されて連れて来られたのです。

術前検査はそんなにお歳でもなく運動能力に異常もないとのことでしたから。 全血球計数と血液生化学検査、血液凝固系検査だけやりましたが。 特段の異常はありませんでした。

手術当日、麻酔導入して、仰向けに保定し、お腹の毛刈りを始めたところ。 お腹の中に何やら硬い大きな物体が触れまして。

妊娠か?と疑って。 飼い主様にお電話をかけつつ、エコーで確認してみましたら。 それは胎児ではなかったです。

お腹を開けて、中身を確認すると。 硬い大きな物体は大きく膨らんだ子宮でした。

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普段の手術よりも子宮頚管の結紮と切断に随分気を使って。 私が「コピオ」と称している、取り残した子宮に膿が溜まった状態をつくらないようにしました。

子宮卵巣の除去後は普通に閉腹して。 手術は完了です。

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取り出した子宮を無菌的に突いて穴を開けてみると。 中から赤っぽい色調の膿が出て来ました。

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出て来た膿を材料に、細菌培養と薬剤感受性試験を実施しましたが。 翌日確認してみると、細菌は生えて来ませんでした。
普通の培地で普通に培養して細菌が生えないということは。 酸素がある環境では生えない菌が居るのか?普通のお肉のスープで溶かした寒天では生えない、栄養要求度の難しい細菌が居るのか?あるいは無菌的な化膿だったのか?のいずれかなんだと思います。

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猫ちゃんの覚醒は普通に順調でしたので。 当日夕方に退院して行きました。

子宮蓄膿症。 無症状の状態で手術が出来て良かったです。

ではまた。

子宮蓄膿症

今回の症例は、3才になるポメラニアンです。

子宮蓄膿症は、未避妊の女の子のワンちゃん猫ちゃんがかかる病気ですが。 この子は、飼い主様が子供を残したいという希望がありましたので。 避妊手術をやってなかったのです。

ただ、 飼い主様の意図に反して、妙に病気がちの体質でして。

ここ1~2年は頑固な便秘と食欲不振で、緩下剤と消化管運動促進剤を投与する治療を続けてました。

ところが、最近食欲不振の度合いがひどくなった上に元気が無くなったということですので。

心新たに、身体検査を行なってみると。 性器が妙に大きくなっていて、なおかつ下り物が見られます。

血液検査では、白血球数、特に細菌と戦う好中球の増加とC反応性蛋白の数値が高い方に振り切ってしまっています。

お腹のエックス線検査では、矢印の先に異常なソーセージ様の陰影が見られますし。

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腹部エコー検査では、そのソーセージ様の陰影は、内部に液体を貯留した管状の構造であるということが判明しました。

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これだけの証拠が揃えば。 この子の病気は「子宮蓄膿症」と言い切って良いと思いますが。

かなり怖いと思ったデータとしては。 血液を固める機能を持っている血小板の数が、1ミリ立方メートル当たり5万個台に減少しているということでした。 血小板数は、採血の時に針先が血管から外れたり、採血にひどく手間取ったりすると少なくカウントされることがありますが。 今回の採血は普通にスムーズに出来てましたから。 この数値は信頼性があると思います。

子宮蓄膿症のような基礎疾患があって、血小板数が少なくなっているような場合。 DICという血液凝固系の暴走とも言うべき致命的な状態になっている可能性が高いと思います。

DIC[で回復しない場合を考えて。 DIC[治療の奥の手ともいうべき新鮮血漿輸血とかも考慮して。 血液型を簡易キットで判定しようと試みましたが。 自己凝集反応が出現していまい。 血液型判定は出来ませんでした。

犬猫の血液型判定は、健康な時に前もって実施しておくべきものであると改めて思い知りました。

子宮蓄膿症は、状態が悪いからとか言って手術を延期したりすると、逆にますます状態が悪くなって、 結果的に死に至る症例を過去に見て来た経験から、発見したらとにかく手術して悪い臓器を取り出してしまうというのが私の考えです。

この子も、即日手術を実行しましたが。 手術の前から、DIC対策のお薬を静脈輸液に添加して持続点滴で投与しました。

 

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手術は、 過去のブログにも何回となく掲載したように、麻酔導入したら気管チューブを挿管し。 静脈カテーテルからの乳酸リンゲルの輸液。 各種モニターの装着と。 決して手抜きをせずに丁寧に準備します。

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お腹を開けると。 液体が充満した子宮が出て来ました。 超音波メスで血管をシールしながら摘出します。

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摘出した子宮ですが。 健康な子宮に比べて、長さはともかくひどく太くなっています。

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メスで突くと、イチゴミルクのような?膿が出て来ました。 この膿を材料にして細菌培養と薬剤感受性試験を行ないます。

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麻酔からは普通に覚醒しました。 一晩入院させて、DIC対策のお薬を添加した乳酸リンゲルの点滴を続けます。 翌日に食べれば回復に向かっていると判断して退院させます。

幸いなことに、翌朝食欲が回復して、与えた食事を食べてくれました。

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筒状のメリヤスを使ったシャツを着せてやって、退院させました。

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術後約9日で再来院した時には、すっかり元気になったということなので。 抜糸して今回の子宮蓄膿症騒ぎは一件落着ということになりました。

普通に回復してくれて、本当に良かったです。

今回の子は、一応繁殖予定があったので。 早期の避妊手術をしなかったために、こんな事態になってしまいましたが。
やはり、繁殖の可能性が無くなった時点でなるべく早期に避妊手術をお勧めするべきだったと思います。

ではまた。

犬猫の歯周病治療 劇的ビフォー&アフター (画像は順次追加してます)

特にリフォームの記事ではありませんが。
最近高齢犬猫で大きな問題になっているのが、口の中の衛生です。

いろいろ能書きを書くのも大切ですが。 一目瞭然のビフォー&アフター画像を掲載してみるのも判り易くて良いかも知れません。

では。 ご覧下さい。

ビフォー

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猫の重度の口内炎で歯周病を伴っています。 猫白血病ウィルスに感染していて、免疫力が低下しているところに、歯周病が発生し、口内炎でひどいことになっています。 ステロイドの投与で痛みはある程度コントロールされていましたが。 ものすごい口臭で飼い主様が悲鳴を上げてました。

アフター

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犬歯以外のすべての切歯(前歯)と臼歯を抜歯しました。 下顎の抜歯痕は合成吸収糸で縫合しました。
術後は抗生物質、ステロイドの内服。 猫インターフェロンの希釈液の口腔内散布で管理します。
抜歯の翌日から口臭は消失して、食欲もあり。 生活の質は飛躍的に向上しています。

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抜いた歯はこんな状態です。 臼歯は根っこが2本とか3本ありますので。 歯冠を切断して、ひとつの根っこ毎に抜かないと折れたりして残根が出来る怖れがあります。

ビフォー

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左右共上顎の1番目から3番目までの臼歯は抜けてしまっています。 上も下も臼歯は歯石で覆われてしまっています。

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左目の下の皮膚に穴が開いて、膿が出ているのは、裂肉歯膿瘍とも言いまして。 その側の裂肉歯(上顎第4前臼歯)の歯根が化膿しているために、出口を失った膿がその部位の皮膚から出ているという状態です。 これは原因となっている歯を抜いてしまわなければ治りません。

アフター

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両側共動揺がひどかったり、膿瘍の原因になっているような歯を抜歯して。残った歯については徹底的に歯肉縁下の汚れまで丁寧に除去しました。

ビフォー

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とにかく酷い歯周病です。 犬歯も臼歯も歯石の付着が半端ではありません。 この子も左側が裂肉歯膿瘍になってましたが。 手術までの投薬により一時的に、膿の分泌は止まってました。

アフター

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裂肉歯膿瘍の原因となっていた左上顎第4前臼歯を抜いて。 他の歯は、意外に健全でしたので、徹底的に歯肉縁下の歯石を除去しました。

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ビフォー

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この子も裂肉歯膿瘍で受診して来たものです。 目の下に器具で穴を示してますが。 そこから膿が出て止まりませんでした。 手術前の投薬でも止まらなかったので。 手術の際に細菌培養と薬剤感受性試験を実施しました。

アフター

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右上顎の歯はかなり抜きました。 歯の傷み方に左右で差がありました。 咬み方に左右差があったのでしょうか?

ビフォー

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アフター

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比較的軽度の歯周病の子でした。 まだこれくらいで受診されれば歯を失わずに済む可能性大です。 処置の後の日々のブラッシングなどのデンタルケアで管理が容易な症例です。

ビフォー

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アフター

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だんだん言うことが無くなって来ました。 結果が総てです。

ビフォー

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アフター

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この子は上下顎の前歯とか、下顎の臼歯を沢山抜いたので、抜歯痕を合成吸収糸で縫合しなければなりませんでした。

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抜いた歯の状態はひどいものです。

ビフォー

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アフター

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抜歯した歯は、歯根の根っこの方まで黒くなって、随分傷んでいます。

ビフォー

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この子は、口の中はまあまあましな方ですが。左眼の下がぷっくりと膨れて来まして。 細い針で細胞を採取して検査してみると、 化膿性病変であると判明したものです。 この部分に化膿性病変が出来た時には、 その多くが上顎第4前臼歯の歯根先端が化膿しておりますので。 根本治療としては当該歯の抜歯が必要になります。

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アフター

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膿瘍の原因になっていた歯です。 根っ子が3本ある三根歯なので、 それぞれの根毎にストレス無く抜けるように3分割してあります。

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上顎左側の第4前臼歯は抜歯しました。 術後の抗生物質の投薬で目の下の膨らみは治って行くことと予想されます。

ビフォー

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アフター

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まあ、ひどいものです。 特に左右上顎犬歯は、 根っ子の部分に超音波スケーラーを当てると、 鼻の穴からスケーラーからの冷却水が吹き出て来るような状態でした。 すなわち歯の根っ子の炎症が鼻の穴に貫通してしまっているわけです。
アフターの写真で見て取れるように、 犬歯の抜歯痕は合成吸収糸で縫合しています。
以上、歯周病処置のビフォー&アフターということで、画像紹介の形で書いてみました。

しかし、心すべきは、歯周病処置が治療のゴールではないということです。 せっかく処置をしても、放っておいてはまた同じように傷んで来ますから。 処置後にはブラッシングを基本とした日々のデンタルケアを主従で頑張ってもらわないといけません。

そして、何よりも大切なことは、ここまでなる前に早めに処置をする。 また、歯石が少しでも付着する前に、予防的に日々のブラッシングを怠りなく、愛犬愛猫の歯を綺麗に保つということだと思います。

見るだけで気分の悪くなる画像が続きましたが。 御高覧有り難うございました。

ではまた。